柳葉敏郎

 柳葉敏郎、本広克行監督、亀山千広プロデューサーが19日、都内で行われた『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』Blu-ray・DVD 発売記念イベント〜真夏の合同捜査会議〜に出席した。

 同作で12年ぶりに室井慎次を演じた柳葉敏郎。最初の数百メートルを歩くシーンでふと「どうやって歩くんだっけ?」と思ったそうで「ドアに映る自分の姿を見ながら確かめてやりましたが、だんだんと背中がつってくる。『ああ、この12年間どれだけ楽な格好で歩いていたんだろう。全身に力入れてやってたんだな』という事を感じました」

 重圧もあり、室井と対峙していた期間は、それとは真逆となる役は避けていたという。12年ぶりに向き合うことにも難色を示していた。「ご存知だとは思いますが、やる気のなかった仕事でしたから。ただ、全て終わってみて、完成品として見てもらい、私の家族や大変お世話になった秋田の皆さんが、もう本当にみんな口を揃えて『やってくれてありがとう』というお言葉を頂いた時は、『ああ、やってよかったんだな』という思いですね」

 そうして向き合ってきた室井役だが「演じることは苦しくはないんですよ。室井をやる時は室井になれるというか、室井が下りてくるので。でもその室井をやっていない時、室井の存在が自分のなかで大きくあって、そのあたりは苦しみました」と吐露。

 そんな室井を「親友」と表現した柳葉。「彼の考え方ややり方に『それがいい』と思うこともあれば『それは違うだろう』と思うこともあったり、ある種反面教師的なね。だから、室井と知り合ってかなり柳葉の人生観の礎になったというか、僕は本当にそう思ってます」

 フォトセッションでは、茶目っ気たっぷりにキュンポーズを見せた一方で、記者から「室井さんのポーズで」という要望に「無理!ごめんね!」と応えられず平謝り。そんな姿に亀山氏も「それは無理だと思います。室井のフォトセッションでこんなに笑ったことはないですからね。もう完全に室井がどこかに消えているということですね」と、室井を完全に生ききった柳葉から「室井慎次」はいなくなったとの趣旨を語った。

 改めて柳葉は「『踊る』の大ファンとして言いたいと思います。まあ室井はいなくなりましたけど、『踊る』シリーズは永久に不滅です」

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