花電車やメスカリンなど懐かしのアナログ盤復刻へ
メスカリン・ドライヴの『Early Mescaline Drive 1985-1989』
アルケミーレコードとディスクユニオンが提携して、80年代~90年代にアルケミーレコードがリリースしていた花電車やメスカリン・ドライヴなど4アーティストの作品を「レコードの日」となる11月3日に180g重量盤2枚組、見開きジャケット仕様の『完全生産限定【愛蔵盤】』としてリリースすることがわかった。
アルケミーレコードは1984年創業で現存する日本国内のインディーズレーベルとしては最古参である。関西で活動するバンドを中心にリリースしてきたことや個性的な音楽アーティストを多数輩出してきたレーベルであったことから、インディーズ音楽史の中でも際だつ存在だった。その歴史をアーカイブし、アナログレコード盤として今年の「レコードの日」にリリースされる。
「レコードの日」とは、日本レコード協会(RIAJ)が「レコードは文化財」ということから、文化の日を記念日とし1957年に制定した。アナログ盤の需要はここ数年伸びていて、若者の間にもレコード愛用者が増えている。その要因の一つに、ジャケットの存在感やレコード盤に針を落とすひと手間が音楽を聴くという行為に特別感を与えているとして見直されていることがあげられる。音もCDやmp3とは趣きの違ったアナログサウンドが若者へ新鮮に響いているようだ。
花電車は今年の春に1stのリマスター盤と未発表ライブ音源2枚組のCDをリリースした。アルケミーレコードの全作品の中でも最もロックを感じさせるバンドだ。今回は1stに加えてさらなる未発表音源も収録した。
ここ数年、アルケミーレコードはメジャーレーベルのテイチクエンタテインメントとも提携し、the原爆オナニーズの名盤「Nuclear Cowboy」、メスカリン・ドライヴの「ディープ・モーニング・グロウ」を含む初期音源集、"サバート・ブレイズ"の全曲集をリイシューしてきた。今回はこの3作品をアナログ盤時代のままに復刻、当時のポスターやステッカー、ライナーを復刻したりしたアイテムもある。
また大阪のバンドがライブを行ってきた伝説的なライブハウス『エッグプラント』の入場チケットを復刻したカードにシリアル番号を掲載するというマニアックな仕様である。
自分の青春や様々な思いをこめて音楽をコレクションするのは、CDでもDVDでもかまわないが、やっぱりレコードで持つのが一番ふさわしい気がする。レコード盤の繊細さが、若き日の感性とリンクし、音楽が音楽以上の存在になるのだと思う。