フレデリック“中毒性楽曲の量産工場”、新曲MV撮影現場を取材
INTERVIEW

フレデリック“中毒性楽曲の量産工場”、新曲MV撮影現場を取材


記者:木村武雄

撮影:

掲載:15年11月02日

読了時間:約5分

フレデリック“中毒性楽曲の量産工場”を取材[1]

肌で感じた前々作「オドループ」と前作「オワラセナイト」の違い

 フレデリックが新作アルバム『OTOTUNE』を11月25日に発売する。それに先駆けて、収録曲で新曲の「トウメイニンゲン」のミュージックビデオ(MV)をYouTube上に公開した。ミュージックヴォイスでは9月中旬に都内で行われたMV撮影現場を取材。「中毒性を生む楽曲」が代名詞にもなっている彼らの新曲の魅力と、前々作「オドループ」と前作「オワラセナイト」との違いを体感してきた。そこで感じたものは新たな輝きであった。(取材・木村陽仁)

撮影現場を覆う雲海

フレデリック“中毒性楽曲の量産工場”を取材[6]

 オレンジ、青、赤、黄のライトが床を照らす。それは、手すりを支える基礎台に交互に配置されていた。後ろには新宿のビル群。光は屋上を濡らす雨水に反射している。そして、メンバーは青一色の衣装。カメラモニターに映る被写体は、角度を変えてそびえ立つビル、そしてネオンの光を反射する雲海によって立体的に描かれていた。

 9月中旬の都内。時折、小雨がぱらつく天候だった。午後7時を過ぎた都心は、灰色の雲に覆われていた。撮影現場はビルの屋上だった。

 七色の光は揺らめきながら彼らを照らす。定点からの撮影。彼らの背面には首都高速が伸びている。左側は渋滞の本線。右側は出口に向かう車線。両線を行く車の後ろには同じテールランプが灯る。しかし、それぞれ車速が異なるため、赤色の残像は流動的だった。

 止まったり動いたり…明かりは様々な照度を放つ。モデルの女性は無表情。ネイルは青と白。髪を留めるヘアバンドは青。ビルの航空障害灯はそれぞれ不規則に灯る。フレームワークの外にはそうした街並みの一角があった。

中毒性を生むMV

フレデリック“中毒性楽曲の量産工場”を取材[11]

 フレデリックと言えば中毒性のある楽曲が代名詞になっている。それを強く印象付けたのは、メジャーデビュー間もなくして公開した楽曲「オドループ」だ。MV公開後4カ月で100万回の再生数を記録し、いまや600万回を超えている。

 ミュージックヴォイスではかつて、その次に発表された楽曲「オワラセナイト」の撮影現場にも取材したことがある。映像の視聴、そして肌身で感じた現場の空気感から、中毒性を生む要因は「リズムの視覚化にある」と結論付けた。

 軽快なリズムに、シンプルなサウンド構成、独特の声質を持ったボーカル、そして、脳裏に焼き付くメロディとサウンド。それらの要素を分かりやすく伝えるのがMVの役割である、と説いた。案の定、「オドループ」に次ぐ前記の「オワラセナイト」のMVも、再生数はバブルのように膨れ上がり、現在は170万回を超えているのである。

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事