近頃のアイドルは多様化していて、仮面女子のように地下アイドルを名乗るものもあれば、最近では宇宙人アイドルというものいる。そして、先日、仮想通貨をテーマにしたアイドルグループ・仮想通貨少女が結成された。

 先日、おこなわれたというイベントには、エンタメ系メディアだけでなく、経済系メディアの記者も出席したとか。アイドルグループは日本が誇るカルチャーともあってか、英経済紙のフィナンシャル・タイムズも電子版で「日本のアイドルグループが仮想通貨に提言」という見出しで報じた。

 国内メディアが伝えたところによれば、乱高下を繰り返す仮想通貨をただの投機としてのツールではなく「素晴らしい未来を創る技術」であることを「エンタメを通じて訴えていきたい」という目的のもとに結成されたという。

 しかも、メンバーの給料の一部は「ビットコイン」とよばれる仮想通貨で支払われるそうで「給料日前の相場が気になる」そうだ。12日に都内でおこなわれたデビューイベントでも、グッズの物販に仮想通貨が用いられたそうだ。

 そもそもこの仮想通貨。最近は、GACKTが事業に参画するということで話題になるなど、もはや誰もが一度は聞いたことがあるのではないだろうか。仮想通貨は2008年にサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto) を名乗る人物によって投稿された論文に基づき、2009年に運用が開始されたという。

 英紙などが過去に報じたところによれば、仮想通貨の価格は、2017年1月には約1000ドルだったのが、12月には2万ドル近くにまで高騰。今年に入り、韓国の朴相基(パク・サンギ)法相が取引所を通じた仮想通貨の取引を禁じる計画を確認したことなどが売りを誘ったが、韓国大統領府の報道官はその後、内容をトーンダウンさせるコメント。それから一時、約1万3000ドルまで価格が急落したが、現在は約1万4000ドルにまで回復している。

 仮想通貨は、国家や中央銀行のような管理元を持たず、ユーザー間で直接取引される。その取引はブロックチェーンと呼ばれる公開分散元帳に記録されていく。この公開分散元帳のデータ管理は、ユーザ達が計算能力を提供すること(マイニング)で担保される。このマイニングによってユーザーは新たに仮想通貨を取得することができる仕組みとなっている。現在、ビットコインが最も時価総額が高い通貨だが、「リップル」や「イーサリアム」など仮想通貨にもいくつかシステムやネットワークの違いなどによる種類が存在する。

 と、いろいろとしたためたが、仮想通貨が今後、私たちの生活にどのような影響を与えていくのかは私にはわからない。しかし、仮想通貨に限らず、様々な価値観がグローバル化によって変容している中、いち早く世界の潮流に対応していくことも生き抜くための一つのポイントになってくるのだろうか。音楽界だけではなく、エンターテインメント界に彼女たちがどの様な変革をもたらすのか。今後の活動と“仮想通貨市場”に注目したい。【松尾模糊】

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