田中圭・中谷美紀、河合監督の包容力に脱帽「泳がせてくれた」
『総理の夫』初日舞台挨拶
田中圭、中谷美紀、貫地谷しほり、工藤阿須加、松井愛莉、河合勇人監督が23日、都内で行われた映画『総理の夫』の初日舞台挨拶に登壇した。
日本初の女性総理と前途多難な“総理の夫”の騒動を描く。田中圭と中谷美紀がW主演。大財閥生まれの世間知らずなお坊ちゃんにして鳥オタクのファーストジェントルマンと、才色兼備&完全無欠なカリスマ女性総理を演じる。
凸凹夫婦ながら仲良く順調な日々を送っていたはずだったが、最強の“巻き込まれ型主人公”=日和と、才色兼備で誰よりも男前なヒロインならぬヒーロー=凛子のギャップが愛おしい。
この日は、物語にちなみ「組閣会議」テーマにトークを行った。まずはお人好しの総理の夫がキャラクターが濃い登場人物に巻き込まれていながらも真摯に凛子を支えようとする優しさが描かれることから「やさしさ大臣」があるなら誰か。
田中が挙げたのは「監督」。その答えに驚くような表情を見せたのは中谷。「答えを先に言われてしまいました」。それまでの舞台挨拶ではなかなか答えが一致することがなかったという。田中も「かぶっちゃいました」と笑った。
その田中は、監督の印象を「現場では麦わら帽子を被ってニコニコして。怒るところちょっと見てみたいと思って。本当に怖いかそうではないのか。もしかしたら怒り馴れていないから声が裏返ったりするのかなとか」と語り、ある撮影を回顧した。
田中「日中ではないと撮れないデイシーンというのがあって、だいたい日が暮れる前には撮影が終わるんです。それで、映画だから終わり時間が書いてなくて、でもデイシーンだから夕方前には終わるかなと思ったら、疑似で太陽作って夜の8時、9時までかかった日があって。あまりにも自分の読みが外れていたからちくしょうと思って(笑)。監督はこれを見越してたのかなって。それだけ時間がかかってもイライラしないし、ずっとスタート、ハイカットOKみたいにやっていたから。でも監督の予想も(外れて)さすがに押しただろうなと思ったに違いないとそれで気になって『何時ぐらいに終わると思われたんですか?』って聞いたら、『(昼の)2時ぐらい終わると思ったんだけどな』って、全然ちげえじゃん!!!って(笑)。自分の想定から6時間ずれていたのに、あれだけ穏やかにいられるの!?って優しさは監督にはかなわない」
一方の中谷は、『ケイゾク』以来の監督作だったとし「最初の打ち合わせで20年ぶりにおめにかっかった。そこで「女性らしさを残してほしい』とおしゃった後に、監督はしまったと。この時代にそれを使うと不快に思われるかもしれませんがと付け足しておしゃって。なんて包容力のある、時代を見極めて、女性にも配慮のある監督だなと」と明かした。
そして「リーダーシップ様々な形はあります。力強い現場監督みたいな方もいらっしゃるし、河合監督のような終始穏やかで笑顔で、でもやりべきことは的確に伝えられるところは伝えて下さって。私たちの手綱をしっかり掴んででも自由があって泳がせてくれる。やさしさ大臣に任命したい」と伝えた。
これに監督は「恐縮です。思い残すことはございません。しっかりやりたい」と穏やかな表情ながらも、喜びを噛み締めているようすだった。