サカナクション・草刈愛美、ベースを始めたきっかけは“バスリコーダー”「低音のエネルギーに衝撃」
『FENDER EXPERIENCE 2025』
サカナクション・草刈愛美
サカナクションのベーシストの草刈愛美が11日、都内で開催された『FENDER EXPERIENCE 2025』に出演。演奏に込める思い、自身が愛用するベースの紹介など「スペシャルトークセッション」を行った。
【写真】サカナクション・草刈愛美『FENDER EXPERIENCE 2025』トークセッションの模様
10月11日から13日にかけて、東京・原宿および表参道エリアの3会場(Fender Flagship Tokyo、ラフォーレミュージアム原宿、スペース・オー 表参道ヒルズ)で、フェンダーミュージック株式会社主催の体験型イベント「FENDER EXPERIENCE 2025」が開催中。2019年の『Fender Custom Shop Experience』を土台に規模を大きく拡張した本イベントは、フェンダーブランド全体の世界観を体感できる3日間となる。
期間中、様々なアーティストによるステージコンテンツが展開される中、サカナクションのベーシスト、草刈愛美が登壇し、自身の音楽遍歴と楽器に対する深いこだわりを語るスペシャルトークセッションを開催した。
会場となったラフォーレミュージアム原宿には、多くのファンが詰めかけ、熱気に包まれた。ステージに登場した草刈は、「フェンダーは憧れのブランド」だと語り、バンドのベーシストが単独でイベントに立てることへの感謝と光栄さを表明した。
草刈はまず、自身の音楽的ルーツについて言及。幼少期はクラシック音楽に興味を持ち、ピアノ教室に通い、バレエを習う中で、カセットテープにクラシックのレコードを録音し、自分でミックステープを作る遊びをしていたという。特に転機となったのが中学2年生の時。学校の授業でバスリコーダーを吹く機会があり、低音のエネルギーの大きさに衝撃を受け、「低い音、かっこいい」という気づきを得た。その後、曲作りを始めた際、ドラムとベースで悩んだが、作曲もするので音程のあるベースを選択。当初はギターの4つの弦だけを使って、ベースのふりをしていたというエピソードも披露した。
本セッションのハイライトの一つは、「Guitar Studies」と題された、草刈が持ち込んだ歴代の愛機の弾き比べを行った。草刈は、ベース自体を変えて音色を変えることを「すごい好き」だと語り、楽曲の世界観に合わせて細かく楽器を選択している。「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」、「多分、風。」、「怪獣」などのオケをバックにベースプレイを披露し魅了した。
さらにこの日、世界初公開されたばかりの新型モデル「American Professional Classic Precision Bass(R)」がステージに登場。事前に試奏の機会があったという草刈は、その感想を熱弁した。新しいベースにもかかわらず、「音が早い」と感じたと表現。これは、レスポンスがよく、音の立ち上がりが早い(ハイレスポンス)という印象を意味し、「お腹にぐっと来るような音が出る」と、新しい楽器でありながら力強い鳴りを持っている点を高く評価した。
草刈は、楽曲におけるベースの役割についても深く掘り下げた。彼女は、偉大なベーシストたちから影響を受けているとし、自身の演奏哲学を披露した。
演奏している瞬間ではなく、自分が出している音をちゃんと聞きながらプレイすることを重視(ヴィクター・ウッテンからの影響)。
ベースは曲の一番低音を支えていることから、ベースが変わると和音全体が変わってしまうため、自分が「曲の中の権威になる」という認識を持つこと(ブラーのアレックス・ジェームズからの影響)。
ベースはサポート楽器であり、みんなを支えるリズムであるということの意識(Vulfpeckのジョー・ダート&Red Hot Chili Peppersのフリーからの影響)とベースを演奏するにあたり大切にしていることを語った。
特に注目されたのは、演奏中にトーンノブ(音の明暗をコントロールするつまみ)を頻繁に調整するというこだわりだ。これは、他の楽器との混ざり方や、楽曲の雰囲気に応じて、音の明るさやスピードをリアルタイムでコントロールするためと明かしてくれた。
初めての単独イベントを終えた草刈は「本当に光栄だし、皆さんに感謝してます」と述べ、盛況のうちにトークセッションは幕を閉じた。
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