中谷美紀ら、ランウェイで表現した「黒蜥蜴」世界観 印象強く
中谷美紀。舞台『黒蜥蜴』のイメージをファッションショーのランウェイを用いて表現していた
女優の中谷美紀が出席した、戯曲『黒蜥蜴』の制作発表会見で、舞台のイメージをファッションショーのランウェイを用いて表現された光景に、強い印象を感じた。その印象は、ランウェイそのものにあった。
先月28日、都内でおこなわれた戯曲『黒蜥蜴』の制作発表会見。ファッションモデルの様に颯爽と、かつ華麗に登場した中谷美紀。この戯曲のために作られた衣装の個性もあって、そのインパクトも十分だったが、さらにそこに共演のミュージカル俳優の井上芳雄、成河が加わり、短い時間で男どもを魅了し翻弄する女盗賊『黒蜥蜴』の様が演技により描かれ、余計に中谷自身のインパクトが鮮烈に見えた。
この印象の要因には、ランウェイという存在の影響も大きく関与しているのではないかと感じた。当たり前の話だが、単に対面型の舞台に比べ、ランウェイに立つと、360度全方向から演者の姿が見える。見る方向によっては演者の思わぬ姿を目撃することもあるかもしれない。対面では見られなかった、新しい光景が見える。そういう意味で、今回の舞台の、一プロモーション程度の内容ではあるが、非常に興味深く感じるものだった。
ファッションから音楽ライブ、舞台。また今回披露されたステージでは、中谷の衣装からも、舞台にファッションショー的な意向もうかがえ、視覚的な印象が強く舞台を見てみたいと思わせる訴求力はあるように感じた。近年、アイドルやはたまたロック系のライブでも、時にステージからランウェイのような花道を設けるものも多くあるが、まだまだ新しいアプローチの仕方もあるかもしれない。
ファッション、ランウェイといえば、毎年東京・渋谷でおこなわれている『渋谷ファッションウィーク』が、今年もおこなわれる。この取り組みは「ファッションを通じて自分スタイルを具現できる街、渋谷の魅力を伝える」というテーマにておこなわれているイベントで、2014年から毎年開催、今年は10月12日から22日までの間におこなわれている。
注目は、最終日に渋谷の歩行者天国で実施われるランウェイ。渋谷の文化村通りにレッドカーペットを設け、そのままファッションショーのランウェイにしてしまうというものなのだが、建物の中でない、車や人が通る通りをファッションショー会場にしてしまうというアイデアはユニークかつインパクトがある。
ちなみに昨年2016年には歌手・女優・モデルの西内まりやが登場し、アピール性十分のファッションで観衆を沸かせた。今年はNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』の出演の記憶も新しいシシド・カフカが登場、華やかなウォーキングを見せてくれる予定となっている。機会があれば、立ち寄って様々なイマジネーションに刺激を受けてみてはいかがだろうか。【桂 伸也】


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