androp「人との繋がりはとても大切」ボランティアの先に見る音楽
INTERVIEW

androp「人との繋がりはとても大切」ボランティアの先に見る音楽


記者:松尾模糊

撮影:

掲載:17年09月03日

読了時間:約4分

「RockCorps」で新たな経験をしたと話す、androp

 4人組ロックバンドandropが9月2日、千葉・幕張メッセでおこなわれた、ボランティア推進プロジェクト『RockCorps』のセレブレーション(ライブイベント)に出演した。CMソングとしても話題となった「Yeah! Yeah! Yeah!」など全5曲を披露した。ライブ後にはMusicVoiceの単独取材にも応じた。ボランティアを通じ、「人との繋がりってとても大切」と彼らは語る。さらに、その繋がりのきっかけとして「これから色んなことを知って、いい音楽を届けていきたい」と音楽活動への意欲を示した。

『RockCorps』は、音楽フェスが社会貢献と結び付いた形のイベントで、応募者は4時間のボランティアをすると、「セレブレーション」と呼ばれるライブに参加する事ができる。

 andropは、コーラスワークが印象的な「Voice」や炭酸飲料のCMソングとして話題となった「Yeah! Yeah! Yeah!」など5曲を演奏。丁寧な演奏で独特の世界を演出し、観客を沸かせた。

 ライブ後には、報道陣の囲み取材に応じた。内澤崇仁(Vo、Gt)は「こういった経験はないですね。お金では買えないチケットでライブに行けることは素晴らしいことですし、こういったことが増えるともっと世の中も良くなるのではないかと思います」とこのイベントに対してコメント。

 前田恭介(Ba)は「初めての『RockCorps』、温かい皆さんの前でライブができてとても楽しかったです」とライブを振り返った。

 andropのメンバーは、熊本地震・東日本大震災で被災した写真の修復ボランティアに参加した。佐藤拓也(Gt、Key)は「写真は思い出としてお金に変えられない大切なものだし、1枚1枚丁寧に、でもみんなでわいわい、気さくにできてボランティアのイメージが変わりました」とボランティア活動をおこなったことで意識が変わったという。

androp

 4人はMusicVoiceの単独取材にも応じ、今回のイベントについてそれぞれの想いなどを語った。

 お金でチケットを購入するのではなく、ボランティア活動4時間でイベントに参加する「RockCorps」のセレブレーション。伊藤彬彦(Dr)は「今日のステージから見ても多くの人が訪れていたし、きっと初めてボランティア活動をやった人も多かったと思います。音楽がそういうきっかけになっているというのは、とてもいいことだなと思いました」と改めて、その仕組みを評価。

 今回の出演を決めた理由として、内澤は「バンドが活動する上で一番大事にしている、『みんなに前向きになってもらいたい』という想いと『RockCorps』が掲げているものがリンクしていると思って、参加を決めました」と話す。

 ボランティア活動を経験し、佐藤は「テレビで家屋が崩壊する様子などをよく見ますが、それだけではなくて、今回の様に、写真、思い出も被災していてそれを修復して元に戻すというのは素敵なことだと思いましたね。実際それはやってみて感じました」と充実した様子。

 「Yeah! Yeah! Yeah!」のミュージックビデオではファンとともに横断幕や旗、Tシャツ、タオル、パネルなどを実際に手書きでデザインし撮影をおこなったり、8月23日に発売した新曲「SOS! feat. Creepy Nuts」のMVでは撮影に一般人からのバイトを公募するなど、ライブだけではなく、作品作りにおいてもファンと繋がることに積極的な彼ら。

miwaと共演した、andropの内澤崇仁

 内澤は「やっぱり、人との繋がりってとても大切で。どんなに文明が発達しようが、頭が良くなろうが、人と人の繋がりってこれからも変わらず大事なんだなと改めて感じました」と今回のイベントを通じて実感したと語る。

 前田は「ボランティア活動をすることで見える、新しいシステムたいなものは『RockCorps』だけじゃなくて、もっと他のイベントでもあったらいいと思うし、そういうことが日本でも広がるといいなと思います」とこれを機により多くの新しいイベントが日本で広くおこなわれるように期待を寄せた。

 miwaと俳優の坂口健太郎が主演を務めた、今年2月に公開された映画『君と100回目の恋』の挿入歌「アイオクリ」は、内澤とmiwaの共作。この日、miwaと「アイオクリ」で共演した内澤。RockCorpsが掲げているテーマ「Give, Get Given(与えて、はじめて与えられる)」と、「アイオクリ」の自分よりも誰かの為に愛を送るというテーマに近いものを感じたと言う。内澤は「そういう話を事前にして。じゃあ、やりますか、と」今回の共演が実現した経緯を明かした。

 共演を終えて、内澤は「凄く伝わったような気がします」と、その想いが観客と通じたことを実感した様子。

 今回のイベントで多くの新たな経験をした彼ら。佐藤は「知らないことを知るということは、大事で。ボランティアも堅苦しいものでないということが知れたし、これから色んなことを知って、いい音楽を届けていきたいです」とこれからの音楽活動に意気込んだ。

【取材・撮影=松尾模糊】

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