今の私達を見て欲しい、進化するPASSPO☆ 目標は「有名になる」
INTERVIEW

今の私達を見て欲しい、進化するPASSPO☆ 目標は「有名になる」


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年02月16日

読了時間:約11分

移籍後初となるフルアルバム「Cinema Trip」をリリースしたPASSPO☆の根岸 愛、安斉奈緒美、森 詩織

 “空”と“旅”をコンセプトにした7人組ガールズロックユニットのPASSPO☆が2月15日に、CROWN GOLD移籍後初となるフルアルバム『Cinema Trip』をリリースした。アクションやSF、学園青春など映画の様々なジャンルをテーマにした多彩な楽曲を収録。クルー(メンバー)は各楽曲で“主演”を務める。今回は根岸 愛、安斉奈緒美、森 詩織の3人がインタビューに応じ、同作への想いを明かすとともに、現在、おこなっているバンドスタイルでのライブ活動に触れて「今の私たちを知ってほしい」と語った。

映画をテーマに各メンバーがキャラクターを発揮!

根岸 愛、安斉奈緒美、森 詩織

――今回のアルバム『Cinema Trip』はタイトルの通り映画がテーマですね。

安斉奈緒美 デモ曲を聴いたとき、これはアクション映画っぽいよねとか、これはゾンビ映画っぽいとか、映画のジャンルに例えられるものが多くて。それじゃあ映画をテーマにして一つにまとめようって。

根岸 愛 インディーズの1stアルバムは『TAKE☆OFF』で、メジャー1stアルバムが『CHECK-IN』、そして前作は『Beef or Chicken?』と、必ず飛行機にかけたタイトルになっていて。今回は飛行機から離れたと思いきや、機内チャンネルで映画をやっていたりするじゃないですか。しっかり飛行機ともかかっています。

――今作では、曲ごとに主演があって。例えばリード曲の「PlayGround」はゾンビ映画がテーマで増井みおさんが主演。これは“怖カッコイイ”みたいな曲ですね。

森 詩織 はい。この曲は誰々っぽいよね〜とか、みんなで話して決めていったんですけど、PASSPO☆でゾンビと言えばみおちゃんですから!

根岸 愛 MVを作ったんですけど、クルー(メンバー)全員がゾンビになりました。みんなメイクさんにやってもらったのに、みおちゃんはやり慣れているからセルフメイクで、超本格的なんです。

安斉奈緒美 ゾンビウォークを教わったんですけど、すごく難しくて。酔っ払っているみたいになっちゃうんです。

森 詩織 人間味を消すのがポイントらしいです。みおちゃんがすごく上手くて、さすがだなって思いました。MVは、ファーストクラス盤のDVDに収録しているので、ぜひ見てほしいです!

――森さん主演の「不屈のレジスタンス」はアクション映画がテーマとのことで。

森 詩織 アクション映画が大好きで、特に好きなのは『ダイ・ハード』です! 他には『エクスペンタブルズ』とか『レッド』とか。バーンバーンって、撃ちまくって爆発するやつ。ブルース・ウィリスになりきって歌っています。

根岸 愛 振り付けもバトルアクションみたいだよね。メンバーはついていくだけでも必死ですけど、もりし(森)は、息切れひとつせずにやっていて、さすがだなって。

森 詩織 体力には自信あるんで! アクション映画を見たあとは強くなった気持ちになるじゃないですか。メロディや曲調も歌いやすいし、思い切り動けるので、歌っていて気分爽快ですよ! 歌詞は、敵と戦っているように受けとれますけど、実は自分自身と戦っているんです。そういう自分との戦いもあります。

安斉奈緒美

安斉奈緒美

――今、自分の中で戦っているものは?

森 詩織 今ツアー中なので、飲むのを控えています。放っておいたら毎日飲んじゃうんで(笑)。

安斉奈緒美 男性なら痛風になっているレベルだよ!(笑)

――根岸さんは「フィルム」という曲。曲の入り口はミディアムバラード調ですけど、途中でロックな速い曲調になりますね。

根岸 愛 そうなんです。デモは、全編しっとりした感じだったんですけど、できあがったらドラムがすごく激しくなって、PASSPO☆らしい曲になりました。エンドロールで流れるイメージで、今回、歌詞を共作させていただきました。過去があるからこそ今がある、みたいな意味を込めています。私自身、忘れたいことや、あのとき「ああしておけば良かったな」と思うことがあって。でも、そういう悔しい想いも今の自分を作っている要素の一つで、だからそういう自分も忘れないでおこうと。

――忘れたい過去は例えばどういうものが?

根岸 愛 昔は、自分を正直に出せなくて、損していたなと思います。こうあるべきだと、枠を作ってしまっていて。今は吹っ切れて自分を出しまくって、みんなもそれを受け入れてくれています。

――何か変わるきっかけがあったんですか?

根岸 愛 『嫌われる勇気』という本を読んだんです。そのとき、すごく好きになってくれる人もいれば、必ず嫌う人もいると学んで。それなら開き直って、もっと自分をさらけ出していこうと。

森 詩織 私は、今の愛ちゃん(根岸)のほうが好きですね。キャプテン(リーダー)だから、ちゃんとしなきゃ!って、肩肘張っていたところがあったんだと思います。今は何でもオープンで、愛ちゃんって面白い人なんだなって、改めて思いました!

――これがエンドロールということは、ラストに収録の「バチェロレッテは終わらない」はどういう立場に?

根岸 愛 曲順は全員で決めて、「フィルム」をラストにしようという意見もあったんです。でもPASSPO☆ってまだまだ続くし、おばあちゃんになってもPASSPO☆だし。これからもまだまだ終わらないよ! という気持ちを込めて、これを最後にしました。

安斉奈緒美 湿っぽく終わりたくなかったんです。カラッと明るく締めるのがPASSPO☆だと思うので。

メンバーみんなで映画『君の名は。』を見た

根岸 愛

根岸 愛

――安斉さんは「WEEKDAYS QUEENS」で。

安斉奈緒美 私は、あんにゃ(玉井杏奈)とW主演です。ジャンルで言うと青春学園もの。アメリカの青春映画によくある、学園一のプロムクイーンを競い合うみたいな内容です。私は、マイリー・サイラスとか、ディズニーチャンネルを見て育ったので、アメリカの学園ものが大好きなんですよ。それでデモを聴いたとき、あんにゃと私が、すごくときめいちゃって。こういう風にしたいと、2人でイメージがどんどん浮かんで、じゃ一緒にやろうということになりました。

根岸 愛 女の子2人だけど、バチバチした感じではないよね。お互い認め合っているけど、でも私が一番だって思っているみたいな。

――安斉さんが自分は一番だ! と思っているところは?

安斉奈緒美 何でも前向きに考えられることですかね? 自分が思っているほど周りは気にしてないことが、けっこう多いので。人生は一回しかないから、楽しんでいたいというのが、根底にあるのかもしれないです。

根岸 愛 みんなが考え込んでしまうときでも、「大丈夫だよ〜」って。楽観主義というか。それで助けられるときが、すごくありますね。

――ところでみなさんは、どんな映画が好きなんですか?

安斉奈緒美 私はラブコメばっかりです。ディズニーチャンネルの『プリティプリンセス』が最高で、世界観などすべてが大好きです! 庶民の女の子がプリンセスになるお話で、アン・ハサウェイさんが出ていたりして、大人でも楽しめます。

森 詩織

森 詩織

――森さんは最初に言っていたアクションですか?

森 詩織 そうですね。もう先に話しちゃいました(笑)。

根岸 愛 もりしは、同じアクションでも武器は使わず、素手で戦うのが好きなんだよね?

森 詩織 そう。素手! 『ミッション・イン・ポッシブル』とかは、いろんなテクノロジーを使うし、見るほうも頭を使うじゃないですか。そういうのではなくて、見ただけでわかりやすいのが、好きなんです。字幕を見なくても分かるもの。2階から落ちても死なないとか、普通に「すごいな〜」って楽しんじゃうんで(笑)。

安斉奈緒美 わかる〜! 何も考えずに見たいよね。セリフの意味とか、考えるのが面倒くさいし。うちら、超単純なので(笑)!

根岸 愛 私は、むしろいろいろ考えたいかな。超バッドエンドでズーンと重くなるものとか、やりきれない気持ちになる映画が、すごく好きです。例えば『ゴーン・ガール』とか『ミスト』とか。

――バラバラですね。みんなで一緒に映画は行けないんじゃない?

安斉奈緒美 それが。この間、行ったんです。『君の名は。』を、みんなで見ました。

森 詩織 仙台のリリイベが終わったあと、ちょっと時間があって。見てないメンバーが5人いたので。

安斉奈緒美 横一列に並んで座って見たんですけど、泣いている子もいたり、みんな感想が違くて面白かったね。

根岸 愛 私はすでに見ていたので、見送りましたけど。実は、メンバーと行くのにはトラウマがあるんです。前に一緒に行ったのは、ゆっきー(藤本有紀美)ともりしだっけ?

森 詩織 そうそう、あのときね!

根岸 愛 ゆっきーが、上映中にすごいリアクションをするんです。「わ〜!」って叫んだり、「ねえねえ、これすごくない?」って話しかけてきたりするから、映画に集中できなくて。

森 詩織 だから『君の名は。』のときは、ゆっきーから離れて座りました(笑)。

根岸 愛 なっちゃん(岩村捺未)もそういうタイプだから、2人と映画に行くときは、要注意だよ!

バンドPASSPO☆はライブハウスで下積み経験を

根岸 愛、安斉奈緒美、森 詩織

――現在『歌って踊って奏でるツアー』を開催中。昼と夜の二部で、二部ではバンドをやっているんですよね。

安斉奈緒美 同じ曲でもバンドは魅せ方がまったく違うので、やっぱり簡単ではないですね。

――バンドでは、森さんがボーカル、安斉さんがギター、根岸さんはキーボードということで。

根岸 愛 ピアノの経験があったけど、ピアノって1人で弾くことが多かったので。バンドはみんなで合わせるし、歌いながら弾かなくちゃいけないし。すごく難しいです。

安斉奈緒美 だからもう、とにかくリハをやるようになりました。アイコンタクトをもっと取ろうとか。練習あるのみです。

根岸 愛 あと、笑顔も大事ですね。バンドを始めて1年も経ってないので、気づけば真顔になってしまって。お客さんは、必死な姿よりも笑顔で楽しんでいる姿を見たいと思うんです。ちょっとくらい間違えても、楽しんでいるのがいちばんだなって、実際にライブをやると感じます。

森 詩織 下を向いて演奏していたら、きっとお客さんも不安になると思うし。最近はよく目を合わせられるようになって、すごく楽しいです。その楽しさが、みんなにも伝わったらいいなと思ってやっています。

――バンドをやるようになって何か変わったところはありますか?

安斉奈緒美 それぞれが、責任感を持てるようになったと思います。あと、メンバー間の信頼感? みんなの音を信用しているから、私も安心して弾けるし。歌もしっかり聴いて弾かないといけないし。

根岸 愛 責任感、信頼感の大切さは、きっとPASSPO☆でいる限り必要なことなんですけど、バンドをやることで如実になったと思います。特に今は7人でやっていて。誰か一人が欠けてもPASSPO☆じゃなくなると思うくらい、みんなを頼りにしているし、その分自分も頑張らないといけないと思うし。一人ひとりが、そう思っています。

森 詩織 私もみんなが頑張って演奏してくれるので、安心して歌えています。

――ツアーの会場はライブハウスですね。

安斉奈緒美 バンドと言ったらライブハウスじゃないですか。私たちはバンドの下積み経験がないので、こういうライブハウスが経験できるのは、すごくうれしいです。

森 詩織 数々のバンドさんが通った道なので!

――そして9月9日には日本青年館でのワンマンが決まっていますね。

安斉奈緒美 建て替え後にやるのはアイドルでは初になるんじゃない?

根岸 愛 ピカピカの状態でやれるので、すごく楽しみですね。

森 詩織 アイドルの聖地ですし、建て替え前の青年館ではやったことがなかったので、すごくうれしいです!

――さて、今後は?

根岸 愛 ずっと言っていますけど、有名になる!

――すでに有名では?

根岸 愛 いやいやいや!

森 詩織 もっとテレビに出ないといけないし、武道館をやるとしたらチケット即完できるとか、アリーナツアーができるとか、そのくらいでないと有名とは言えないと思うので。

安斉奈緒美 国民的と言われるくらいでないとね。

根岸 愛 今でも「アテンションプリーズの子たち」とか「キャリーをコロコロするダンスの子」とか、「番組で野球をやっていた」とかって、デビュー当時の印象のままイメージを持っている人が多くて。今私たちがバンドをやっていることとか、何人でやっているとか、それぞれどんな活動をしているとか。今の私たちを見てほしいし、知ってもらえる活動をして行こうと思います。

(取材・撮影=榑林史章)

 ◆PASSPO☆ 「ガールズロックで、お客さまを忘れられない旅にお連れする」を、テーマにした7人組ユニット。メンバーは根岸 愛、増井みお、玉井杏奈、安斉奈緒美、岩村捺未、森 詩織、藤本有紀美。2009年に10人で結成し、2011年にシングル「少女飛行」でメジャーデビュー。女子グループ史上初のデビューシングルでのオリコン週間1位を獲得した。2016年から現在の7人組となり、レーベルをCROWN GOLDに移籍して活動。最新作『Cinema Trip』は、移籍後初のアルバムとして、「Mr.Wednesday」など昨年リリースした3枚のシングル曲も収録している。

ライブ情報

「歌って踊って奏でるツアー」
2月26日(日)山梨・甲府 CONVICTION
3月5日(日)愛知・RAD HALL
3月11日(土)福岡・BEAT STATION
3月18日(土)栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月19日(日)埼玉・HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1
4月1日(土)東京・duo MUSIC EXCHANGE

「日本青年館ワンマンフライト」
9月9日(土)東京・日本青年館

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安斉奈緒美
根岸 愛
森 詩織

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