綺麗ごとは絶対に書きたくない、ЯeaL 10代最後の集大成
INTERVIEW

綺麗ごとは絶対に書きたくない、ЯeaL 10代最後の集大成


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年05月12日

読了時間:約11分

いろんな感情のたどり着く先が、『19.』だったら嬉しい

『19.』初回盤

――アルバムは、同世代の女子に聴いてほしい?

 いえ、すべての人に聴いてほしいです。今は10代じゃない人でも、聴いたらきっと思い出すことがたくさんあると思う。

――では、どういう時に、どういう風に聴いてほしいですか?

 いろんなアーティストを聴いて、このアーティストの曲は楽しい時に聴きたくて、このアーティストは気分が落ちた時に聴きたいとか、このアーティストは泥くさい一面を聴きたいとかって、気分によって聴くアーティストを分けている人が多いと思うんです。

 でも私は、そのすべてを兼ね備えたアーティストになりたいです。一緒に笑いたいし、一緒に泣きたいし、一緒に地を這って汗を流していきたい。光だったり闇だったりを、すべてまとめて歌うのが、ЯeaLってバンドなのかなって思います。だから、聴いて苦しくなる曲もあるし、楽しくなる曲もあるし、バラエティに富んだアルバムになったと思います。

 人間だから、いろんな面があって当たり前だし。たとえば失恋した時、恋をした時、辛いことがあった時、泣きたいことがあった時、いろんな感情になった時にたどり着く先が、この『19.』というアルバムだったら、すごく嬉しいなって思います。

――ちなみに今、楽しいことと、辛いことや苦しいことの比率は?

 辛いことや苦しいことのほうが、9割だと思いますね。

 でも、それくらいが良いと思って。どんなに楽しいことがあっても、辛いことがなければ楽しくない。そもそも上手く行かないものだと思っていれば、あとは上に行くだけです。逆に上にいると思っていると、落ちた時のダメージが大きいですから。

 だから私は、いつでも下にいると思っています。どん底から歩いていって、辛いこともいっぱい踏まえて楽しいと思えたら、きっとそれは本当に楽しいことなんだと思います。

 毎日生きていくなかでの、一個一個の気持ちにちゃんと寄り添えるのが、ЯeaLなのかなって。アーティストって、手の届かない存在に見えるけど、ЯeaLは決してそうじゃないです。ファン、リスナーと同じ目線で歌っているからこそ、いつでもそばにいられる音楽になってるのかなと思います。

(取材=榑林史章)

 ◆ЯeaL メンバーは、Ryoko(Vo./Gt.)、Yurika(Gt./Cho.)、Fumiha(Ba./Cho.)、Aika(Dr./Cho.)。2012年に結成。2015年に「SUMMER SONIC 2015」の連動オーディション『出れんの!?サマソニ!?』に合格し、RAINBOW STAGEにオープニングアクトとして出演。2016年にシングル「秒速エモーション」でメジャーデビュー。デビュー直後に大阪城音楽堂で『ЯeaL“史上最大無謀なデビューレコ発ライブ”at 大阪城野音~ゆずれない想いが野音にある!~』を開催。これまでに3枚のシングルをリリース。3rdシングル「カゲロウ」は、アニメ『銀魂.』OPテーマとしてスマッシュヒットを記録した。

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