4人組ロックバンドのフレデリックが13日と14日に、東京・新木場STUDIO COASTでワンマンライブ『フレデリズムツアー リリリピート公演〜みんなのTOGENKYO〜』をおこなった。昨年10月に東名阪QUATTROツアー『フレデリズムツアー2017 QUATTRO編 ~僕のTOGENKYO~』、11月から12月に掛けてZEPP東名阪を含む全国12カ所を廻り千秋楽を迎えたツアー『フレデリズムツアー2017 〜ぼくらのTOGENKYO〜』の追加公演で2日間開催。14日の公演は代表曲「オドループ」や「TOGENKYO」、さらにアコースティックで「ハローグッバイ」などアンコール含め全18曲を演奏し、4月30日に神戸 ワールド記念ホールで開催される、初のアリーナワンマン公演『FREDERHYTHM ARENA 2018 〜KOKYOのTOGENKYO〜』へのライブに弾みをつけた。14日のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

様々なグルーヴを提示した前半戦

撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)

 会場は開演の30分前からすでに超満員のオーディエンスで埋め尽くされていた。そこにソウルフルなダンスチューンがBGMとして流れ続けている。そして、場内アナウンスの後、ゆっくりと明かりが落ち、SEとともにステージにセットされたLED菅がリズムに合わせ点灯、大歓声のなか4人がステージに登場。

 「『みんなのTOGENKYO』始めます」と三原健司(Vo、Gt)の言葉から「オンリーワンダー」でライブの幕は開けた。唯一無二のステージを序盤からぶつけていく4人に、オーディエンスも手をステージに向け伸ばしたり、時にクラップを打ったりとバンドの出すサウンドに応えていく。健司のギターと歌だけによる始まりがエモーショナルだった「オワラセナイト」、三原康司(Ba)のアグレッシブなベースフレーズのイントロが高揚感を煽った「愛の迷惑」で大いに盛り上げていく。<幸せなら手を叩こう♪>のフレーズに合わせたオーディエンスのアクションに健司は「大好き、ありがとう」と投げかけた。

 2ndシングル「かなしいうれしい」に続いて、ブルーのライティングが真夜中を演出し、健司の伸びやかな歌声で紡ぐメロディーが浮遊感を感じさせた「ミッドナイトグライダー」、さらにどっぷりと夜へいざなった「ナイトステップ」では音の強弱やリズムなど生の演奏にリアルタイムで反応するグラフィックが視覚でも楽しませ、流れるようなミディアムテンポのグルーヴで踊らせた「スローリーダンス」と、体を揺らすビートで心地よい空間を次々と作り出していく。

 「まだまだ踊れますか?」と「ディスコプール」に突入。赤頭隆児(Gt)はセミアコからストラトにチェンジし、ソリッドなギターカッティングを放ち、高橋武(Dr)の4つ打ちのキックが高鳴る我々の鼓動とシンクロ。そこに乗る康司のオクターブ奏法は王道のダンスミュージックのグルーヴでSTUDIO COASTを包み込む。続いての「パラレルロール」ではBセクションで聴けるギターとベースのユニゾンがサビへの爆発力を高める好演。そのサウンドの上で健司は、息もつかせぬ畳み掛けるリリックでフロアを躍動させる。

FAB!! で「ハローグッバイ」を披露

撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)

 ここで、アコースティックコーナーへ。「TOGENKYO」の初回盤に付属していたDVDで見せたFAB!! ~Frederic Acoustic Band~を生で披露。健司はアコギに、康司はフレットレスベースに楽器をチェンジ。今のフレデリックのアグレッシブだけではない、新たな表現、グルーヴで届けた。「USO」では滑らかな音程感のベースソロも見所。MCでは「どんどん進化していきたい、より洗練させていきたい、自分たちの音楽の可能性を広げていきたい」と2018年の願望を話した。

 そして、再びFAB!!による演奏へ。楽曲の持つ本来の良さをさらに活かそうとアレンジしたと話した「ハローグッバイ」は、しっとりとしたアレンジによって歌の存在感はさらに増し、言葉はより鮮明となりオーディエンスの心に届けられていく。静かに佇みその言葉を真摯に受け止めるオーディエンスの姿がそこにはあった。10、20年後のフレデリックの一端を垣間見得たような気がしたセクションだった。

 ここから後半戦へ突入。健司がハンドマイクで感情を注入し届ける「まちがいさがしの国」、そして、オリエンタルな雰囲気を存分に放った「RAINY CHINA GIRL」でオーディエンスを扇情させ、「リピート地獄に陥ってください!」と「リリリピート」でラストスパートを仕掛けていく。息もつかせぬアッパーチューンにオーディエンスの振り上げる腕も加速度を上げていく。さらにキラーチューンの「オドループ」では、オーディエンスによる一糸乱れぬクラップに健司も「幸せ」と笑顔。これで終了かと思いきや「帰宅のお時間です」と投げかけ「KITAKU BEATS」に突入。アドレナリン全開のパフォーマンス。最後は紗幕が絶妙なタイミングでステージ前に降り本編を終了した。
 
 アンコールで再びステージに登場したメンバーは紗幕越しに「たりないeye」を演奏。今のフレデリックのバンド像や想いが詰まったナンバーは、<君と見る景色が足りない♪>とメッセージを強く打ち出していく。そして、現在の桃源郷はまさにここにあるとラストは「TOGENKYO」で締めくくった。最後に健司が「2018年の音楽シーン、フレデリックが掻っさらって行きます!」と宣言。このツアーで音楽の新たな可能性を追求してきた4人が、4月30日に開催される神戸 ワールド記念ホールで、どのような景色を見せてくれるのか、この“目”で確かめたくなった一夜であった。

セットリスト

『フレデリズムツアー リリリピート公演〜みんなのTOGENKYO〜』

1月14日 東京・新木場STUDIO COAST

01.オンリーワンダー
02.オワラセナイト
03.愛の迷惑
04.かなしいうれしい
05.ミッドナイトグライダー
06.ナイトステップ
07.スローリーダンス
08.ディスコプール
09.パラレルロール
10.USO (FAB!! ~Frederic Acoustic Band~)
11.ハローグッバイ(FAB!! ~Frederic Acoustic Band~)
12.まちがいさがしの国
13.RAINY CHINA GIRL
14.リリリピート
15.オドループ
16.KITAKU BEATS

ENCORE

EN1.たりないeye
EN2.TOGENKYO

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