福山雅治

 映画『長崎―閃光の影で―』(8月1日全国公開)の主題歌が解禁された。福山雅治の「クスノキ ―閃光の影で―ver.(仮)」に決定した。スミ役の菊池日菜子、アツ子役の小野花梨、ミサヲ役の川床明日香の3人が歌唱したバージョンとなっている。プロデュース・ディレクションを担当した福山は「『魂は奪われない』というメッセージに昇華されたと感じました」とコメントを寄せた。

 【動画】『長崎-閃光の影で-』予告篇

 1945年、夏。原爆投下直後の長崎を舞台に、被爆者救護にあたった若き看護学生の少女たちの“青春”を描く映画『長崎―閃光の影で―』が、8月1日に全国公開 (7月25日(金)長崎先行公開)。本作の主題歌・予告編・場面写真・追加出演者が公開された。

 本作の主題歌「クスノキ ―閃光の影で―ver.(仮)」が情報解禁となった。

 本作を手がけ、長崎出身で被爆3世である松本准平監督からの「祖父たちの被爆体験を受け継ぎ平和を次世代に伝えるべく、映画のエンディングを飾る主題歌を福山さんに担当していただきたい」というオファーに、同県出身のアーティストである福山雅治が応え、2014年に発表した自身の楽曲を本作のために新たにアレンジした。

 楽曲「クスノキ」は、爆心地から800メートルの地点で被爆し一時は枯死寸前となりながらも、驚異の生命力で今もなおたくましく生き続ける山王神社(長崎市)の“被爆クスノキ”が題材になっている。

 今回主題歌に起用される「クスノキ ―閃光の影で―ver. (仮)」は、福山がプロデュース・ディレクションを行いレコーディングされた、スミ役の菊池日菜子、アツ子役の小野花梨、ミサヲ役の川床明日香の3人が歌唱したバージョンとなっている。

 また、使用楽器も明治期に製造され、第一次及び第二次世界大戦の戦火を乗り越えて生き続けるヴィンテージオルガンを用いて、新たにレコーディングが行われた。

 福山は2020年より被爆クスノキの存在を未来へつなぐため、総合プロデューサーとして長崎市と共に「クスノキプロジェクト」を立ち上げ、被爆樹木の保全や苗木の育成、平和学習の支援などを通じて、命の逞しさと平和の尊さを伝える活動にも尽力している。

 合わせて、映画を多層的に彩る追加出演者たちも解禁。予告編の終盤で、スミがこの先も生き続けていく力となる言葉を授ける人物・南原令子を演じるのは南果歩。長崎原爆投下の前日を描いた黒木和雄監督の名作 『TOMORROW 明日』で三姉妹の次女・三浦ヤエを演じた南が、同作から30年以上の時を経て原爆投下後の長崎を描く本作では、ひとりの少女の人生の道しるべとなるような温かさで、強い印象を残す。

 また、本作の原案である「閃光の影で―原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記―」に体験を寄せた元看護学生のひとりである山下フジヱさんが特別出演。山下さんは15歳の時に被爆者救護に尽力し、同書に手記を寄せた唯一の生存者。山下さんが綴った自身の体験は松本監督の心に強く残ったといい、本作中のエピソードとして採り入れられた。

 その山下さんの思いを語りとして声で体現するのは、美輪明宏。10歳の時に長崎市の自宅で原爆を体験した美輪の出演は、松本監督の強い希望により実現。声の出演のみながらも、被爆者に刻み込まれた体験を観る者に強く訴えかける。

 そのほかの出演者には、水崎綾女、渡辺大、田中偉登、加藤雅也、有森也実、萩原聖人、利重剛、池田秀一など、ベテランから中堅、新鋭まで幅広い年代の俳優が集結し、物語に深みを与える。

福山雅治コメント

 このたび、『長崎―閃光の影でー』主題歌のプロデュース・ディレクションを担当させていただき、大変光栄に思います。

レコーディングでは、スミ、アツ子、ミサヲとしてそれぞれ当時の役を生きた菊池さん、小野さん、川床さんの三人にしか表現できない『生命の叫び』をレコーディングすることができました。
映画の中では多くの命が失われますが、作品の最後に「命の目撃者、魂の代弁者」である彼女たちの歌声が響くことで、「魂は奪われない」というメッセージに昇華されたと感じました。

Photos

記事タグ