<写真>May J. May J.のカヴァーアルバム「Summer Ballad Covers」が6月18日付のオリコンアルバムデイリーランキングで2位になったことが分かった。今年2月に発売されたベストアルバム「May J. BEST -7 Years Collection-」の初日ランキングが5位だったところから大きく飛躍した結果で、リスナーに待ち望まれたカヴァー作品が高い支持を得た形だ。
 昨年からテレビ朝日「関ジャニの仕分け∞」のカラオケ採点対決企画に出演し現在無敗の11連勝中。番組に出演する度にその歌声への注目度が増していたMay J.。このカヴァーアルバムはそんな番組視聴者からのリクエストに応えるかたちで制作された作品で、番組で歌唱し大反響を巻き起こした一青窈「ハナミズキ」、宇多田ヒカル「First Love」、伊藤由奈「Precious」、レ・ミゼラブル劇中歌「I DREAMED A DREAM」のカヴァーが収録されていることや、日本テレビ「のどじまん ザ!ワールド」への出演で注目を集める外国人シンガー クリス・ハートが参加しての猿岩石「白い雲のように」のデュエットカヴァーの収録も発売前から話題となっていた。
 “夏の名曲をミドルからバラードへリアレンジし、May J.が極限まで突き詰めたヴォーカル表現で情感豊かに歌い上げる”ことをテーマに制作されたという本カヴァー作「Summer Ballad Covers」だが、THE BOOMの「島唄」をピアノのみの伴奏で歌い上げたかと思えば、「少年時代」では女性アーティストには難しいと言われる完全ひとりアカペラで聴かせるなどバラエティ豊か。更に、ZONEの「secret base」ではレゲエへ挑戦するなど、各曲独自解釈のカヴァーに仕上げている充実の内容で聴く者を飽きさせない。
 そんなMay J.のこだわりがとことん貫かれたカヴァー作品だが、参加ミュージシャンもこれまでのMay J.のイメージを覆すような人選であることも見逃せない。共同プロデューサーとしてMay J.版「ハナミズキ」の編曲も手掛けた大島こうすけを据え、ピアノでDIMENSIONの小野塚晃が参加しているほか、ベースで日野"JINO"賢二、ドラムでJay Stixx などJazz/ Fusionシーンで活躍するトップミュージシャンが脇を固める。更にアレンジャーとして参加しているのは「secret base」をレゲエシーンで人気のRickie-Gのプロデューサー/アレンジャーであるYozo、「白い雲のように」をゲントウキの田中 潤、「波乗りジョニー」「渚」をシンガーソングライターの佐伯ユウスケらが参加と、音楽好きが唸る錚々たるミュージシャンが集結して究極の歌声に花を添えている。
 「カラオケ企画でテクニックに注目が集まる今だからこそ、このカヴァーアルバムでは歌詞にどれだけ感情をこめられるかをテーマに歌と向き合いました。」とMay J.が語っているカヴァーアルバムの制作は「楽曲に宿る魂や歌詞の世界観と向き合うことにひたすら時間をかけた」という。
 スタジオに入る前に楽曲の誕生した背景や歌詞の情景を明確に心に描けるまで聴きこみ、そこで感じ取ったものを歌声でどう表現するかをスタジオで時間をかけ固めていく。歌の表情が固まったら、テクニックや論理的な思考が頭から完全に抜けるまで時間を置き、最後は感情が溢れ出る歌が歌えるまで、曲を最初から最後までひたすら通しで歌い続ける。最後のレコーディング曲「I DREAMED A DREAM」では、曲に感情移入し過ぎたMay J.が涙を流す場面もあったという。
 そうして1曲、1曲と向き合いながら制作したカヴァーアルバム「Summer Ballad Covers」が自己最高位となるオリコンランキング2位を獲得。10月のオリジナル・ミニアルバム発売も発表し攻めの体勢に入ったといっていいMay J.が、売り切れ店も続出しているというこのカヴァー作でこの先どれほどの認知と評価を得られるのかを静かに見守りたい。
 なお、May J.の歌声が気になるリスナーは、9月から全席指定、着座の会場でゆっくり彼女の歌声を堪能できる生バンドでの全国ツアーも開催されるそうなので是非チェックして戴きたい。

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