己龍、極彩色で魅了した雅ロック 激しさと美しい歌メロの両立
たった1曲で観客たちのハートを捉えた己龍(VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powerd by Rakuten)
<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powerd by Rakuten>最終日レポ◇己龍
今宵の己龍は、大きな会場に映える楽曲たちを中心に据え、戦いを挑んできた。彼らは冒頭で『天照』を披露、猛り狂う演奏を持って観客たちの頭をガンガンに振り乱しながら、気持ちを熱くさせるサビ歌で触れた人たちの心をしっかりと掴んでいった。なんて激しくも煌びやかな歌なんだ。激しさに圧倒されながら、親しみやすい歌に酔いしれる人たちも多かったように、己龍はたった1曲で観客たちのハートを捉えていた。
「今夜も思う存分に暴れ奉ろうか!!」。艶やかで華やかな和ビートと破壊力満載な演奏の重なり合う『彩』に導かれ、大勢の人たちが扇子や、手を扇子変わりにしながら激しく舞い踊っていた。先に爆音が耳に飛び込むが、実はとても美しい歌メロを魅力にしたバンドだと感じれたのも嬉しかった。
和心をたっぷり詰め込んだ雅ロックな『月下美人』でも、激しさと艶やかな色を混ぜ合わせ、己龍は極彩色な刺激に変え届けてきた。とても攻撃的な姿勢だ。でも、ただ暴れたい衝動を与えてゆくのではなく、美しいメロディが芯にあるからこそ、激烈な想いに身体は支配されながらも心はずっと歌に惹かれていたのは間違いない。
後半を飾ったのは、hideのカバー曲『ピンクスパイター』。この楽曲を己龍らしい和要素満載にアレンジ。かなり重厚かつ雅びに彩った音世界だが、自分たちらしい姿勢てカバーしたことで、より己龍の本質が見えてきたのも事実。
最後は、会場中の人たちと一緒に暴れようと、猛り狂ったパラノイアナンバー『百鬼夜行』を己龍は叩きつけてきた。暴れ狂ってこそ己龍の宴とばかりに、暴走高揚歌『百鬼夜行』に大勢の人たちが全力でぶつかっていた。
巨大な空間を、頭振り乱し荒れ狂うライブハウスの場に塗り替えた手腕はさすがだ。その熱狂を己龍はX JAPANへと渡していった。(取材・長澤智典)



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