4人組ラウドロック・アイドルのPassCodeが、8月2日にメジャーファーストアルバム『ZENITH』をリリースした。2013年に結成、南 菜生、高嶋 楓、今田 夢菜、大上 陽奈子の4人組となり、昨年シングル「MISS UNLIMITED」でメジャーデビュー。ラウドロックとEDMを採り入れたサウンドで英語詞を歌うなど、他のアイドルとは一線を画した音楽性で、これまでに『SUMMER SONIC 2015』や『MEGA VEGAS 2017』など大型ロックフェスに数多く出演。楽曲は、ドイツやフランスなど海外のiTunesでもチャートインしている。“頂点”を意味する『ZENITH』と名付けられた本作について、「“これがPassCodeだ!”という攻め曲ばかり。頂点を目指したアルバムになった」と、メンバーは話す。本作のテーマや収録楽曲の魅力など話を聞いた。
てっぺんを取りに行くつもりで
――アルバム『ZENITH』は、ラウドで格好良い曲が満載。ライブが楽しみになる作品になりましたね。
南 菜生 タイトルの通り、頂点を目指したアルバムです。どれがリード曲やシングル表題曲になっても、おかしくない曲ばかり。どれもライブで盛り上がりそうで、ライブで楽しいビジョンしか見えて来ません。
高嶋 楓 インディーズのアルバムは、バラードやかわいい曲もあって、もっとカラフルでしたが、今作は“これがPassCodeだ!”みたいな、攻め曲ばかり。そこが、インディーズの時とメジャーファーストアルバムである今作との、大きな違いです。
――どんな人に聴いてほしい?
高嶋 楓 もともとPassCodeを好きな人には、すごく聴きやすいと思うし、PassCodeを聴いたことのなかった人でも、どれか1つは刺さると思う。いろんな人に聴いてほしいです。
南 菜生 アイドルを聴いている人はもちろん、ロックを聴いている人にもぜひ聴いてほしいです。最近はライブのお客さんで、バンドTシャツを着ている方が増えて。『MEGA VEGAS 2017』に出させて頂いたことをきっかけに、ロックファンの方がたくさんライブに来て下さるようになりました。「もともとバンドしか聴かなかったけど、PassCodeは聴いている」と言って下さる方が増えて。バンドさんと同じような感覚で聴いてもらえているのは、本当に嬉しいです。
今田 夢菜 アルバムは、PassCodeらしさがありながら、ハードルが3段階くらい上がった感じがあります。このアルバムの曲をパフォーマンスすることによって、メンバー自身も成長できるアルバムだと思いますね。
――レコーディングでは、大変だった曲もありましたか?
今田 夢菜 大変な曲しかなかったです(笑)。
――今田さんは、シャウトとかスクリームの担当だから特に?
今田 夢菜 それもありますが、英語の歌詞が今までより多かったので、発音や英語でどれだけかっこよく歌えるか、という部分ですね。そもそも英語がそれほど得意ではないので。最近は、高嶋、大上の3人で英語の勉強をしています。
南 菜生 この間、BE動詞やっていて「まだそこ?」って(笑)。
――大上さんは、アルバムについてどう思いますか?
大上 陽奈子 曲が送られて来るたびに「これも激しいな」「これも激しいし」と思っていたら、全部激しくて(笑)。同時にアルバムのタイトルも知らされて、その意味が「てっぺんを取る」というものだったので…。「そうか、てっぺんを取りに行くつもりでやらないといけないな」と、そういう覚悟を持つことが出来ました。
――そのてっぺんと言うのは? 「日本の音楽シーンにおけるてっぺん」のことですか?
南 菜生 私としては、何かのカテゴリーの中でとか、何か他のものと比べるのではなく、自分たちの中で「行けるところまで行く」という意味に感じています。
大上 陽奈子 それもそうだし、これからの活動も含めた長い目で見て、「ゆくゆくは、てっぺんを取ってやりたい」みたいな、そういう気持ちも持っていますね。
南 菜生 もちろんランキングも意識したいですが、音楽性が特殊なので、そもそも他と比べようがない、というのもあります。だからこそ私たちが思う頂点まで、ファンやスタッフを連れて行けたらな、と思えるアルバムです。
PassCodeのフロアに似つかわしくないギャップ
――リード曲の「ONE STEP BEYOND」は、6月の恵比寿リキッドルームでお披露目されていましたね。
大上 陽奈子 イントロが鳴った瞬間に、みんなが「おお〜」と、どよめいて。それだけ楽しみにしてくれていたのだな、と思いました。
高嶋 楓 初めての曲でも、みんなすごくノッてくれて。「何でこんなにオイオイ! と入れる場所が分かんねん(笑)?」というくらい、最初からすごかったです。
南 菜生 PassCodeらしい曲なので、聴いてくれるみんなの中でも馴染む感じがあったと思うし、自分たちでもしっくり来ました。
――MVは、鎖で繋がれているシーンも印象的でした。
大上 陽奈子 そんなにめっちゃ演技しているわけではないですが、今までと比べたら、演技をしたシーンが多くて。何かに追われて逃げるシーンがあったり、捕まった今田を助けるシーンがあったり。
高嶋 楓 私たちは人間モルモットにされそうになっていて、研究員である“ガスマスクの黒い集団”から逃げているというストーリーです。
南 菜生 でも今回みたいに、映像の中にお花が出てくるようなものは、今まで1回もなくて。いつもは廃墟や暗い中で撮っていたので、今回の曲と映像が合わさった時に、今までとまた違った面白い世界観が出来上がったと思いました。
――MVは、南さんのアップで終わりますが。
南 菜生 最後にみんな捕らわれてしまうのですが、実はそういう作戦で、そこから新たな企みが始まる…ニヤリみたいな。
――振り付けは、とても激しい部分もありましたね。
南 菜生 メジャーデビュー曲「MISS UNLIMITED」以降、“ELEVENPLAY”のKOHMENさんに振り付けていただいています。
高嶋 楓 インディーズまでは、メンバーが振り付けを考えた曲もあったので、多少緩いところがあって。でも今の振り付けは、指先まで意識することとか、ステージが暗くなった時にシルエットがどう見えるか、というところまで考えて下さっていて。
――どの曲が特に難しいですか?
南 菜生 「ONE STEP BEYOND」は、「MISS UNLIMITED」と同じように、バスッとハマる動きが多いので、やりやすさはあって。
「Same to you」が、すごく難しいです。「女性らしい、しなさやかさを意識して踊って欲しい」と、言われて。ジャズダンスっぽいと言うか、柔らかい動きが多いです。私はダンスが苦手なので、柔らかさやしなやかさを表現するのが、特に難しかったです。
今田 夢菜 今田も、もともとヒップホップなど激しいダンスが好きで得意なので、柔らかさは難しくて。「Same to you」は、覚えるのにも苦労しました。そもそも振りを覚えるのに時間がかかるほうなので、泣きながら覚えました(笑)。
逆に高嶋が、振りを覚えるのがめっちゃ早いので、「ここはどうやるの?」って、教わったりして、めっちゃ助けてもらいました。
高嶋 楓 今田は、間違えて覚えるんです。左右逆だったり(笑)。
大上 陽奈子 私は、もともとジャズダンスをやっていたので、実は「Same to you」みたいなほうが得意で。でもジャズダンスは、バレエっぽい要素があるので、一見しなやかな動きですが、内側の筋肉をすごく使います。普段は使わない筋肉を使うので、そこは結構キツくて。
――「Same to you」は、途中で三拍子? になるところがありますね。
南 菜生 そこは、操り人形のような振り付けですね。
高嶋 楓 曲もそこだけちょっとかわいさがあって、PassCodeのフロアっていつも激しいけど、そこだけ“チョンチョンチョン”という感じで(笑)。かわいらしい人形みたいになっていて、PassCodeのフロアに似つかわしくないギャップが良いですね。
ラストの「Voice」は目をつむって
――ラストの「Voice」は、この中ではミディアムっぽい楽曲で、どこか切なさも感じられますね。
南 菜生 AメロとBメロの日本語の歌詞のところで、伸びのある切ない感じから、サビに向かうところが高音になっていて。そこが、歌っていて気持ち良いです。ライブでもすごく広がりそうだな、と思います。
――歌詞は、みなさんの気持ちや、いろいろなものを含んでいる感じですね。
南 菜生 作詞は、デビュー当時から作詞してくださっている方で。たとえば「MISS UNLIMITED」なら、「現状を突破するぞ」という気持ちの歌詞でしたし、その時の状況に合わせたメンバーの気持ちを元に作詞をして下さっていて。
私たちの気持ちも分かってくれている上で、そういうものも反映して書いて下さっているので、より感情を込めて歌えますね。
――「Voice」は、ファンの声や自分たちの声?
大上 陽奈子 いちばん最後の曲なので、その部分では自分たちの声で、最後まで伝えるぞという強い気持ちで歌っています。
今田 夢菜 今田は、南が歌っている「うしろ振り向いて」という歌詞のところが好きです。メロディも好きだし、切ない感じからサビに入る、何ともエモい感じが良いですね。
南 菜生 1番のAメロをそれぞれで歌っているのですが、そこだけメロディが少し違っていて。いきなり静かな落ち着いた感じになる。
今田 夢菜 それが南の声とマッチして、すごく切なくなる。そこからサビに入っていくというのが、すごく格好良いです。
高嶋 楓 私はAメロの「虚しさ」というところかな。歌詞も、すごく寂しそうな雰囲気だし。
南 菜生 これは、全員で歌うパートが少ないのもポイントで。サビも最初は2人ずつに分かれて歌っていて、そこから全員で歌うところに入っていくのが、まさしく叫びという感じ。それが、「Voice」ということなのかな、とも思いますし。
――ライブでは、そういう切なさからのサビとか、今までとはまた少し違った表現ができそうですね。
南 菜生 そうですね。私は、自分でライブを見に行った時は、目を閉じて聴くことがよくあって。目を閉じることで、普段はあまり感じられないような、細かな音の違いや空気感の違い、その場の匂い、そういうものが感じられるんです。
だから、もし自分がお客さんとして見に行ったら、「Voice」は、目をつむって聴きたいなって思います。空気だけを感じて、吸い込んで胸をいっぱいにしたい感じです。
――11月にツアー「PassCode ZENITH TOUR2017」がありますね。
南 菜生 昨年8月のZepp DiverCity Tokyoで、全国11カ所でバンドセットのツアーをやると発表した時は、正直不安しかありませんでした。バンドセットでやることに自信がなかったし、格好良くなるのかも疑心暗鬼なところがあって。でも、実際にツアーを回って、すごく楽しかったしお客さんも喜んでくれたので、バンドセットによるPassCodeのライブというものに、すごく自信を持てるようになりました。
そこから、ライブに対する意識も変わって。そういう意味では、昨年8月の時点での不安みたいな気持ちは、全くありません。むしろ楽しみでしかないです。行ったことのない地域に行けるのも嬉しいし。
今田 夢菜 ツアーで初めて行く場所で金沢は、南が前から「良いよ」と言っていたので、行きたいと思っていました。
南 菜生 金沢は、去年見たいライブもあったので、一人でぶらっと行って。空気も美味しいし、兼六園もきれいで最高で。早くメンバーに見せてあげたいですね。
大上 陽奈子 熊本も今回のツアーで初めて行きます、熊本在住のファンの方で、「東京や大阪だと遠くて見に行かれへんかった」という方は、楽しみにしていてほしいです。
今田 夢菜 熊本は、今田の大好きなWANIMAさんの地元なので!
南 菜生 でも、熊本に行ったからって、WANIMAさんはおれへんと思うけど。
今田 夢菜 WANIMAさんになった気持ちで楽しみたいです(笑)
高嶋 楓 次は沖縄などにも行きたいですね。沖縄のファンの方から「今回のツアー、何で沖縄入ってへんの?」って言われていますし。
大上 陽奈子 大上も沖縄に行きたかったです!! 次回は沖縄も回れるように頑張ります。
(取材・撮影=榑林史章)
◆PassCodeとは 2013年に結成し、メンバーチェンジを経て2015年1月から、南 菜生、高嶋 楓、今田 夢菜、大上 陽奈子の4人体制で活動。インディーズでシングル「Nextage」、アルバム『VIRTUAL』などリリースし、2016年10月26日にシングル「MISS UNLIMITED」でメジャーデビュー。『TOKYO IDOL FESTIVAL』などアイドルイベントに出演する一方で、4月1日に開催された、Fear, and Loathing in Las Vegas主催イベント『MEGA VEGAS 2017』などのロック系イベントにも出演。地元の大阪を拠点に、活動の場を拡大している。
- 大上 陽奈子
- 南 菜生
- 高嶋 楓
- 今田 夢菜
- インタビューに応じるPassCode
- PassCode。左から高嶋、南、今田、大上
作品情報
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PassCode ■初回限定盤(CD+DVD)3500円(税抜)UICZ-9097 ▽CD収録内容 ▽初回限定盤DVD収録内容 |
ライブ情報
| ▽PassCode ZENITH TOUR 2017 11月10日 東京・TSUTAYA O-WEST 11月11日 大阪・OSAKA MUSE 11月12日 大阪・OSAKA MUSE 11月16日 愛知・ell.FITS ALL 11月18日 石川・金沢vanvanV4 11月19日 宮城・仙台darwin 11月23日 広島・CAVE-BE 11月25日 香川・高松DIME 11月26日 兵庫・神戸Harbor Studio 12月2日 熊本・B.9V2 12月3日 福岡・DRUM Be-1 12月10日 京都・KYOTO MUSE 12月16日 北海道・DUCE SAPPORO |






















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