LUNA SEA、限界超えた聖なる夜 観客と作り上げた光と音の絶景
LUNA SEAのライブは時間を忘れさせ現実からも解放させるほどのエネルギーに満ちていた
LUNA SEAが23日と24日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで単独公演『The Holy Night-Beyond the Limit-』を開催。聖なる夜に相応しい映像と演出、そして、卓越した唯一無二の演奏と歌で魅了した。2日間で3万人超を動員した。12月23日と24日は、1995年の初東京ドーム公演以降、2007年の一夜限りの再結成、2010年の本格再始動と節目となる数々のライブをおこなってきたファンにとっては特別な日。6月リリースの「Limit」やこの日会場限定発売となった初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」、代表曲「ROSIER」など全19曲を熱演すれば、アンコールでオーディエンスによる「きよしこの夜」の大合唱が贈られるなど特別な夜となった。RYUICHIも「23日、24日はLUNA SEAの大切な日として刻んでいきたいなと思います」と語った。2017年5月29日にはメジャーデビュー25周年公演を東京・日本武道館で開催することが決定。公演2日目となった24日の模様を以下にレポートする。
アイディアという子供達を育てています
天井の、可動式ライトが規則正しく首を振り客席を照らす。開演時間を過ぎたところで気持ちの高ぶりを抑えきれないかのように、オーディエンスによる手拍子が響き渡った。そして、程なくして暗転すると教会のステンドグラスがステージのスクリーンに映し出され、美しいクワイアの歌声によるSEが会場を包み込む。そんな幻想的な空間のなか、メンバーがステージに登場した。
聖なる夜に、RYUICHI(Vo)が「White Christmas」をアカペラで響かせた。まさに楽音、波紋のようにアリーナに広がっていく歌声に魅了されるオーディエンスたち。その歌声に導かれるようにステージからレーザーが放たれ「Anthem of Light」で幕を開けた。
バンドが放つサウンドは、迷うことなき一筋の光のような実直さと熱量を感じさせ、今夜のライブへのアティチュード(姿勢)を示すかのようだった。そのまま定番曲である「Dejavu」へ突入。ライブの起爆剤とも言えるナンバーで一体感を高めていく。SUGIZO(Gt.Vn)とINORAN(Gt)の息のあったギターコンビネーションも爽快だ。
RYUICHIは「23日、24日はLUNA SEAの大切な日として刻んでいきたいなと思います。5人でたくさんのことを話し合いながらリハーサルして、過去のライブを思い出しながら作ったメニューです」と今回のセットリストへの思いと意気込みを話した。そして、6月にリリースした「Limit」へ。RYUICHIの張り裂けそうなテンションの歌声がスーパーアリーナを突き抜けていく。それに感化されたかのようなSUGIZOのエモーショナルなギターソロも広がりを見せた。
MCではRYUICHIが「LUNA SEAの未来の話をちょっとしたい。アイディアという子供達を育てています。遅くとも10年以内には…」とアルバム制作を示唆。この発言に悲喜が入り混じった声を発するオーディエンスたち。その声を聞いて「俺たち真面目なんで、10年も掛かるわけないでしょ。音出すの好きだしさ。無理でも近日中には届くかもしれないよ!?」とジョークを交えて新作への想いを語った。
そして、アルバム『STYLE』に収録されている「LUV U」。まさかこの曲がくるとは、という意外性が歓声を更に押し上げた。LUNA SEAのコアな部分が出た楽曲を手拍子で喜ぶオーディエンス。さらに『MOTHER』収録の「AURORA」へ。昨年のSLAVE限定GIGでも披露された人気曲。美しいメロディラインはまさにオーロラのような輝きを放つ。90年代中期の楽曲は、当時の思い出を呼び起こさせるようなノスタルジックな気分にもさせていた。
続いて、「Limit」のカップリングである「I’ll Stay With You」へ。SUGIZOはバイオリンにチェンジ。サステイン(持続性)のある美しい音色でメロディの旋律を縫うように楽曲を彩る。RYUICHIとINORANもアコースティックギターを煌びやかに奏でていく。そして、「MOON」でさらに幻想的な空間へ誘う。スクリーンに投影された月が世界観をより一層強固なものにし、オーディエンスも静かに、バンドの奏でるサウンドに身を委ねているようであった。現実と切り離し時間を忘れさせてくれる楽曲だ。
ここで、恒例の真矢(Dr)によるドラムソロ。神秘的なサウンドが流れる中、ドラムに感情を叩きつけるように表現していく。打楽器の可能性をさらに押し上げていく演奏は、聴くものの高揚感を煽っていく。そして、「もっと来いよ!」という真矢の掛け声とオーディエンスによる「真矢」のコールアンドレスポンス。鉄板とも言える展開だがこれがないと物足りないと思わせるほど、重要なセクションだ。立て続けにJ(Ba)のベースソロへ。無機質なマシーンビートの上を、激しくドライブしたサウンドでグルーヴを作り上げ、そこにJのワイルドな声で捲し立てていく。ロック魂が炸裂したコーナーからインディーズ時代からのアッパーチューン「BLUE TRANSPARENCY」へ突入。
生きている限りここに戻ってくるつもりです
そして、「I for You」へ。RYUICHIは情感を込め、真っ直ぐな想いをオーディエンスたちに届けていく。「今年最後のライブだから全部吐き出していきたいよね。ライブは時間を忘れられるものだから飛ばしていくぞ!!」と「STORM」、「TIME IS DEAD」と激しいナンバーで煽り立てる。嵐のような凄まじいグルーヴが会場に渦巻いていく。その勢いを止めるわけにはいかないと「ROSIER」で畳み掛け、公演タイトル『Beyond the Limit』に偽りなし、怒涛のセットリストでボルテージは最高潮に高まっていった。
そして、メジャー1stシングル「BELIEVE」へ。自身とオーディエンスたちとの絆を確かめ合うように歌と演奏で紡いでいく。その至福ともいうべき音を浴びながら、それに応えるかのようにオーディエンスたちも、ステージに向けて想いを届けていく。愛情に満ちたサウンドで本編を終了した。
ここでSLAVEたちによる「きよしこの夜」の合唱が、さいたまスーパーアリーナにこだまする。スタンドには、スマホのライトを使用し再現された星の輝きが、瞬くように揺れるロマンチックな光景が広がった。その絶景にステージに戻ってきたメンバーも感無量の表情。RYUICHIはその合唱と光のプレゼントに「みんな、いつリハーサルしてるの? 完璧にグルーヴしてるよね!?」と賛辞を送った。そして、「美しい光と声を聴かせてもらったのでお返しに」と新曲のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」をプレゼント。この季節のアンセムになるだろう楽曲とともに粉雪がステージ上空から舞い落ち、ホワイトクリスマスを演出。オーディエンスは、映画のようなワンシーンに心奪われているようだった。
メンバー紹介では昔は無口だったINORANが「(結成から)28年も経ってこの景色をみんな見せてくれてどうもありがとう!」と感謝を告げ、SUGIZOは「さらに28年後はどうなってるかな?」と問いかけば、RYUICHIは「ウチは結構速い曲が多いからさ。ROSIERはきつい?」と。スクリーンには険しい顔をした真矢が映し出され、会場は笑いに包まれた。SUGIZOも「生きている限りここに帰ってくるつもりです。最高に愛してるぜ!」と再びこの地へ戻ってくることを誓った。
「一発、みんながハチャメチャになれるような曲をやりたいと思います」とアンコール2曲目は「TONIGHT」。ストレートで勢いのあるロックナンバーは、ダイレクトにオーディエンスたちの心をロックオン。心躍らせるサウンドで攻めていく。RYUICHIの「かかってこーい!!」のシャウトからラストは「WISH」へ。銀テープがキラキラと舞い、希望に満ちた空間の中、全身全霊で届けた『The Holy Night-Beyond the Limit』の幕は閉じた。
オーディエンスたちに感謝を告げるメンバーたち。メンバー4人が去った後も、SUGIZOはステージからペットボトルを客席に投げ入れる。「ありがとう!」と最後まで1人で深く長いお辞儀。その目には涙を浮かべているようにも見えた。会場を見渡しながら名残り惜しむようにステージを去っていくSUGIZOから、今回のライブにかける並々ならぬ想いを感じた瞬間だった。
結成から28年という月日が経った今も、この会場に集まったオーディエンスたちと作り上げた景色は、現在も昔も変わらないエネルギーに満ち溢れていた。そのライブは時間を忘れさせ現実からも解放させてくれるということを強く体感できたクリスマスイブであった。2017年5月29日、メジャーデビュー25周年という節目を迎えるLUNA SEA。さらなるBeyond the Limitに期待が高まる。(取材・村上順一)
セットリスト
| The Holy Night-Beyond the Limit 12月24日 さいたまスーパーアリーナ Overture.White Christmas ENCORE EN1.HOLY KNIGHT |
- ライブのもよう
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- RYUICHI
- SUGIZO
- INORAN
- J
- 真矢













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