平原綾香

<TOKYO FM アースデーライブ2017>平原綾香

 4月22日、東京国際フォーラム・ホールAでおこなわれた『TOKYO FM アースデーライブ2017 ~We Love Music,We Love the Earth~』の二番手としてステージに現れたのは、平原綾香。この日真っ白なドレスといういでたちの平原は、静かなピアノの調べに合わせて、ゆっくりとステージに登場した。

 そして彼女のデビュー曲「Jupiter」を厳かな雰囲気で聴かせる。デビューから13年という時の流れで、程よく熟成されたこの曲。この日はそのスケール感豊かな味わいが、たっぷりと披露された。

 続いた「約束のこの瞬間に」「私 結婚します」は、新たにリリースされる平原のニューアルバム『LOVE 2』の収録曲。ホッとするような、軽やかで明るい雰囲気を称えた曲で、先述の「Jupiter」に比べると、ぐっと身近なテーマで趣をガラッと変えたナンバーだ。しかしいずれの曲でも、彼女は歌詞で表現される世界観だけでなく、メロディ、ハーモニー、そして展開にまで聴く人の心に訴えかけてくるようなメッセージを放っているようにも見えた。

平原綾香

 続く後半は、平原の歌の実力、魅力を存分に披露、といったステージ。Jazzピアニストのチック・コリアの代表曲「Spain」を、原曲さながらにスペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴが手掛けた曲「アランフエス協奏曲」のメロディから繋げ、アカペラからドラムとのデュオ、そしていきなり途中でブレイクし、ボイスパーカッションまでと多彩な表現を見せる。続く「HAPPY」では、前曲のフラメンコ曲的な歌い方から打って変わってR&B風の歌でグルーブをたっぷり見せるなど、さらに音楽的な素養の幅広さを存分に発揮する。

 「HAPPY」を歌う前に平原は「一曲だけ、(皆さんに)立ってもらおうと思います」と観衆に語りかけた。そしてノリノリのビートの中で彼女はマイクスタンドを持って左へ、右へとさらにステージを盛り上げる。そしてラストナンバーに、中島みゆきから授かったというアルバム『LOVE』に収録された曲「アリア -Air-」でステージを締め括った。

 「地球を良くしていくには、やっぱりみんながニコニコと輝いていかなければと思う。これからも、ちょっとでも笑顔で元気になってもえる、そんな歌を歌っていきたい」最後にそのメッセージを告げた平原。近年は音楽活動を活発に展開する一方で『平原綾香 Jupiter 基金』やイベント『ランドセルは海を越えて』などのボランティアや社会活動にも積極的に目を向けており、この日のステージは、そんな彼女の内の思いをそのまま表現したようなステージとなった。(取材・文=桂 伸也)

セットリスト

01. Jupiter
02. 約束のこの瞬間に
03. 私 結婚します
04. アランフェス協奏曲~Spain
05. HAPPY
06. アリア-Air-

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