来春にメジャーデビューすることを発表した3ピースガールズロックバンドthe peggies

 平均年齢21歳の3ピースガールズロックバンド、the peggies(ザ・ペギーズ)が12月8日に、東京・SHIBUYA CLUB QUATTROでワンマンライブ『宣戦フ告 final (もうすぐクリスマス) ~ミクに祈りを、マキコに愛を、ゆうほにお寿司を!!~』を開催した。『宣戦フ告』は、高校2年の時からおこなっていたという自主企画ライブ。ファイナルのこの日は、来年3月3日に新しい自主企画『ペギまつりvol.1』を開催することを報告するとともに、来春にメジャーデビューすることを発表した。アンコールでは新曲「ハートビート」を披露するなど全17曲を若さ溢れるパワーで届けた。

『宣戦フ告 final』スタート

ライブのもよう

 開演前のフロアには、ギュウギュウになる程のファンが詰めかけていた。時刻が午後7時を過ぎると北澤ゆうほ(Gt.Vo)から開演を告げるアナウンス。すると盛大な歓声と拍手と共にメンバーがステージに登場。彼女たちがスタートに用意したナンバーは「カウンター!」。ポップでキャッチーなメロディーを筆頭に、ゆうほの透き通る美声が会場に響く。「朝まで盛り上がる準備できていますか? 盛り上がっていきましょう!」とゆうほの煽りが加えられると、恋に落ちたくなる甘酸っぱい「MOTTO」へと向かった。

 「今日はいっぱい来てくださってありがとうございます。見る限り、冒頭からみなさん、エネルギー半端ないですね。楽しむ準備万端だと思うので、みなさんとこの後もどんどん一緒に楽しんでいきたい。それでは、the peggiesの色んな面が見られるようなそんな個性豊かな3曲を続けてみなさんに聴いてほしい」とゆうほのMCが終わると、ときめきの要素が沢山詰め込められている「ときめき(ハートマーク)シンフォニー」を披露した。

 その後は、石渡マキコ(Ba)の重圧のあるベースと大貫みく(Dr)によるダイナミックなドラムを先頭に「青春なんかに泣かされて」をたたみ掛け、赤黒い照明に照らされながら、女性の闇の部分が赤裸々に語られている「ブリキ」を届けた。

 ゆうほのMCでは「私が生まれて初めて曲を作ったのは中学校3年生の15歳のとき。それからとんとんとんと作って今に至る訳です。次にやる曲は、私が生まれて初めて作った曲と、その次の次の次ぐらいに作ったthe peggiesの始まりみたいな、2ページ目といえるような曲」と語り、初期の頃に作ったとされる「宇宙の果てまで手を繋いで」を届けた。滅多にやらない曲だからこそ、今日この会場にいた観客にとって非常にレアな瞬間になったことだろう。

 続くナンバーでは、ありのままの好きという気持ちが綴られている「アイラブユー」。ファンたちに贈る愛のうたのように感じた。ゆうほは「『アイラブユー』は初めて作った曲なんです。中学校3年生の時にインフルエンザにかかってしまい、家の和室に完全に隔離されていて何もやることが無かったので、ギターを持って<はまちのお寿司―♪>とか歌っているうちに出来た曲。立派な恋愛を15歳がしている訳ないんですけど、実家の和室で一人でこう作った曲が今、大勢の方の前で出来ているのがすごく考え深いなと思います。不思議なものですね」と楽曲の誕生秘話を語った。

 さらにマキコが「さっきやった2曲なんですけど、実は私たちが高校1年生の時にある大会で優勝したんです。その優勝特典がさいたまスーパーアリーナでのオープニングアクトだったんです。そのときに演奏した3曲のうちの2曲だったので、演奏しながらあの頃を思い出して、すごく懐かしい気持ちになりました。当時、高校1年生の私たちはめっちゃ下手で、やばい…みたいな。優勝してから“これでさいたまスーパーアリーナ出るの?私たち”って。“この演奏力で? やばくね?”となって週2で1日5時間ぐらい。持ち時間15分の3曲を、ひたすらループし続けて練習したのがすごく懐かしい」と当時を回顧した。

 そして、みくは「中学生のときに3人とも軽音部で出会ったんですけど、高校でも軽音部に入っていたんです。高1のときに、高校の軽音部って楽器運びとか後輩がやらなきゃいけないみたいなのがあって、私たちはそれをサボって…。そうしたら次の学年に上がるときに先輩に呼び出されて、『辞めたくないのはわかるんだけど、機材運びとかやってくれないと、後輩にも顔が立たないし』と怒られてそのまま辞めちゃいまして。私とまーちゃんは囲碁部に入って。ゆうほは天文部に入りました(笑)」とメンバーひとり一人による思い出話に花を咲かせた。

私たちメジャーデビューします!!

ライブのもよう

 その後は、アップビートな「ATOM」を披露。彼女たちの勢いはまだまだ止まることを知らない。熱気に包まれた空間を保ちつつ「JAM」を炸裂させ、オーディエンスから拳をかざす光景が広がっていた。空気は打って変わり、「花」や「いきてる」などの“聴かせ曲”を続けて奏であげ、観るもの全てをステージに釘付けにしていった。

 後半戦の1曲目には「ボーイ ミーツ ガール」を用意し、更に観客の盛り上がりもヒートアップ。ゆうほから「みんなの夏の好きな食べ物なーに?」と質問がされると観客からは「すいかー!」と回答。“すいか”というワードが組み込まれている「ちゅるりらサマフィッシュ」へ突入。2番のサビでは<すいか すいか ワッショイ>とフロアから盛大な声が響いた。

 終盤戦に差し掛かると、ファンを愛の旅へと誘う「LOVE TRIP」を披露し、ボルテージはマックスに。ラストを飾ったのは、10月にリリースしたばかりのニューシングル「スプートニク」。疾走感溢れるパワーを彼女たちは魅せつけた。

 15曲というセットリストで無事に幕を終えるかと思いきや、アンコール曲を用意。再びステージに現れた彼女たちから歌い継がれたのは、初披露の新曲「ハートビート」だ。初めて聴く新曲だが観客の戸惑いは感じられず。むしろ、口にしやすい歌詞とキャッチーなメロディを楽しんでいるようだった。

 ここでゆうほから語られる。

記念撮影

 「『宣戦フ告』というタイトルで自主企画をやり始めたのは、高校2年のときで既に6回以上やっていると思うんです。それも今日でファイナル。『宣戦フ告』は、高校2年生からお世話になりましたがお別れとなります。でも、安心してください。来年から新しいthe peggiesの自主企画シリーズが始まります!その第一弾がもう決まっております! 3月3日ひな祭りの日です。スリーピースの女子にぴったりな日にちを抑えました。題して、『ペギまつりvol.1』。ひな祭りじゃないからね?ぺギまつりだからね!場所は、渋谷のO-WESTでおこないます。もう一つ、お知らせがございます。来年の春に新譜をリリースします!そして、その新譜で私たちメジャーデビューします!!」

 ファンには嬉しい発表が続いた。

 そんな彼女たちが、最後の最後に披露したのはライブお馴染みの「グライダー」。みなぎるエネルギッシュなパフォーマンスをし、聴く人々に笑顔を咲かせることができる素敵な一夜を作り上げた。(取材・橋本美波)

セットリスト

宣戦フ告 final (もうすぐクリスマス) ~ミクに祈りを、マキコに愛を、ゆうほにお寿司を!!~
12月8日 東京・渋谷CLUB QUATTRO

01.カウンター!
02.MOTTO
03.ときめき(ハートマーク)シンフォニー
04.青春なんかに泣かされて
05.ブリキ
06.宇宙の果てまで手を繋いで
07.アイラブユー
08.ATOM
09.JAM
10.花
11.いきてる
12.ボーイ ミーツ ガール
13.ちゅるりらサマフィッシュ
14.LOVE TRIP
15.スプートニク

アンコール

EN1.ハートビート(新曲)
EN2.グライダー

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