Dinosaur Pile-Upの魅力とは、全てを喰らいつくす迫力
Dinosaur Pile-Up(ダイナソー・パイル・アップ)
ヘヴィーロック×オルタナティヴロック。この切り口で今最も勢いのあるバンドといえば彼らDinosaur Pile-Up(ダイナソー・パイル・アップ)だろう。
フロントマンMatt Bigland(Vo,Gt)率いるDinosaur Pile-Up(以下DPU)の重厚なサウンド。一筋縄ではいかないオルタナティヴなアプローチ。90年代のオルタナ、ヘヴィーロック、グランジの要素を網羅したそのDPUサウンドは、濃密な特性を持つ各キャラクターをスッキリとまとめてオリジナルとして仕上げるという「難題」をクリアしている。
そんなクールなバンドを世界は放っておかない(見た目も全員クール!)。祖国・UKに留まらず、これまで行ったヨーロッパツアー、USツアー、はたまたインドにまで繰り出し、圧倒的なダイナソーパワーを展開させてきたDPUは、世界から真っ当な評価を得てきた。
「そんな世界的に評価されているバンドが日本に何故来ない!」―。その心配はご無用だ。今年のサマソニにやってくる。去年のサマソニ2014出演に引き続き、DPUの地響きを伴うヘヴィーサウンドを今年のサマーソニック・MOUNTAIN STAGEで味わえる。
フロントMatt Biglandの才気
2007年結成のDinosaur Pile-Up。フロントマンのMatt Biglandは、ギターからベースにドラム、作詞作曲、サウンドデザインと全てのタスクをこなすいわゆる「マルチプレイヤー」だ。その彼の才気が反映した作品は英NME誌をはじめ、世界の各メディアから絶賛され注目を集めた。サマーソニック2014に出演、ジャパンツアーも敢行し、その名と確かな音楽性を日本中に轟かせた。
3ピース・ダイナソーサウンドの破壊力
フロントのMatt Biglandに加え、ドラムスのMike SheilsとベースのJim Cratchley、これまで敢行した数多のライブによって屈強に形成されたグルーヴ、ロックバンドならではのリアルタイム・インスピレーション。そのすべてが音となり楽曲となり、「DPU」サウンドとして展開される屈強な演奏は、パート一つ一つの音粒がギッシリと骨太、喰らいかかる様なボーカル、「恐竜」を名乗っているのは伊達では無い事がはっきりと窺える。これがライブとなったらどうであろう。その破壊力たるや、想像に容易くはない。クールなリフ、ヘヴィなドラム、ライブ感あるDPUグルーヴの大爆発。今夏来日公演への未曾有の期待感を禁じ得ない。
具体的に「どこがヘヴィか」だが、それはもうドラムスMike Sheils&ベースJim Cratchleyの地響きの様な「タメ」のグルーヴ。ここにクッキリした輪郭のギターサウンドが噛み付く様に絡み合う。この要素こそDPU特有の「90'sオルタナティヴロック+ヘヴィロック」をスッキリまとめ上げてポップに仕立てるというサウンドキャラクター。それは、彼ら恐竜的DNA直下をもってした(?)オリジナリティへの昇華がみられ、界隈のバンドの中でも頭ひとつ抜けた存在だ。
90年代のヘヴィロック、オルタナティヴロックを網羅
DPUが網羅している90年代のサウンド傾向、ヘヴィロック、オルタナティヴロック、グランジの背景。それらのサウンドキャラクターの強烈さは、それまでのロックのスタイルを進化させ、新たなロックの骨組みとして世界中に拡散された。肉食恐竜系ロックバンドDinosaur Pile-Upはその全てを喰らいつくし、自らの骨とし血として肉として、音とし猛り咆哮する大迫力のダイナソーサウンドを確立させる。
今後も進化を重ねるであろう、絶滅という言葉は無縁の恐竜バンド「Dinosaur Pile-Up」の来日ステージは、サマーソニック2015年8月15日・幕張メッセMOUNTAIN STAGE。DPUのヘヴィなサウンド、ド迫力のパフォーマンス。彼らの魅力に踏みつぶされるのを覚悟の上で臨みたいステージだ。 【文・平吉賢治】