左から安彦良和総監督、潘めぐみ、池田秀一、沢城みゆき、喜山茂雄、澤田かおり(撮影・小池直也)

[写真]池田明かす「シャア」はオーディションで勝ち取った

左から安彦良和総監督、潘めぐみ、池田秀一、沢城みゆき、喜山茂雄、澤田かおり(撮影・小池直也)

 映画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 赤の決意 哀しみのアルテイシア』のプレミア上映会が17日、東京・豊洲PITで行われ、声優陣のうち池田秀一(エドワウ・マス役)、潘めぐみ(セイラ・マス役)、喜山茂雄(ランバ・ラル役)、沢城みゆき(クラウレ・ハモン役)、そして、安彦良和総監督が登壇した。さらに終盤では澤田かおりが劇中歌を披露し、会場を盛り上げた。

■クラブエデンを再現

 この作品は『ファーストガンダム』と呼ばれる初代「機動戦士ガンダム」を補完する様な形で語られなかった登場人物の過去やエピソードを交えて描かれた漫画「THE ORIGIN」が原作。今回はシリーズの第二弾で、後にシャア・アズナブルとなるエドワウ・マスとその彼の妹であるセイラ・マス(アルテイシア)の若き日を描く。

 この日の会場は、往年のファンから、若いファンまで男女問わず多くの来場者で埋まっていた。ステージ上には劇中に登場する「クラブエデン」というバーを再現したセットが組まれていた。池田、潘、喜山、沢城の順で入場すると会場は興奮に包まれた。

 挨拶もそこそこに、本編の世界最速上映が行われる。その後のトークショーでは再び登壇した声優陣と安彦総監督が姿を現した。「ファーストガンダム」でキャラクターデザインなどを務めた“ガンダム生みの親”とも言われる安彦氏。「遠い豊洲まできていただいてありがとうございます。僕も遠かったです」とユーモア交じりに挨拶してから「皆さんの拍手を聞けて大変嬉しかったです」とコメント。

■オーディションで勝ち取ったシャア

 今や伝説となっている「ファーストガンダム」から既に36年。当時シャア・アズナブルを演じた池田を除けば、ほとんどが当時とは異なり2代目となる声優が起用されている。ランバ・ラル役の喜山も「二代目をやらせていただくというのは声優にはつらい仕事」と明かしそのプレッシャーを語っていた。

 作品と同じく36の年を重ねた池田も自らオーディションを受けてこの役に抜擢された事を明かすと会場が静まる。それに対して安彦は「声変わりの前のエドワード(後のシャア)の声ができるかなあと思っていた」と話した。池田はこのアフレコに1カ月の禁酒を望んで挑んだという。しかし、後日の酒を飲んでからの2テイク目がOKテイクとなったことを受けて「間違いなく一回目よりもよくなった。一杯飲んだのが良かったんじゃないですか?」とおどける安彦氏に笑いが起きる壇上。

 沢城はその貫禄の演技に「圧倒的な存在感ってこれかあ、という体感が凄まじかった」とその衝撃を表現した。

■澤田の劇中歌に安彦氏も太鼓判

 終盤には劇中、ステージに再現された「クラブエデン」でクラウレ・ハモンの歌声を演じたシンガーソングライターの澤田が劇中歌「By Your Side」を、1コーラスを英語、2コーラスを日本語の特別アレンジで披露。いつもの彼女とは違うジャジーなアレンジによる歌声に会場は魅了されていた。

 この曲に関して「女性の男性を守ってあげたいという気持ちを代弁できる歌にしたいなと思って作りました」と話した彼女に「イメージにぴったり」と安彦氏も太鼓判を押していた。

 そしてイベント最後に再び安彦氏が「ガンダムというのは本当に歴史物語だなと思います。奇跡的にそれぞれの人間模様が描かれていた。そこを描きたい」と力強く挨拶するとこの日一番の大きく、長い拍手が贈られ感動の幕引きとなった。

 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 赤の決意 哀しみのアルテイシア」は10月31日から全国15館でイベント上映、および有料配信が予定されている。その後の11月26日にBDとDVDが発売予定。  【取材・小池直也】

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[写真]池田明かす「シャア」はオーディションで勝ち取った

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