上原多香子(撮影・長澤智典)

劇中楽曲を熱唱する木村了、上原多香子ら(撮影・長澤智典)

劇中楽曲を熱唱する木村了、上原多香子ら(撮影・長澤智典)

 俳優の木村了と、歌手で女優の上原多香子が8日、東京・セント・ラファエロチャペル銀座でおこなわれた、ミュージカル『TARO URASHIMA』の公開ゲネプロと制作発表会見に出席。会見で上原は「今まで思い描いていたのとは、違う乙姫にぜひ会いに来てください」と意気込みを語った。

 この公演は、る・ひまりわと明治座がタッグを組み、8月11日から15日に渡り明治座を舞台に上演するミュージカル。題名どおりこの物語は、日本古来のおとぎ話「浦島太郎」がベースになっている。この日は、物語の脚本を手がけた池田鉄洋(脚本家)、木村了、上原多香子、和泉元彌、とよた真帆、斉藤暁、崎本大海、滝口幸広、辻本祐樹、森田涼花、館形比呂一、坂元健児、マモリ鯛(竹内寿/中村太郎/月岡弘一/枡井賢斗/香山佳祐/塩川渉)と、数多くのキャスト陣が登壇した。

 「玉手箱の正体とは何だったのか?」「おじいさんになった浦島太郎は、その後どうなったのか?」など、おとぎ話の中では解決されていない謎を説き明かしてゆく話も加えながら、新たな解釈を持って、ミュージカル『TARO URASHIMA』はコミカルかつ、シュールに展開していく。

 本作で、浦島太郎役を演じるのが木村了、ヒロインの乙姫役を上原多香子、乙姫のじいや的な存在でネガティブなカメ役に斉藤暁、太郎の友人の漁師で、家族や友達思いのムサシ役に崎本大海、スーパースター・帝役に和泉元彌、美しいが嫉妬深い竜王の正室である鯱妃役を、とよた真帆が演じる。

 この舞台劇について俳優であり脚本家の池田鉄洋は「浦島太郎が、なぜ猟師なのに亀を助けたのか? なぜ、仲間の恩人だった浦島太郎を老人にしてしまう武器を渡したのか? なぜ、浦島太郎は開けるなと言われてるのにたまて箱を開けてしまったのか? その謎がすべて解き明かされます。これが本当の浦島太郎なんだと納得してくれる作品になっています」と語った。

 木村了は「浦島太郎の謎解きが全部詰まった作品を、ぜひ劇場に足を運んでみて欲しい」とコメント。乙姫役の上原多香子は「引き籠もりの乙姫というように、私が思い描いていた乙姫の姿がいい意味で崩れました。卑屈さMAXに至ると本当に180度キャラクターが変わるので、今まで思い描いてたのとは違う乙姫にぜひ会いに来てください」と役柄に自信をのぞかせた。

上原多香子(撮影・長澤智典)

上原多香子(撮影・長澤智典)

 とよた真帆は「乙姫と対立するとっても意地悪なママ母な役です。乙姫が、可憐ではなく対抗してくるので、私もさらにパワーアップして頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

 この日は、ミュージカルで披露する楽曲を、メドレー形式でキャスト陣がいち早く披露。舞台には、全部で25曲のミュージカルナンバーが登場。その中からこの日は6曲を披露した。全楽曲の作詞を手がけた池田洋明が事前に解説した。どの楽曲も物語にリンクしているように、それぞれに場面が目に浮かんだ。コミカルな歌も多いが、舞台の中で聴くと、また異なる趣きがある様子。

 役をもらった感想についての質問に木村了は「僕が浦島太郎を演じるなんて、嘘だねと思いました。しかも、ミュージカル。いただいた限りは、僕なりに解釈してみなさんにお届けしたい」とコメント。上原多香子は、「乙姫ってどんな人だったっけなと、改めて物語を読み返す作業からしてたんですけど、ぜんぜん違う乙姫が描かれてたので心配ですが頑張ります」と多少困惑した様子。

 和泉元彌は「浦島太郎に帝って出てましたっけ? 限られた場面で海の中と地上を繋ぐ役割であり、今回は歌も歌わせていただけるように、帝を魅力ある役にしていければ」と語った。

 「家族で楽しめる舞台、とくにどんな人に観てもらいたいか?」という質問について木村了は「夏休みなので、観光に来てる外国人の方に観ていただき、世界に羽ばたけたらな」と回答。上原多香子は「個人的に観て欲しいのが、4歳の姪っ子がいるので姉の家族を招待して観てもらたい。もちろん、ご家族で観てもらいたいと思っています」と幅広い層にアピールした。(取材・長澤智典)

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