4人組ロックバンドのフレデリックが25日に、東京・渋谷CLUB QUATTROで東名阪ツアー『フレデリズムツアー2017 QUATTRO編~僕のTOGENKYO~』のファイナル公演をおこなった。10月21日の愛知・名古屋 CLUB QUATTROを皮切りに東名阪を廻るというもの。9カ月振りとなるワンマン公演は、カップリング曲やアルバム曲を交えたセットリストで「オドループ」や「TOGENKYO」などアンコール含め全17曲を披露。これから始まる長い旅路のスタートとなるツアーを成功させた。三原健司(Vo、Gt)は「このQUATTRO公演の熱をアリーナに持っていきます」と、ライブハウスから始まった、プライドとアティテュードを見せたステージで、オーディエンスを桃源郷の入り口へ誘った。【取材=村上順一】

カップリング曲など交えたセトリで展開

ライブのもよう【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle) 】

 9カ月振りとなるワンマンの開演を心待ちにしているオーディエンス。ステージには「TOGENKYO」のアートワークが、ギターアンプの横のスタンドに飾られていた。開演時刻になりSEが鳴り響き、オーディエンスの手拍子のなか4人がステージに登場。「フレデリズムツアー〜僕のTOGENKYO〜始めます」と健司の言葉から「シンクロック」で、4人体制初の東京ワンマン公演の幕は開けた。ゆったりとしたスカのリズムのイントロは、サビに向かい徐々に熱を帯びるようなエモーションで展開。歌詞を<たった2時間ちょっとのワンマンのために 君はどれくらい心揺らしてくれんの♪>と、ライブならではの言葉に置き換え、オーディエンスを扇情させていく。

 そして、シームレスに「リリリピート 」に繋げ、新生フレデリックのグルーヴで包み込んでいく。「トウメイニンゲン」で現代社会への風刺とも言えるメッセージを投げかけ、「愛の迷惑」で一体感のあるクラップでギアを上げ、痛快なビートの「ディスコプール」でバンドの勢いをさらに加速させていく。絶妙なセットリストでオーディエンスもエキサイティング。

 ライブハウスを80'sの空気感に変えた「ナイトステップ」では、アーバンなサウンドに三原健司(Vo、Gt)の色気のある歌声がマッチ。いつまでもこのサウンドに揺られていたいと思えるような、空間を作り上げていく。続いて、ライブではおなじみの「うわさのケムリの女の子」では、ステージ上がケムリで包まれる演出。ここで、健司がギターを置き、ハンドマイクで歌い上げた「まちがいさがしの国」。健司は自由にステージ上を動き回り、オーディエンスを煽り、視覚と聴覚の両方を刺激していくセクションであった。

 5月に正式加入したばかりの高橋武(Dr)によるドラムから、妖しい匂いを醸し出すナンバー「峠の幽霊」。バンドサウンドとシンセサウンドが相まって独特な空間を作り出していく。

このQUATTRO公演の熱をアリーナに持っていきます

ライブのもよう【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle) 】

 10曲をノンストップで繰り広げ、このライブ初のMCへ。メンバー紹介では各々の持ち味を見せ、オーディエンスを楽しませる。ここで、高橋の正式加入を改めて生で報告。割れんばかりの歓声に高橋は、この歓声を聞いてSNSのプロフィールを、“フレデリックに加入しました”から“フレデリックのドラマーです"と変えることを決意したと嬉しそうに語る。そして、バンド初のアリーナワンマンとなる、4月30日に開催される神戸ワールド記念ホールでのライブを改めて報告。健司は「このQUATTRO公演の熱をアリーナに持っていきます」と、ライブハウスから始まったバンドとしてのプライドを掲げ、いつまでも変わらぬアティテュードを誓った。

 アットホームなMCコーナーから、ライブは後半戦へ突入。「ふしだらフラミンゴ」、三原康司(Ba)のアグレッシブなベースフレーズが光る「KITAKU BEATS」と、昨年リリースした1stアルバム『フレデリズム』からのナンバーを2曲立て続けに披露し、「オレたちは絶対に遠くへは行かない!」と投げかけ、キラーチューン「オドループ」へ。さらに大きな歓声が会場に響き渡る。ギターソロでは赤頭隆児(Gt)がお立ち台をジャンプして飛び移りながら、華麗にフレーズを奏でる姿が印象的。そして、会場全体でのシンガロングで盛り上がりのボルテージは最高潮まで昇りつめていく。そして、ラストスパートと言わんばかりの「オンリーワンダー」、鉄板曲「オワラセナイト」で押し寄せるビートの波のコンボで本編を終了。

 オーディエンスによる「オドループ」のシンガロング。その歌声に呼び戻されるように再び4人がステージに。「この4人での始まりの曲です」と紹介し8月にリリースされた「かなしいうれしい」を届けた。アップチューンではなく若干テンポを落としたナンバーは、フレデリックの新しいグルーブとこれからを提示していく。

 そして、ラストは神戸ワールド記念ホールを決めた、決意と覚悟が詰まった10月18日にリリースされたばかりの新曲「TOGENKYO」。生半可ではない4人の想いが込められた同曲は、今までのバンドの枠を超えていくかのような、溢れんばかりのエモーションとサウンドが見事に融合した演奏。フレデリックの未来を担う重要なナンバーで魅了した。

 健司は「俺たちの夢は音楽で叶えてきました、音楽で居場所も作ってきました!“僕のTOGENKYO”は十分伝わったと思います。次は“僕らのTOGENKYO”でお会いしましょう」と投げかけ、これから始まる長い旅路のスタートラインである、東名阪ツアーの幕は閉じた。

セットリスト

01.シンクロック
02.リリリピート
03.トウメイニンゲン
04.愛の迷惑
05.ディスコプール
06.プロレスごっこのフラフープ
07.ナイトステップ
08.うわさのケムリの女の子
09.まちがいさがしの国
10.峠の幽霊
11.ふしだらフラミンゴ
12.KITAKU BEATS
13.オドループ
14.オンリーワンダー
15.オワラセナイト

ENCORE

EN1.かなしいうれしい
EN2.TOGENKYO

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