斉藤由貴

囲み取材に応じた斉藤由貴。歌唱時のもよう

 NHK・BSプレミアム音楽番組『The Covers』の公開収録「The Covers'Fes. 2016」が19日、東京・NHKホールで開催された。横山剣(クレイジーケンバンド)、エレファントカシマシ、秦基博、ORIGINAL LOVE、JUJU、BRAHMAN(ブラフマン)が出演した。その後の囲み取材には、MCを務めるリリー・フランキーと仲里依紗、出演者の田島貴男(ORIGINAL LOVE)、横山剣、斉藤由貴が応じた。話題は先日、ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランについてもおよび、リリーは「これから作詞家の方がどんどん評価されるように変わっていけばいいなと思います」、田島は「あの受賞を遊んでる感じがして」と冗談交じりにコメントした。

こんなフェスは他にない

 『The Covers』は、2014年3月にスタートした音楽番組で、ジャンルや世代を超えたアーティストが、自身の思い入れのある名曲をアレンジした上でカバーするとともに、音楽や時代をテーマにトークを繰り広げるというもの。2014年11月には、東京キネマ倶楽部で番組初の公開収録『The Covers’Fes』を開催。今回は3度目で初のNHKホールでの公開収録となった。

 初めての公開収録に臨んだ、仲は「MCになって初めての『The Covers’Fes』だったんですが、仕事なんですけどすごく楽しめました」とコメント。

 宇多田ヒカルのデビュー曲「Automatic」をカバーした田島は「こんなエレカシ(エレファントカシマシ)や、BRAHMANがカバーで共演してるような番組はない、とても音楽的。出演できて良かったです」と語った。

 フェスのトップバッターとして北島三郎の「まつり」を歌った横山も「こんなフェスは他にないですね。お客さんも老若男女、ジャンルレスでちゃんと音楽聴いてくれて」と満足気に語った。

 一方、自身のデビュー曲「卒業」を歌った斉藤は「以前、リリーさんが私の『AXIA~かなしいことり~』を紹介して下さったことを聞いていて、そんなことをしてくれる場所に出れたら幸せだろうな、と思って快諾しました。私は出演するだけでも、恥ずかしい思いをおしてでも出る価値があると思いました。本当に来て良かったです」と番組の隠された名曲をリリーが紹介する「うもれうた」のコーナーで斉藤の楽曲が取り上げられたことが今回の出演に繋がったことも明かした。

シンガーソングライターがカバーする意味

 シンガーソングライターとしてカバーをやる意味について、横山は「純然たるシンガーとして歌える」とコメント、田島は「ビートルズも、ストーンズもカバーしてる。ストーンズなんて1stは全部カバー。色んな人のカバーをやることで、アーティストとしての感性が表現されると僕は思っています」と語った。

 リリーは「この番組はカバー曲を、アーティストになる前の体験を受けたものとして紹介してくれる。だから、その人を知ってしまったような感じ、彼女の実家に訪れた時のような愛おしさを感じます」と番組を通してアーティストの違う一面が見れる、と持論を述べた。

 更に、話題は先日、ノーベル文学賞を受賞した、ボブ・ディランについてもおよび、リリーは「ボブ・ディランは何度もノミネートされてね、文学が別に上だとは思わないけど、やっと歌詞というものが、ロックが文学として認められたということだと思います。これから作詞家の方がどんどん評価されるように変わっていけばいいなと思います」と受賞を機に歌詞の価値観が変わることに期待を寄せた。

 田島は「ボブ・ディランが受賞の電話取らないっていうのがいいよね(笑)。あの人は世界中の人から尊敬されていて、尊敬されることに飽きてるのかなって。かえってあの受賞を遊んでる感じがして、生意気だなと(笑)」と冗談交じりにコメント。

 リリーは数年前ボブ・ディランが日本ツアーで来日した際、会場を出て1人で移動する彼を、裏口で不審者と勘違いした警備員が止めたというエピソードを語り、「そのくらい偉くなっても警備員に止められるっていうのが香ばしいですよね(笑)」といつまでも変わらないボブ・ディランに目を細めた。

 なお、この収録の模様は10月30日午後11時から、NHK・BSプレミアムで放送される予定。(取材・松尾模糊)

番組情報

「The Covers'Fes. 2016」
NHK・BSプレミアム
30日 23時~24時29分

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