グルーヴィーなグドモのステージ

グッドモーニングアメリカ金廣真悟(撮影・新保勇樹)

グッドモーニングアメリカ金廣真悟(撮影・新保勇樹)

 続いては、昨年自身初の日本武道館単独公演を成功させノリにノっているグッドモーニングアメリカ。まず、ベースのたなしんがDAIGOのコスプレで登場。DAIGO語で「今の気持ちUHR、歌広場リスペクト!」と語ると金髪をスプレーで頭頂部を黒くするパフォーマンスで会場を沸かせた。そして、たなしんはDAIGOの結婚に「俺も芸能人と結婚してーなー、こんな俺GK、ゲスの極み」とオチをつけた。最後に「IMJD、今から盛り上がる準備はできてますか!」と叫びグドモのメンバーがステージに登場した。

 オープニングナンバーは「キャッチアンドリリース」でグドモのステージは幕を開けた。4つ打ちビートの楽曲にオーディエンスも体を揺らしながらこのグルーヴに身を委ねた。間髪入れずにアッパーチューン「ディスポップサバイバー」で追い討ちをかける。ワイルドなリズムセクションにテンションはうなぎ登り。心揺さぶるダイナミックな演奏に高揚感を煽っていった。

 ギターの渡邊幸一が「それにしても、ゴールデンボンバーのライブ観てたんだけど、想像を絶するというのはこういう時に使うんだなと思いました。金ちゃんどう思いました?」とボーカル金廣真悟に振ると「“キャン”動しました。ヘドバンがびっくりした」と金爆語録にオーディエンスから盛大な拍手が起こった。

 そして、金廣がたなしんに「なんか樽美酒君に負けてたよね。筋肉ももう…あと脱ぎ具合とかもさ」と語ると、たなしんは「ええっ~!!」と嘆きの叫びを発し、「研二さんのこと、たなしんもすごいリスペクトしていて大好きなんです。そんな研二さんに逆リスペクトしてもらえてお礼を言います。ありがとうございました!!」とアメリカ国旗がプリントされたパンツを脱ぐと、樽美酒と同じTバックでお尻丸出しのたなしん。フロアから大歓声が巻き起こった。お尻にはGBと書かれていてそれを見たメンバーが「ゴールデンボンバー?」と聴くと、たなしんは「違います、ゲイバーです」と答え大歓声が巻き起こった。

 MCに続き「コピペ」を披露。“コピペパピプペポ”とコール&レスポンスで会場を一つにしていく。キャッチーなメロディと詞が心地よいナンバー。“パピプペポ”という発音が楽曲のポップさを際立たせていた。立て続けに「拝啓、ツラツストラ」を演奏。金廣の芯が通った抜けの良い歌声がZeppに響き渡り、オーディエンスの掲げた腕がフロアを埋め尽くした。金爆の時もそうだが、振り上げた腕が別の生き物に観えるほど圧巻の風景。

実体験を歌詞にしたラブソング

グッドモーニングアメリカ・たなしん(撮影・新保勇樹)

グッドモーニングアメリカ・たなしん(撮影・新保勇樹)

 再びMCコーナーでは、詞について金廣が語った。「今日ゴールデンボンバーと共演するっていうことでいくつか曲を予習してきました。沢山シチュエーションがある中で恋愛の曲が多くてすごいなと思って、自分は実話じゃないと出会いの曲は書けないなと思って、キリショー君のは実話なのか妄想なのかは全然わからないんだけど、きっと両方なんだろうな。次の曲は実体験からのラブソングをやろうと思ってます。誰かを好きになってしまうと猪突猛進というか周りが見えなくなってしまうんだけど、その時のドキドキ感だったりとか恋によって世界が変わってしまうような気持ちを歌った曲です」と語り「あなたの傍に猛ダッシュで」を披露。

 イントロのディレイを効かせたギターフレーズが降り注ぐ。ステージ後方から後光のように射す照明が神秘的な空間を演出。実体験からくるリアリティに妙な説得力を感じてしまう1曲に聴き入ってしまった。ここでガラッと雰囲気を変えてミディアムナンバー「餞の詩」へ。オーディエンスも楽曲に静かに耳を傾けているようだった。ギターのアルペジオに導かれドラムのカウントから「未来へのスパイラル」へ。たなしんの叫びにも似たコールで盛り上げていく。終盤のファンの大合唱も美しく響き渡った。

 「ジャンルの壁を越えて、ゴールデンボンバーと対バン出来て本当に嬉しいです。ポスターでも戦隊もののヒーローになれてこんな機会は滅多にないと思う」と喜びを語る金廣。さらに「普段生活していると自分自身の身の回りのことに凝り固まってしまって、自分で作ったカテゴリーの外に出るということをしなくなっちゃいがち。でも今日みたいにそういう怖さとか偏見だとか壁を越えていけば、より楽しくてもっとすばらしい世界だったり出会いだったりあるんだなと思い知りました。今日みたいに壁を越えて成長していこうと思ってるんで応援よろしくお願いします」とこのイベントで得た成果と決意を語った。

 MCに続いてシンコペーションが気持ち良い「イチ、ニッ、サンでジャンプ」を披露。そしてZeppの天井に吊るされたミラーボールが輝き出し、ラストナンバーに「STAY WITH ME」を演奏。金廣がギターを置きハンドマイクで飛び跳ねながらオーディエンスを煽り盛り上げた。訪れたファンたちに感謝を込めて長く深いお辞儀をするグドモ。武道館を経てさらに成長した彼らのステージは終了した。

2バンド夢の共演、互いの曲でコラボ

コラボするたなしんと樽美酒(撮影・新保勇樹)

コラボするたなしんと樽美酒(撮影・新保勇樹)

 アンコールを求める手拍子に、再びステージに戻ってきた両バンドのメンバー。樽美酒はたなしんのコスプレのままで登場し、追加でお尻にGAのイニシャルが書かれていた。そして、イベント恒例のステージからの写真撮影へ移ろうとしたところ、たなしんが「ちょっと待った~写真撮影ちょっと早くねえか」と撮影に待ったをかけた。「せっかく2バンドいるんだったら、グッドモーニングアメリカの曲を(金爆と)一緒に歌いた~い」と叫びコラボが実現。グドモの定番曲「空ばかり見ていた」を披露。ステージ上で8人が入り乱れお祭り状態に。

 そして、演奏が終了しライブが終わろうとしたところ樽美酒が「グドモさんの曲だけやって、ウチの曲やんないですか?不公平でしょ!」と緊縛の「元カレ殺ス」をグドモの生演奏で実現することに。さらにたなしんが「どうしてもやりたいことがある。喜矢武さんがいつもやってるスイカの早食い勝負したいっす」と挑戦状を叩きつけた。懇願するたなしんに承諾する喜矢武。「元カレ殺ス」の間奏で行なわれたスイカの早食い競争は、たなしんのフライングもあったが喜矢武の勝利。栄光を称えるかのように抱き合うたなしんと喜矢武に大歓声が起こった。両曲とも2バンドのコラボでさらにパワフルでエネルギッシュな楽曲に昇華し、この日、最大の盛り上がりを魅せ『FISTBUMP vol.2』の幕を閉じた。

 最後に樽美酒が一人ステージに残り、お尻に書かれたGAの意味をここで明かした。「頑張ろうぜ明日からも」とメッセージを残し、ジャンルを超えた共演は大成功を収めた。次回はVol.3はどのようなバンドの共演が観られるのか引き続きこのイベントに期待したい。(取材・村上順一)

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