福山雅治が28日、新曲「トモエ学園」のミュージックビデオを公開。福山の母校、長崎市立稲佐小学校で撮影された本作。「母校で撮りたい」という福山のアイデアを受け、クリエイティブ・ディレクターの林 希氏が提案した『母校で一日先生』という企画と、「『夢についての授業』をしていただきたい」という学校側の想いがそこに加わり、撮影がおこなわれた。メガホンを取った、丸山健志監督は「一番印象的だったのは、あの福山雅治さんが緊張していたこと」と撮影を振り返った。

 卒業以来36年ぶりに足を踏み入れた母校でおこなわれた福山にとって人生で初めての「特別授業」の模様や、体育館で全校生徒を前に弾き語りで「トモエ学園」を演奏するシーンなどが収められており、まるで一本の良質なドキュメンタリー映画を観たかのような感覚のあるMVに仕上がった。

 「トモエ学園」は黒柳徹子の母校である「トモエ学園」がタイトルの由来となっている。楽曲制作は黒柳の人生を描くところからスタートし、その中で、「自由」「幸せ」とは、特に「自由」とはどういうことかを自身に問いかけたという。福山が楽曲「トモエ学園」の中で描いた「自由」とは、「すべての個性を肯定すること」。

「トモエ学園」を披露する福山雅治

 また、全編に渡って心地よく流れる弦楽四重奏によるサウンドは、黒柳の父親がヴァイオリン奏者であったことから着想を得てレコーディングされた。

 トモエ学園は、かつて東京都目黒区自由が丘にあった私立幼稚園・小学校(旧制)。リトミック教育を日本で初めて実践的に取り入れた学校として知られている。同学園出身の黒柳徹子が著したベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』によって、一躍その名が全国に知れ渡った。黒柳が転入したころ、廃車となった電車を譲り受け、教室として使用していた。

 林氏は「トモエ学園の小林先生がそうされていたように、福山さんが子供たちと真摯に向き合う姿が、この曲の魅力を映像で伝える表現としては、ベストではないかと考えました」と発想について明かし、「それには嘘がないドキュメンタリーしかないと思い、母校での特別授業に繋がっていったのです。小さな後輩たちと夢について話す福山さんは、普段のステージやスクリーンでの姿とはちょっと違い、ひとりの“先輩”として語りかけているように見えました。そして、その先輩と接している子供たちの表情が、この映像の魅力を最大限に引き上げてくれたと思います」と作品について語る。

 監督を務めた、丸山健志氏は「福山雅治さん、母校での特別授業をドキュメンタリーとして、奇跡的なモーメントを探しながら、皆で切り取っていきました。子供達の表情、眼差し、言葉、そこから何かを得ようとする福山さん。逆転の関係性がこの作品にはあります。美しいぶつかり合いでした」と言い、「僕がこの撮影で一番印象的だったのは、あの福山雅治さんが緊張していた事です。子供達の前に立つ寸前。そして授業をしている時。あくまでも主観ですが、僕にはそう映りました。その理由がこのMVには描かれていると思います。全編をご覧頂きたいです」と撮影を振り返り、福山の意外な一面を発見したと語る。

 なお、このMVは28日から、動画配信サービスGYAO!でフルバージョンでの先行視聴がスタートしている。

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