木原さとみ×高嶋菜七、TPD30周年を語る「進化したダンスサミットで新境地に」
INTERVIEW

木原さとみ×高嶋菜七

TPD30周年を語る「進化したダンスサミットで新境地に」


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年11月21日

読了時間:約11分

 東京パフォーマンスドール(TPD)が今年30周年を迎え、11月18日に20曲をノンストップで収めたベストアルバム『20 BEATS 20 TALES』をリリース。現在TPDは約7年前に新たなメンバーでデビューし新生TPDとして活動中。ノンストップでライブを行なうスタイル、ダンスサミットを先代から受け継ぎ、唯一無二のパフォーマンスで楽しませている。インタビューでは30周年を迎えての心境、当時のエピソード、これからのTPDについてなど、先代TPDのリーダーである木原さとみと新生TPDのリーダー高嶋菜七の2人に話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

メンバーをライバルとして見ていた

木原さとみ

――今年に入ってから対談されたり、先日もラジオに出演されたりと、お2人での活動も多いですよね。

高嶋菜七 すごく多いです。以前から面識はあったんですけど、こんなにお話しさせていただく機会はなかったんです。

木原さとみ うんうん。ずいぶんこの期間で仲良くなれたと思っていて。

――木原さんは約7年前にTPDが新生TPDとして復活すると聞いた時はどんな心境だったのでしょうか。

木原さとみ どんな形態で活動するのかもわからなかったんですけど、「TPDがまた始まるみたいだよ」と聞いて先代メンバーの中でもざわついていたのを覚えています。それでお話を聞いたら私たちの歌もダンスサミットも受け継いでくれると知って、「いつか真ん中で歌ってやる」と思いました(笑)。こうやって今のメンバーが歌ってくれるから、過去の楽曲も新しくなってみんなにも届いているので本当に嬉しいです。

――高嶋さんはデビュー当時はプレッシャーもすごかったのでは?

高嶋菜七 結成した当初はプレッシャーはすごいありました。TPDのことを把握すればするほど大変なことになってきたぞって。でも今は新生TPDとして先代から継承してきたものを守りながら活動してきて、30周年という記念すべきに年にあたって、すごく光栄なことだなと思っています。

――新生TPDがスタートした時はどんな感じだったんですか。

高嶋菜七 まず結成してみんなで先代の武道館公演と横浜アリーナ公演の映像を観て、すごく華やかな世界だなと感じました。それで私たちもいずれこうなれるのかなと思いながら、ワクワクしていたのを覚えています。

――木原さんの時代、30年前のTPDはお客さんが7人しかいない時もあったというお話を聞いたのですが、信じられないですね。

木原さとみ 本当に7人しかいない時もありました。もう、メンバーやスタッフの方が多くて、ステージの袖からお客さんの数を毎日数えてましたから(笑)。夏場のライブだったんですけど、エアコンが効き過ぎてしまって寒いんですよ。

――心は折れなかったんですか。

木原さとみ もう日々落ち込んだり、逃げ出したい、やめたいと思ってました。でも、お客さんはどんどん増えて行ったので、楽しくなるし、次の目標も決まっていくので「次は武道館だ」と盛り上がって、みんなの目標が一緒になって。

――先代のTPDはメンバー同士、ライバル視していたところがあり、新生TPDとの違いを以前お話していたのも印象的でした。

木原さとみ そうなんです。新生TPDは仲がすごく良いと聞いたので、そこは私たちとは違うなと思いました。ライブでもこのメンバーの出番が多いとか、このメンバーのバックでは踊りたくない、とかセンターに行きたい、とか私たちはそれぞれあったんです。私も他のメンバーのソロ曲には興味がなかったから、ほとんど聴いてなかったくらいメンバーをライバルとして見ていたんですよね。

高嶋菜七 私たちはみんな仲が良いから、本当に違うなと思いました。このお話を聞いて、メンバーをライバル視する部分もあった方が良いのかなと思ったり。そこは先代のマインドを受け継ぎ忘れてしまったところかも知れないです(笑)。

木原さとみ そこは受け継がなくても良いと思う(笑)。

自分たちはアイドルじゃないと思え

高嶋菜七

――TPDの武器にダンスサミットがありますが、木原さんはこのスタイルのライブを初めて聞いた時、どんな心境だったのでしょうか。

木原さとみ 前例がないことだったので、どんな感じになるんだろう、どう見えるのかという不安みたいなものがありました。当時はお客さんも少なかったし、ただ疲れることをやっているだけみたいな感覚もありました。自分たちがどこに向かっているかもわからなくて(笑)。

――当時の他のグループとも比べてしまいますよね。

木原さとみ そうですね。おニャン子クラブや乙女塾とか可愛らしい衣装を着たアイドルが流行って、TPDはそのブームが終わった直後だったので出る番組もないしライブ三昧でした。スタッフからは「自分たちはアイドルじゃないと思え」と言われて、余計に何をやっているのかわからなくなって。でも、やっていくうちにお客さんがノンストップでパフォーマンスするダンスサミットを面白いと思ってくれているらしいと聞いて、ちょっと見えて来た部分もあって。

――木原さんは松田聖子さんに憧れてこの世界に入られたんですよね?

木原さとみ そうなんです。だからあまり踊らないイメージで入ったんですけど、結果すごい踊らされて(笑)。

――人一倍踊るグループでしたから(笑)。活動されてどんなことを学んだのでしょうか。

木原さとみ 沢山学んだことはありましたけど、目的を一緒にすれば、どんなに言い合ったとしてもまた一つになれることです。すごく仲が悪かった時期があっても、今は仲良しです。家族にも言えないことも知っている、メンバーには全てを出し切っているから、ぶつかったことによる絆は作れたのかなと思っています。今でもみんなと繋がっていて当時の話を出来るというのは、すごく楽しいですし、やっていて良かったなと思える瞬間です。

高嶋菜七 確かに色んなことを言い合える仲というのは、私たちもあります。「今日ブサイクだよ」「ファッションが変」とか、私メンバーから直接言われたりしますから(笑)。

木原さとみ それ言われてカチンと来ない?

高嶋菜七 カチンとはこないです。「えー、今日ブサイクなのか」みたいな感じなんです(笑)。

木原さとみ 私たちは直接言わないで、裏で「あの子太ったよね」とか言ってましたね(笑)。直接言えるのって思いやりがありますよね。

高嶋菜七 もともと私たちは9人いて2018年に6人になったんですけど、そこでまた絆は変わってきたなと思います。9人の時ももちろんあったんですけど、6人になってより強くなったというのもあるんです。

――高嶋さんはこの7年間でどんなことを学びました?

高嶋菜七 続けていくことの大切さです。この世界って浮き沈みが激しいじゃないですか。いつどこで芽が出るかもわからないですし、続けていかないとわからないことも沢山あるなって。諦めそうになっても、諦めずに続けていけば何かあるんじゃないかと思えていて。続けていなければ、今回のアルバムを出なかったですし、対談もなかったし、続けて行くことで見える景色があると思うんです。

――お2人がそれぞれ聞いてみたいことはありますか。

木原さとみ 私ができなかったこととして、リーダーとしてどんな風にグループを纏めているのか、というのは聞いてみたいです。

高嶋菜七 オーディションの時から自然とみんなを纏めていたのが私だったんです。みんなより歳上というのもあったし、学生時代も応援団をやったいたり、文化祭の実行委員をやっていたので、その気質はあったと思います。それでスタッフさんにみんなの意見をまとめて話したりしていて、それがTPDに選ばれた後も続いて。

木原さとみ それでリーダーに任命されたんだ。

高嶋菜七 急に呼び出されて、会議室で小さな任命式がありました。それで「あなたがリーダーです。出来ますか?」とお話をいただいたので、お引き受けしました。今までは自然と纏めていたんですけど、任命されてからは頭の中がリーダーというワードで埋め尽くされて。だから、無駄にメンバーを呼び出して、「これはやめましょう」とか「悪口は陰で言わない」ルールを作ったりして(笑)。私は険悪なムードが嫌いなんです。やっぱりハッピーなムードの方が楽しいじゃないですか。なので、注意する時も優しくなっちゃうんです。

――今はどんな心境でリーダーを?

高嶋菜七 みんな大人になって、それぞれ良いところ悪いところもわかっているので、今はあまりリーダーっぽいことはやってないかも知れないです。

――そういえば木原さんは当時、リーダーという感じのことはしていなかったとお聞きしています。

木原さとみ 全然リーダーという感じではなかったですね。メンバーからは「今の方がリーダーっぽい」と言われますから(笑)。でも、リーダーというよりも連絡隊長みたいな感じですけど、今の高嶋さんの話を聞いて、私もルールとか考えれば良かったなと思いました。

――高嶋さんが木原さんにお聞きしたいことはありますか。

高嶋菜七 先代の皆さんはメンバーの皆さんそれぞれがすごく個性的だったんですけど、それは敢えて個性を作ってたのか、それとも自然と出ていたのかが気になります。

木原さとみ これはあえて作っていたと思います。というのも、そうしないと沈んでしまうんです。テレビだけではなく、こういったインタビューやスタッフさんと話をする時にも、自分のキャラをみんな強調していたと思います。

高嶋菜七 私たちも徐々に個性は出てきたと思うんですけど、オンとオフがわからないところがあって。ずっとメンバーと一緒にいるんですけど、仕事とプライベートの私たちはそのままなところがあって。どうしたらオンとオフが出来るのかなと思って。

木原さとみ 私たちも常に一緒にいて、中島アパートというところにいたんですけど、そこにいた時とタクシーに乗って仕事場に着いた時には、みんなモードが変わってました。さっきまであんな緩かったのに、顔つきが変わるんですよね。

進化したダンスサミットで新境地に行けたら

――ベストアルバム『20 BEATS 20 TALES』がリリースされますが、先代と新生の楽曲が見事にミックスされたユニークなアルバムになりましたね。

木原さとみ 最初はどんな感じのアルバムなのか知らずに聴いたんですけど、当時の私たちの声が聞こえてきたと思ったら、今のTPDのメンバーの声が入ってきたり「ダイヤモンドは傷つかない」はすごく新鮮に聴こえました。私たちが歌っていた曲なんですけど、また違って聴こえる不思議な感覚がありました。

――「放課後はいつもパーティー」は今の木原さんたちが録り直しているんですよね。

木原さとみ この曲は今の私たちでレコーディングしました。違和感なくアルバムに混ざっていて、すごくホッとしています(笑)。

――そういえば新生TPDでは「放課後はいつもパーティー」はカバーされていなかったですよね?

高嶋菜七 はい。まだまだカバー出来ていない楽曲は沢山あって、この曲もその中の一曲なんですけど、メンバーも「この曲可愛いからいずれカバーしたいね」と話しているんです。この曲は今回、(浜崎)香帆と(橘)二葉の2人が新しく振り付けをして、12月6日に大手町三井ホールで行なうライブ『誕生30周年キックオフ DANCE SUMMIT with the 1st Generation』で披露させていただく予定です。

木原さとみ どんな振り付けかも、まだ私は見ていないので、これから練習するんですけど、ちゃんと出来るか不安で他のメンバーもドキドキしているんです。

――高嶋さんは先代のメンバーの皆さんとライブをするのに楽しみにしていることは?

高嶋菜七 沢山あるんですけど、ファンの皆さんきっと先代のパフォーマンスをすごく楽しみにしていると思ので、皆さんの反応がすごく楽しみなんです。

木原さとみ 横浜アリーナでやっていた当時のお客さん、2万人が戻ってきてくれたら嬉しい(笑)。

――そして、アルバムには新曲の「TALES」が収録されています。

高嶋菜七 未来のことや自粛期間でのことなどを歌った曲です。自分たちがやりたくてもやれなかったことなど辛いことが沢山あった2020年になってしまいました。人の支えなしでは生きてはいけない、みんなに「負けるな」とエールを送る、そんなメッセージが詰まった楽曲になりました。ぜひ皆さんに聴いてもらえたら嬉しいです。

――それでは、木原さんから高嶋さんにエールを送っていただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。

木原さとみ 新生TPDの皆さんには、ダンスサミットを7年間も続けてもらっているので、これからもっと広げていってもらえたら嬉しいですね。そして、日本武道館に行っちゃってください!

――その言葉を受けて最後に高嶋さん、これからの意気込みをお願いします。

高嶋菜七 私たちの武器のひとつであるダンスサミットのようなステージは他のグループにはなかなかないと思うんです。なので、ダンスサミットをこれからもしっかり継承して、今までやったことがなかった新しいダンスサミットもやっていきたいと思っています。やりたいことは沢山あって、大きな会場でしかできないことだったり、進化したダンスサミットで新境地に行けたらと思っているので、皆さんこれからも応援よろしくお願いします。

(おわり)

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