東京パフォーマンスドール(通称TPD)が6日に、「現状打破でLove you」を配信リリースした。9月に東京・恵比寿ガーデンホールで開催した『東京パフォーマンスドール ダンスサミット 2017~Summer Glitter!〜Vol.3』で初披露。作詞に修二と彰の「青春アミーゴ」などを手がけたzopp氏が担当し、恋する女の子の揺れ動く心情を等身大の目線で歌ったポップチューンでメンバーの橘二葉が振付を担当した。さらに、グループ内派生ユニット“赤の流星”が13日に「これが愛?!」、“ぐーちょきぱー”も9日に「ハジケソーダ!」をリリース。今回は高嶋菜七、上西星来、脇あかりの3人に、新曲についてや、11月におこなわれた対バンライブ、恋と愛の違いについてなど話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】
「TPDの強みって何だろう?」
――先日、小林晏夕さんが活動休止を発表されて、11月23日、24日に8人体制で臨んだ対バンライブ『TPD Presents THE LIVE SUMMIT part.2』はどうでしたか?
上西星来 急遽8人でのフォーメーションで臨みました。勉強になったし、私達のライブにも取り入れたいことがたくさんありました。他のグループとのコラボはあまりやったことがなかったんですけど、今回はそれができて交流がたくさんあって楽しかったです。
――自分達の曲とは違うので難しい部分もありましたか?
上西星来 私はsora tob sakanaさんとコラボさせて頂いたんですけど、半拍遅らせて歌に入るような楽曲が多かったので、そこが難しかったです。
高嶋菜七 私はcallmeさんとのコラボで歌ったんですけど、それはみんなでシンガロングできる「step by step」という曲だったんです。私達の曲で合唱するような曲がないので、そういう曲をやってみて凄く楽しかったです。「この曲下さい」って言っちゃいました(笑)。
――ブログでも自分でそういったエモい曲を作りたいと仰っていましたね。
高嶋菜七 そうなんです。曲が降ってくることがありまして。昔からそういうことがあったので、やってみたいなと。エモい曲が好きなんです。
脇あかり たまに作ってるんですよ。
――高嶋さんの思う、エモい曲とはどういう曲ですか?
高嶋菜七 ライブ中のエモーショナルな瞬間が好きなんです。アーティストが歌う前にMCを入れて、その曲に対する想いを語るような曲です。聴いていて心が揺らぐ曲といいますか、そういう曲が欲しいということもあり、私がそういう曲をTPDで作ってみたいなと。
――なるほど。確かに自身で作らないとそういうのは難しいかもしれませんね。脇さんは作詞をしたいと以前言っていましたよね。
脇あかり はい! 披露はしていないのですが、今少しずつ書いています。
――どんな歌詞なのか気になりますね。お披露目される日を待っています。では、対バンライブはどうでしたか?
脇あかり 私はアキシブprojectさんとコラボさせて頂いたんですけど、お祭り騒ぎでした。女の子っぽい歌詞が出ている曲があって、新鮮で凄く楽しかったです。
――TPDも前作「Glitter」など、ポップで可愛らしい楽曲も増えてきましたよね。それとはまた違う感じなのですか?
脇あかり 振りというよりは、自由な感じなんです。
高嶋菜七 何も考えずに盛り上がれる感じだよね。
――対バンライブをおこなって得たものはありましたか?
高嶋菜七 色んなグループの方々とやらせてもらって、それぞれのカラーがよく見えました。sora tob sakanaさんと大阪☆春夏秋冬さんとBiSさんが今回初めて御一緒させていただいたんですけど、みなさんそれぞれの世界観がありました。大阪☆春夏秋冬さんは歌・ダンスがしっかりしていてアーティスト色が強く感じられたし、フレンドリーだし、BiSさんも改めて観たらファンの方々の盛り上がり方がバンドみたいで凄いんです。それぞれのライブを観れて勉強になったし、私達に活かせたらなと思いました。
――大阪☆春夏秋冬さんなどをアーティストと形容すると、TPDは一言で表すとどういう感じでしょうか?
高嶋菜七 う〜ん、難しい…。逆になんだと思います?
――個人的には総合的なエンターティナーかなと。TPDのステージは最近特になんですけど、ストーリーをすごく感じるんです。
脇あかり 確かにそれは言われることがあります。
上西星来 対バンライブで学んだこともたくさんあるんですけど、対バンライブをするまでの準備期間で学んだことが多かったです。セットリストを組むときも「TPDの強みって何だろう?」とみんなで話し合ったりしました。私達も演出力の総合エンターテイメントだと思っていたんですけど、やっぱり対バンライブだと物語系は表現できないので。そこでの葛藤はありました。
――改めて自分達と向き合ったということですね。対バンライブやフェスなど限られた短い時間の中では瞬発力が必要ですよね?
高嶋菜七 そうですね。その場でお客さんに楽しいと思ってもらいたいけど、その後にワンマンライブに来て欲しい気持ちもあるので、同時にどう見せたらいいのかとは思います。
――ノンストップであれだけエネルギッシュなステージができるのも凄いと思います。それが強みでもあると思いますが。とはいっても長丁場だと大変そうですね…。
高嶋菜七 3月に開催した『ダンスサミット“DREAM CRUSADERS” at 中野サンプラザ 2017.3.26』のような2時間のライブはやっぱり大変でした。最後の方は腕が上がらなかったですから。なので、長渕剛さんとか本当に凄いと思いました。
――長渕さん、オールナイトライブですからね。
脇あかり 私たちは今2時間が限界かも…。
上西星来 中野サンプラザのライブのときは、最後のお辞儀のときに起き上がれなかったですから…。
高嶋菜七 あの時は出し切った感じがあったね。
――サンプラザを乗り越えた今では、60分や90分のライブでは多少は余裕がある?
脇あかり でも、2時間分の力を90分で使い切っているという感じです。私達は今ノンストップでやっているんですけど、MCなどを挟んだ方が逆に大変かなと感じています。
高嶋菜七 たぶん一定に動いている方がいいんです。
MVはどの子を彼女にしたいか選びたい
――新曲の「現状打破でLove you」ですが、9月に恵比寿ガーデンホールで開催された『東京パフォーマンスドール ダンスサミット 2017~Summer Glitter!〜Vol.3』で初披露された曲です。この楽曲をパフォーマンスしてみて感触はいかがでした?
高嶋菜七 今回はメンバーの(橘)二葉が振り付けをしたということもあって、新鮮でした。踊っていても歌っていても飽きないんです。この曲を好きと言ってくださる方が凄く多いので、これからTPDの武器になっていったらいいなと思います。
脇あかり 振りといい曲といい、自分の中で好きな曲の一つに入ったので、無茶苦茶踊っていても飽きないし、楽しいです。サビは全員で歌うことが多いんですけど、今回はソロになっているので伝えやすいという面もあります。
――武器、いいですね。今回は6人でのパフォーマンスです。今年はTPDから派生されたユニットがメインだった感じがあります。
高嶋菜七 今回はそれがテーマでもあります。
――MVの見どころは?
上西星来 一人ひとりの雰囲気も印象も全然違うし、全員カットで歌っているシーンも少ないので、どの子を彼女にしたいか選びたいなって私は思いました(笑)。
――ちょっと恋愛ゲームっぽい感じですね。今回は妄想・ネガティブ思考など、恋する女の子の揺れ動く心情がテーマだと聞きました。
高嶋菜七 純粋に等身大というか、「女の子ってこういう感じだよね」と。最初は不安な様子が描かれていて、それをとっぱらって自分から行きたいと、きっと女の子が読んだら共感してくれると思います。男の子からしたら「女の子はこういう風に思っているんだな」と感じてもらえると思います。
脇あかり ちょっと面倒くさいと思われちゃうのかな?
高嶋菜七 でも女の子ってそういうもんじゃない?
――では、これを観て聴いて、女の子はこういうものだと信じていい?
高嶋菜七 いいと思います(笑)。王道という感じです。
上西星来 私が思うに、女の子はこういう気持ちではいるけど、本当は向こうからアプローチしてくれるのを待っているんだろうなと思います。
――実際はそうでしょうね…。男子の草食化が激しいと言われる昨今ですが。
高嶋菜七 草食はね…。
――高嶋さんはご自分からアプローチする感じですか?
高嶋菜七 全然ですよ。そういう感じではないと自分では思います。向こうからのアプローチを待つタイプかなと。
――そうなんですね。「現状打破でLove you」の歌詞で気に入っているワードはありますか?
脇あかり <君の背中を 指でつついた>とか、<振り向きざまに 叫ぶよ>です。何て叫ぶんだろうなって思います。普通に「好き」とかそういう系だと私は思うんですけど。
高嶋菜七 私は<あのね あのね やっぱ いーや あのね 実は やっぱ いーや>です。「凄く頑張って勇気を出してみよう! でもやっぱいいや…」となることが多いと思うので、可愛いなと思います。歌い方も可愛いですし、リフレインして歌う方が心にグッとくるというか。2回<あのね あのね>という感じが可愛くて好きです。
上西星来 この歌詞を最初に読んで、<Oh my god 眠れない 夜がコンティニュー>というのが、女の子の“あるある”だと思いました。その人のことを想うと、目を瞑っても眠れないというのが、きっと女の子は共感できると思います。
――そういうときは気を紛らわせるためにゲームか何かをしたり?
上西星来 ゲームとかやらないですね。もうひたすら布団で眠くなるのを待つのみです(笑)。
恋ってなんとなく青春
――今回、赤の流星の楽曲「これが愛?!」もリリースされます。恋や愛というテーマがありますが、恋と愛の違いとは何だと思います?
高嶋菜七 若さかなあ? 恋ってなんとなく青春と言いますか…。
上西星来 恋は一方通行で、愛はお互いが好きなのかなと思います。
高嶋菜七 恋が実って愛になるんじゃない? だから恋は途中通過なのかな?
上西星来 お互いが好きってわかったら“愛”。
脇あかり 恋から愛に…。
高嶋菜七 恋を経ての愛だと思います。
上西星来 この歌詞が、恋から、これが愛と呼べるときが来るというものなので、イコールお互いが好きになったときが、愛って呼べるときが来るのかなと。
――最初は恋から始まるわけですね。さて、「これが愛?!」は今までの赤の流星とは曲調が違いますね。
上西星来 いつもはわりと速い曲やラテン調の曲だったりと、ポップな曲はあまり歌っていなかったのですが、今回ポップな曲を頂いたのでサビでもファンのみなさんと一緒にできる振りを作って欲しいとお願いして作って頂いきました。確かにいつもとは違う楽曲に仕上がっていると思います。
――歌うにあたってこだわった点は?
脇あかり ハモりが重要なので、ものすごく練習しました。あとから映像も見返したりして。跳んでる振りなどもあるので大変な面もあります。
――ジャンプしながらのハモりはハードルが高そうですね。客観的に、高嶋さんは赤の流星はどう見えていますか?
高嶋菜七 あえて言わないこの感じみたいな。この2人の関係性は何だろうという。大々的には言っていないんです。どう捉えるかは、その人次第なんですけど、そういうミステリアスなところもいいし、そういうのが好きな方々もたくさんいると思います。2人の愛に繋がっているのかもしれないし、そういうのが好きなみなさんにも是非聴いて欲しいと思いますし、あまりこういうユニットは聞いたことないなと。2人には唯一無二になって欲しいです。
――例え話ですけど、高嶋さんが赤の流星に加入するというのは、どうですか。
高嶋菜七 私は赤の流星のキャラとは違うと思います。2人が積み上げてきたものもあるので、私にはなれないかな。星来とあかりは結成時に上演していた『1×0』の頃からニコイチの感じもあるので、もうこの2人の中には誰もはいれないと思います。
――絆が生まれていますよね。そういえば、赤の流星の「果実」のパフォーマンス時に使用している林檎のオブジェも大きくなってきていませんか? 気のせいかもしれませんが。
上西星来 そうですね(笑)。
高嶋菜七 今リハーサル室にすら入らないですからね。ドアが通過できなくて(笑)。あれ実はマトリョーシカなんですよ。中から小さいのが出てくるんです。
――嘘ですよね?
高嶋菜七 (笑)。
脇あかり 変わってないですよ(笑)。
上西星来 リハとかでは最初はボールだったんです。でも、さすがに本番でボールは…というところで林檎になりました。
――確かにボールですと、雰囲気が全然変わりますね。では、最後に今後のライブの見どころなどお願いします。
高嶋菜七 23日、24日はそれぞれ違う4つのイベントがあります。ファンクラブ限定イベントだったり、アッパーチューンをメインでおくるクリスマスイヴの前夜祭だったり、ロマンチックにクリスマスっぽい曲があるライブがあったり、チームTPD全員で盛り上がろうというお祭りイベントです。あと私の生誕イベントもあるので是非(笑)。そんな盛り上がるクリスマス、忘年会になったらいいなと思います。
――やっぱりホームであるCBGKシブゲキ!! で締めくくりたい? キャパ的にチケットが取れなさそうですが。
高嶋菜七 原点にも戻れるという思いもあって。ファンクラブイベントとかはやっぱり「CBGKシブゲキ!!」です。
上西星来 どんなに大きな場所でできるようになったとしても、ホームのCBGKシブゲキ!! は大切にしていきたい場所です。
(おわり)
ライブ情報
(東京パフォーマンスドール)
2018年2月20日(火)duo MUSIC EXCHANGE
2018年3月15日(木)Shibuya WWW X
2018年4月19日(木)Shibuya WWW X
詳細は追って発表
ライブ情報(赤の流星)
2018年4月1日(日)AKIBAカルチャーズ劇場
詳細は追って発表