卒業が多いアイドル、アフィリア・サーガ 永遠がないゆえの魅力
INTERVIEW

卒業が多いアイドル、アフィリア・サーガ 永遠がないゆえの魅力


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年01月28日

読了時間:約9分

アフィリア・サーガ

「入学と卒業を繰り返すアイドル」とも言われているアフィリア・サーガ。「魔法のチョコレート伝説」には「今の自分達を見て欲しい」という思いもある

 ガールズ・ボーカルユニットのアフィリア・サーガが1月25日に、通算18枚目となるシングル「魔法のチョコレート伝説」をリリースした。魔法学院をテーマにしたカフェ&レストランアフィリア グループのキャストで結成され、2008年にデビュー。2013年にアフィリア・サーガ・イーストから改名した。「入学と卒業を繰り返すアイドル」というコンセプトの通りに卒業も多く昨年は5人が巣立った。シングルごとにメンバーが変わる貴重さも。そうしたこともあってか、新曲のテーマは応援ソングだが「今の自分達を見て欲しい」という思いもある。卒業後の“進路”を事務所がサポートするユニークな仕組みがあるのも特長だ。今回はメンバーのユカフィン・ドール、ミク・ドール・シャルロット、カオリ・S・ゴドランドの3人に今作やバレンタインの思い出ついて話を聞いた。

アフィリア・サーガは、恋より食い気!?

カオリ・S・ゴドランド 

――「魔法のチョコレート伝説」は、バレンタインの季節にぴったりの楽曲ですね。

ユカフィン・ドール 実は、応援ソングになっています。がんばったあとのご褒美みたいな。この曲ではチョコレートがそれにあたるのですが、そういう「最高だ!」と思える瞬間があるからこそ、がんばれるんだよと、みんなを励ましてくれる曲です。基本は恋にがんばっている女の子を応援する歌だけれど、受験勉強をがんばった人でもいいし。勉強したあとは、甘い物が食べたくなりますから!

ミク・ドール・シャルロット こういう季節的な行事をテーマにした曲は、今までありそうでなくて。もっと、季節や行事ものがあったらいいなと思っていて、それがやっとできました。

――早口で歌っていたりしますが、難しかったところはありましたか?

カオリ・S・ゴドランド  この曲はアフィリア史上最速のテンポで、最初は舌が回らなくて大変でした。でも、リリイベ(リリースイベント)で何度も歌っているうちに、やっと自分たちのものになってきたかなって。

――ファンタジーで始まり、ドタバタコメディを見ているような雰囲気もあって、すごく楽しい曲ですね。

ミク アフィリアっぽく、魔法をかけるところから曲が始まって、いきなりアップテンポになります。途中で<チュッチュッ♪>と歌うところがあるのですが、ライブでは先輩(ファン)たちも、一緒に<チュッチュッ♪>と歌ってくれています。すごく照れくさそうですけど、目が合うとみんな笑顔になってくれて。

カオリ 最後にチョコを渡す振り付けがあるのですが、好きなメンバーの目の前にいた先輩は、すごくうれしそうで「これで明日もがんばれる!」みたいな感じですよ。ライブ用の特別な振り付けもあるので、ぜひライブを見てほしいですね。

アフィリア・サーガ

――歌詞では、バレンタインは女の子同士の戦争だ! みたいな感じもありますけど。

ユカフィン いろいろに受け取れますよね。1番の歌詞は、チョコレート売り場でチョコ争奪戦を繰り広げている感じもあって。作詞の桃井はるこさんとしては、アイドルシーンという戦場にも例えているとおっしゃっていました。

――それぞれのバレンタイン大作戦の思い出はありますか?

カオリ 私は、もらってばかりでした。身長が高くてバスケをやっていたので、学校の女子からすごくもらいましたよ。

ミク 私は学生時代に、イケメンでサッカーが上手い学年一人気の男子がいて。友だちの女子たちが、その男子にチョコをあげるという話をしていたので「じゃあ私もあげる」といったら、他の子たちが「ミクちゃんがあげるなら、勝ち目がないから渡すのをやめる」と言い出して。

ユカフィン はい、自慢キタ〜(笑)! で、結局あげたの?

ミク ひとりで渡すのが恥ずかしくなって、誰もあげずに終わってしまって。

――いちばんの被害者は、そのイケメンくんですね。

カオリ ミクちゃんのせいで、誰からももらえなかったという。

――ユカフィンさんは?

ユカフィン 小学生のとき、お母さんがチョコを買ってくれるというので、誰と誰にと渡す人数を報告して、人数分をお母さんに買ってきてもらったんです。でも、渡す前に全部自分で食べてしまって(笑)。昔から食べるのが大好きで、小学生のときはそういう悪知恵ばかり働いていました。

ミク 今もあまり変わらないけど(笑)。

カオリ MVでもチョコを食べるシーンがあって、食べさせ合ったりしていたんですけど、ユカフィンは食べ過ぎですよ! 自分のぶんを食べ尽くして、他のメンバーからもらっていたんですから!

ユカフィン スタッフさんの手作りで、ハート型とかいろいろあって。全部かわいくて、ついテンションがアガっちゃって!

常に変化するのがアフィリア・サーガの魅力

ユカフィン・ドール

――C/Wには、「この歌に永遠の愛を捧ぐ」という曲が。

ミク 爽やかな曲調ですが、振り付けはラッキー池田先生なので、みんなで船を漕いだりとか、壮大な創作ダンスです。歌詞は、爽やかさの中に重みや強いメッセージ性があって、私たち自身歌っていると泣きそうになるほどです。

ユカフィン 2014年に5周年記念ツアー『ヴィーナスと青き七つの海』をおこなったのですが、そのときのテーマソング「ヴィーナスと青き七つの海」のアンサーソングというか、続編のような曲になっています。海のような大きな愛がテーマで、2月3日に始まる『ワンマンライブツアー2017〜永遠の蒼き愛の女神〜』のテーマソングです。5周年記念ツアー『ヴィーナスと青き七つの海』は、自分たちのモチベーションはもちろんファンの評判もすごく良くて、今も私たちの中では、越えられずにいる壁でもあって。今回のツアーは、その壁を越えることがメンバーの中でのテーマになっています。

――「Precious memories」は、すごく切ないバラード。

ユカフィン 通称「プレメモ」です! 別れがテーマですが、進む道はそれぞれ違っても、そこには絆があって繋がっているという前向きな曲。別れはいずれ訪れるから、日々を大切にね! と歌っています。

カオリ 曲を渡されたときは、“今まででいちばん絶望的な曲”と説明を受けてレコーディングに臨みました。

ミク でも、どんな気持ちで歌えばいいのか、歌詞を解釈するのがいちばん難しかったかもしれないです。経験したことのない気持ちなので、それをどう表現したらいいのか? って。同時に、アイドルの儚さも感じられます。好きなアイドルがずっとアイドルを続けているとも限らないわけで。だからこそ、会える時間を大切にしていきたいという気持ちも込めています。

――アフィリア・サーガは、昨年もメンバーの卒業があって、今は10人で活動していますが。

カオリ 昨年は5人卒業して。「入学と卒業を繰り返すアイドル」というコンセプトがある通り、メンバーが常に変わるので、シングルを出すことにメンバーが違っていて。

ユカフィン それも善し悪しで、ファンの中でも「変わり続けるのが良い」といってくださる人もいれば、「メンバーが固定しないことでクオリティが安定しない」といわれることもあって。ただ、卒業は決して悪いことじゃないと思っています。永遠がないからこその魅力もあると思っています。

――だからこそ、今を見てほしいし聴いてほしいと。

ミク ツアーのメンバーもそのときどきで違っていて、歴史の長いグループはそうならざるを得ないんですけど。それをおもしろ味として、受け止めてもらえたらうれしいです。

ユカフィン 私たちも変化を怖れず楽しめているからこそ、こうして前に進めています。2017年は、今回のツアーもあるし、みんなに寂しい想いをさせないようにしたいです。

「Stand-Up! Project」はアイドル活動をサポートする唯一無二のシステム!

ミク・ドール・シャルロット

ミク・ドール・シャルロット

――「入学と卒業を繰り返す」という部分では、アフィリア・サーガにはそれをサポートしてくれるシステムがあるそうですね。

ユカフィン はい! 「Stand-Up! Project」というのですが…。アフィリア・サーガを卒業した後の活動や就職をサポートしてくれるというものです。アイドルをやりたいと思っても、卒業後の活動や将来に不安を感じて一歩を踏み出せずにいる女の子が多いという声を聞いて、未来に不安を感じずにアイドル活動に取り組めるようにと、会長の志倉千代丸さんが考えてくださったんです。

「Stand-Up! Project」は、MAGES.関連企業への就職をサポートしてくれる、というプロジェクトです!MAGES.にはアミュレートという事務所もあって、元メンバーのレイミー・ヘブンリーは今そこに所属して、八島さららという名前で声優をやっています。アフィリア・サーガを辞めて店舗のキャストとして働いている子もいます。

――初期メンバーのルイズ・スフォルツアさんは、卒業後にMAGES.の社員として就職し、アフィリア・サーガの活動をサポートする側に回っているそうですね。

ユカフィン そうなんです。リーダーを卒業しても、スタッフとして近くにいてくれるのは、私たちとしてすごく心強いです。ルイズ自身も、自分の現役時代に叶えられなかった夢を追いかけることができると喜んでいます。辞めた後の選択肢がこんなにも多いのは、他のアイドルグループにはないもの。この唯一無二のシステムが、アフィリアにはあるということを強調したいです!

――3人も、今も店舗のキャストとして働いているときもあるんですよね?

ミク アフィリア・サーガのメンバーがお店に出るときは、事前にSNSで告知をしていて。ライブのお客さんが店舗にきてくれて、それでお店のほうにハマる方もいるし。逆にお店で先に出会って、後でアイドルをやっていることを知って、ライブに来てくれるようになった方もいるし。アフィリアの世界観の楽しみ方は、お客さんのほうとしても、いろいろな選択肢があるんです。

カオリ 親御さんも安心です! アイドルに興味のある女の子は、ぜひ私たちと一緒に夢を追いかけましょう!

(撮影/取材・榑林史章)

魔法のチョコレート伝説

 ◆アフィリア・サーガ 魔法学院をテーマにしたカフェ&レストラン「アフィリア・グループ」のキャストで、アフィリア・サーガ・イーストを結成。プロデューサーの志倉千代丸とシンガーソングライター桃井はるこのプロデュースで、2008年にデビュー。2013年にアフィリア・サーガに改名。昨年のシングル「Lost In The Sky」は、デイリーチャート1位を記録した。2月3日(金)東京・TSUTAYA O-EASTを皮切りに、全国ツアー『アフィリア・サーガワンマンツアー2017〜永遠の蒼き愛の女神〜』を開催。

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ミク・ドール・シャルロット

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