[海外事情]米歌手のJoanna Newsom(ジョアンナ・ニューソン)が、音楽配信市場に苦言を呈した。ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで語ったもの。

 彼女は、米ストリーミングサービス大手企業をはじめとする定額制音楽スクリーミングサービスのシステムを強く批判。「あれ(某提供会社)は、皮肉でミュージシャン嫌いなシステムだわ。音楽業界のバナナだわ。誰だって何か間違っているって気付くはずよ」と“毒”づいた。

 ニューソンの楽曲はデンマークのフリーミュージック、ラジオサイト、Pandora(パンドラ)以外にはストリーミングサービスに登録されていない。彼女は更に「(某提供会社)はメジャーレーベルの邪悪な秘密結社よ。彼らはアーティストを出し抜くことで儲けてるの」と語った。

 ニューソンは、ストリーミングサービスの収益システムをリスナーにも可視化できるようにするべきだと主張する。彼女の指摘する問題の根幹はストリーミングサービスのアーティストへの報酬の低さにあるようだ。

 「レーベルは広告料と定期購入料で収益を得るけど、彼らはそれをアーティストに支払う義務がない。こうして長い間レーベルがアーティストから搾取し続け、多くのアーティストが彼らとの契約の為にレーベルと闘う術もなく、抜け出すことができない。ほんと馬鹿らしい仕組みだわ」

 ニューソンは更に、某アーティストが運営する月額定額音楽ストリーミングサービスについても言及。「彼らのやり方はとても面白いわ、世界に開かれているし。彼らはただ(某提供会社)を悪魔に仕立て上げる話題を提供すると思うけど…彼らが成功するかどうか、よく観察していかないと」との考えも示した。

 厳しい声を続けた彼女だが、最後は「(某提供会社)が素晴らしいサービスだというのは分かるわ。ただ、誰も負けないで被害者が出ないやり方が見つかることを願うわ」と締めくくった。  【文・松尾模糊】

この記事の写真

ありません

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)