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知らなくても行けば何かが見つかる
――ベーシックなポイントですが、意外に軽視されがちなものでもありますね。今年行われるというところで、面白いポイントはありますか?
若旦那 もちろんあります、結構ね。淡路に関しては「フリーダムファーム」というのをやっています。俺とお客さんと一緒に淡路島に行って、畑の収穫仕事をしたり、東北ではお子さんのサマーキャンプで『FREEDOM』を体験してもらったり。宮崎ではみんなでビーチクリーニングをしたりね。そんな環境を考えるような行動を音楽の活動以外にもしています。
――深い活動をされていますね。
若旦那 あとはキャスティングかな。安全地帯さんやさだまさしさんを呼んで、かたや10-FEETやサンボマスターなんかの常連と、新人バンドなんかと、幅広く呼んでいます。だから、行けばなにかある、と思って楽しみに来てもらえればと思っているんですよ。
――本当に幅が広いキャスティングですよね。
若旦那 世代もありますし、特にレゲエもそうですけど、サンボマスターや氣志團とか、同世代の仲間たちのつながりっていうのは、よくわからないけどなにか必ずあります。後輩たちも、デビュー前から『FREEDOM』を見ていて、ここに立ちたいと思っていた人もたくさんいる。去年出てくれた西野カナちゃんは「いつか『FREEDOM』に出たくて」「夢の一つだった」と思っていたと言ってもらえたんです。そんな風に、世代も超えているんです。
――年齢層の幅も広いですね。絆の強さもあり、年齢層が幅広いとか、非常に多彩なメンツでありますが、一方で最初に言われた「他流試合」という表現には、みんなが「ライバル」という思いもあるのでしょうかね?
若旦那 確かにそれもあります、ステージに上がったときには「誰にも負けたくない」という気持ちもありますしね。俺らが一番だ、って誰もが思っているし。でもステージを降りると、みんなでイベントを楽しんで、ライバルたちのステージを拍手喝采で楽しんでいる。みんなで声を出して応援して、逆に盛り上げようとして。そういういい意味での「ライバル関係」みたいなものがあります。
――なるほど、表現はなんですが「健全」な感じがしますね。最大のライバルはいますかね?(笑)
若旦那 いや~結構みんなっていう感じではありますね。もちろんMINMIと湘南乃風はお互い意識しているところでもあるし、負けたくないですけど(笑)。スタイルはそれぞれ違うけど、イベントの盛り上がりっていう部分ではね。だからこそ逆にさださんみたいな音楽は、また別の形でイベントの中では生きてきます。
――ある意味別格みたいな扱いですね。
若旦那 そうですね。もう歌がすごいんで。たとえば俺らが「これを出したいんだけど」って、カバー音源を作っても、みんなが「こんなもの誰が聴くのよ」って言われるような存在。そんな歌を歌っているのがさださんなんですよ。
――なるほど。全体的に昨年よりもグレードアップしたような感じでもあるんでしょうか?
若旦那 そうですね。「このイベントさえ来れば、他に何もなくても楽しかったな」って思ってもらえるような、そういうイベントを目指していますし。
「おもてなし」
――お話のなかで「日本」というワードが浮かび上がります。たとえばこのイベントに日本の良さや、日本文化を伝えていきたい、という気持ちは強いのでしょうか?
若旦那 そんな思いもあると思います。特にそういうよう思いをもともと意識して出してはいないけど、日本の夏祭り的な要素というかね。みんなでここに集まったときに命を考えたり、今生きているってどういうことなんだろう? 食べるってどういうことなんだろう? 夏ってどういうことなんだ? という、今生きている現時点のことを、音楽を通して感じ取ってもらったりしたいと思っていますし。音楽と自然と仲間、その3大要素に触れることによって、それを感じ取ってもらいたい。だからその「日本の良さを伝えよう」っていうわけではないんですけど、「日本の良さを理解しようとしている」かもしれません。フェスを通して。
――では、音楽を楽しむことを追究するという純粋な部分がある上で、たとえば淡路島にかつてあった震災のエピソードなどについては、実は他の要素として追加されたものという感じなのでしょうか。
若旦那 そうですね。もちろんその楽しむという上で、自然災害があった場所は、実は重要なんですけどね。自分たちは自然の中で覚醒していくと思っているけど、覚醒していくのは厳しさの中にあることが必要なんです。自然というものは厳しくてミステリアスで、変な話、無限の力を持っている。そういう両極端の中に入った中で、覚醒していくと思うので、そういう自然災害があった場所というのは特別なものだと思っています。生きる厳しさの中で今楽しんでいると思うだけで、一つ緊張が走りますしね。
――それも深い話ですね。少しイベントの話からそれますが、8月5日に若旦那さんはソロアルバム『WAKADANNA4』をリリースされますが、若干その話もお伺いできればと思います。
若旦那 楽曲自体は初期パンク、シンプルかつ単純で骨太に攻めていますね。制作陣がTHE BLUE HEARTSに当時関わっていたスタッフの方たちや、マーシーさん(真島昌利=THE BLUE HEARTSのギタリスト)と以前、THE BREAKERSというバンドでプレーされていた篠原太郎さんとかと一緒にプロダクトをやっていて、スタイルは完全にパンクですね。自分が初めて日本の音楽と出会って芽生えたきっかけというか。
――原点に回帰した感じなのでしょうか?
若旦那 まさしく。その中に今大事なメッセージっていうものが埋まっていて、今足りないなと思うものを、自分の詞の中に入れてみました。
――なるほど。そういう意味では、楽曲自体はパンクかもしれないけど、パンクというよりはそのころ聴かれたパンクの世界観を出したいというか。
若旦那 確かにオマージュをしてるかもしれませんね、80年のオマージュというか、ちょっとLINDBERGっぽかったり。
――なるほど。少し失礼かもしれませんが、ある程度年齢を重ねていくと、落ち着く方向に行くのかな?と思ったのですが(笑)
若旦那 いや~自分はどちらかというと中学生のクソガキになっちゃっていますから(笑)
――今音楽をやるのが楽しいということでしょうか?
若旦那 まさしく! 昔ほど「何枚売れた」とか、気にならなくなったし、変な話動員数だって少なければ少ないほど燃えちゃうし(笑)。本当に全部が純粋にやれているような気がするんです。余計な大人っぽい考えは持ってない。そこは賢くなりましたね。計算するところは計算して、不要なところは全く計算しない。『FREEDOM』の実行委員長をやっているときは、完全な計算でしかないんですけど、コンテンツを提供するときは、本当に純粋な気持ちでやっています。
――なるほど。それでは最後に、イベントに引っ掛けて読者の方へメッセージを一言いただければと思います。
若旦那 イベントで僕がやっているウェルカムライブっていうのを紹介させてください。みんな、会場に来るとゲートをくぐって、ライブステージ前の場所取りに走ると思うんですけど、僕はその彼らの後ろにある草むらの中で、ギターを持って「おいでやす!」みたいな感じでライブをやっているんです(笑)。そんな楽しさもありますので、是非楽しみにしておいでください。まあみんな必死だから、そんなことやっても止まってみてくれる人もあまりいないんだけど(笑)、そういうおもてなしもしていますので。 (おわり)
アーティスト情報(2日現在)
FREEDOM aozora 2015 東北
宮城県 国営みちのく杜の湖畔公園北地区 風の草原(宮城県川崎町)
▽2015年8月22日(土)
<出演者>
AK-69 / 加藤ミリヤ / KENTY GROSS / 湘南乃風 / スキマスイッチ /ハジ→ / HAN-KUN / The BK Sound / BES / MINMI / MONKEY MAJIK / RED SPIDER
オープニングアクト:ATTACK DEM SQUAD / SALU
FREEDOM aozora 2015 淡路島
兵庫県 国営明石海峡公園内芝生広場
▽2015年8月29日(土)・30日(日)
<両日出演者>
KENTY GROSS /湘南乃風 / HAN-KUN / The BK Sound / BES / MINMI / RED SPIDER
▽2015年8月29日(土)
<出演者>
安全地帯 /かりゆし58 / 氣志團 / ナオト・インティライミ
オープニングアクト:AKLO / ATTACK DEM SQUAD
▽2015年8月30日(日)
<出演者>
加藤ミリヤ / SCANDAL / 10-FEET / Beat Buddy Boi / Fear, and Loathing in Las Vegas / 吉本新喜劇(未知やすえ/烏川耕一/松浦真也/吉田裕) / ROTTENGRAFFTY
オープニングアクト:APOLLO / SALU
FREEDOM aozora 2015 九州
宮崎県 みやざき臨海公園 サンマリーナ宮崎 多目的広場
▽2015年9月5日(土)
<出演者>
家入レオ / KENTY GROSS / さだまさし / サンボマスター / 湘南乃風 / ナオト・インティライミ / HAN-KUN / The BK Sound / BES / MINMI / MONKEY MAJIK / RED SPIDER
オープニングアクト:AKLO / ATTACK DEM SQUAD
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