外国人観光客と日本文化の話で盛り上がるのは、音楽よりもアニメやゲームの事である事が多いです。その中でも宮崎駿監督による『天空の城ラピュタ』は人気が高い物の1つ。そこで、今回は若手外国人アーティストによる「Laputa」というタイトルの楽曲をご紹介します。

 まずはフューチャー・ソウルの旗手として人気を集めるオーストラリアのバンド、ハイエイタス・カイヨーテ。しばしば来日も果たしている彼らのデビュー作品『CHOOSE YOUR WEAPON』(2015年)から、ビートがクールな「Laputa」を聴いてみましょう。

 冒頭部分の歌詞は<Graphite to paper/A saga-born, hand-drawn artisan dreamer/Miyazaki frontier>となっており、手書きにこだわる宮崎監督へのリスペクトが連なっています。個人的なパンチラインは『宮崎フロンティア』ですね(笑)。

 そして、中盤で映画の世界観に触れてから<Laputa (Miss you)/Laputa (How I miss you)/Laputa (How I miss you)/Floating castle in the sky (miss you)>というサビへと繋がっていきます。宮崎映画への愛と新世代のサウンドが見事に融合した1曲ではないでしょうか。

 そして韓流ラッパーのDPR LIVEが今年3月に発表した「Laputa (ft. CRUSH)」は、いきなり<Girl your body be like Laputa, Laputa>というフック(サビ)から始まるセクシーな曲です。映画のピュアな世界観とは対照的で、イメージのみを自身の世界観に引用して反転させた様な印象。

 リリックは「君の体はラピュタに似ている」と始まり「今夜、君は僕のものになる」と展開していきます。英語とハングルが交じったDRP LIVEのラップも素晴らしいですね。

 この様に解釈は違うにせよ『天空の城ラピュタ』から着想を得て音楽を作るアーティストが外国に現れているのは、とても興味深い動向だと思います。これから日本の若手アーティストからはどんな「Laputa」が現れるのでしょうか。【小池直也】

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