トン族と共演する福山

トン族と共演する福山

 シンガーソングライターの福山雅治が、音楽のルーツを世界に訪ねる特番が、NHKで二回に分けて放送される。福山は世界各地を訪れる。そこに暮らす原住民と交流し、それぞれの文化で音楽がどのように息づいてきたのかを探る。中国の原住民、トン族との音楽の共演も実現。

 同番組は、去年、デビュー25周年を迎えた福山雅治が“音楽の源流”を世界各地に訪ねるドキュメンタリー番組。全編4Kで撮影され、複数年に渡る大型企画として、上海メディアグループ、SMG Yunji Media との国際共同制作を通じ、中国でも放送される。

 第1回は「人はなぜ歌うのか?」をテーマに、人類における歌の起源に迫る。今回、福山が訪れたのは独自の文字を持たない2つの民族。まずはオーストラリア北部のアーネムランド。オーストラリアの先住民・アボリジニの聖地と言われる場所である。そこに暮らすヨルング族は今でも狩猟採集や移動生活を続けながら、神話やさまざまな言い伝えをつづった歌を大切に守ってきた。福山は今回ヨルング族のある家族を訪ね、水道もない伝統的な生活に触れながら交流を深めた。

 その中で福山はギター1本で歌を贈り、ヨルングの人々は福山のために一族全員(30人)で神聖な儀式を披露、言葉や人種の壁を超えた音楽による交流が実現した。続いて訪れたのは中国の南西部・貴州省に暮らす少数民族、トン族。トン族はアボリジニと同じように独自の文字を持たないが、自給自足の農耕生活を営みながら、歌で民族の歴史や独自のラブソングを2000年以上に渡って歌い継いできた。

 2月に福山はトン族の結婚式を訪れ、あるカップルと出会う。2人はずっと歌で互い気持ちを伝えあいながら、愛を育んできたことを知った福山は、生活のさまざまな場面に深く関わるトン族の歌の世界を体験する。そして撮影最終日である“祭り”の日に、村中から300人が集まり福山のためにトン族の合唱、「トン族大歌」の大合唱が行われた。福山はギター1本で自らの歌とトン族とのコラボレーションを試み、福山の音楽と2000年以上の歴史を誇る「トン族大歌」による奇跡の共演が実現した。

 第2回は2016年夏に放送予定。リオデジャネイロでのオリンピック、パラリンピックを前にブラジル音楽のルーツに迫る内容を予定している。

■番組情報

▽SONGS スペシャル
「福山雅治 SONGLINE ~歌い継ぐ者たち~」 第1回 人はなぜ歌うのか?
<放送予定>3月25日(金) 夜10時~10時59分 NHK総合

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