SMAP「世界に一つだけの花」に寄せたファンの想いとは
SMAPのシングル「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」の累計売り上げ枚数が300万枚に達しようとしている。9月5日付オリコン「デイリーCDシングルランキング」では再び4位に浮上、累積売上枚数は278万3000枚(9月5日時点)を記録した。
同シングルの発売は2003年3月だが、今年1月の解散騒動をきっかけにグループ存続を願うファンたちから購買運動がはじまり、年内での解散が発表されたいまもなお、広がりをみせている。
ファンからSMAPへ、デビュー25周年を祝うために何ができる?
Twitterでは「#SMAP25周年に300万枚の花束を」のハッシュタグで活動が共有され、ファンが一丸となってトリプルミリオンをプレゼントしようという取り組みだ。
もちろん、買う・買わないは自由だ。強制的なイベントではないものの、このような状況下でファンがファンの行動に突き動かされていく様子が見えてきた。
全国のCDショップでもSMAPの25周年を祝福するコーナーを設置する店舗が増えている。新譜ではないものの、大きくスペースを設けて大々的にディスプレイすることでSMAPとファンを支えている。
購買運動と並んで盛んな活動が「#スマヲタハガキ職人への道」だ。SMAPのメンバー、出演するテレビやラジオ番組へ送るメッセージハガキを送ろうというもの。
ファンの一人に、メンバーカラーの5つの星をデザインしたハガキのフォーマットをTwitterなどで無料解放している「男だけどSMAPが好き(@5s5m5a5p)」さんがいる。今回、メールで話を聞いた。
「男だけどSMAPが好き(@5s5m5a5p)」さんら有志は当初、9月9日に新聞広告や街頭ビジョンを使ってSMAPにお祝いメッセージを贈ろうと考えていたそうだ。しかし、莫大な予算を要すること、納期やレギュレーションの都合等で企画を見直すことにしたという。
「新聞広告のデザインを考えた際に制作した5つの星がつながったシンボルマークがとても好評で、このマークを使用して別の活動ができないか、と考えた時に思いついたのが、今回のハガキイベントです。これであれば、第三者に迷惑をかけることなく直接、個人の判断で活動できるため、一般の人も参加しやすいと考えました」(男だけどSMAPが好きさん)
ハガキのフォーマットを統一することで、SMAPや関係各所に届いたときにインパクトがあり、同時にSMAPファンの団結を示すことができるのではないか、と考えたという。発信と受信の双方を考慮した、デザイナーならではの気の利いた仕事に共感するファンも多く、データのダウンロードは2000件を突破したそうだ。「今後も何らかの形で広告を出せないかと検討中」とのことだ。
通常ならばデビューを祝うコンサートが開催され、ファンが足を運び、一緒にお祝いをする機会が実現したはずだが、現在のところ、そのようなイベントは発表されていない。それならばとファンが立ち上がった。
想いを伝えたい――、次は自分たちが行動する番だといわんばかりに行動力と結束力をみせているSMAPファン。これらのハッシュタグに込められた思いは、SMAPデビュー25周年のお祝い、これまでの感謝もあれば、奇跡を願って想いを託すなど様々だ。
1991年9月9日にデビューしたSMAPは2016年9月9日に25周年を迎える。300万枚の花束に託したファンの25年分の愛よ届け、そして奇跡よ起これ。(文・柚月裕実)
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