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『第66回輝く!日本レコード大賞』で新人賞を受賞した演歌歌手の小山雄大。受賞したデビュー曲「道南恋しや」は演歌界では異例のYouTube再生数100万回を突破している。「全国民の孫」というキャッチフレーズが物語るように22歳には見えない愛嬌のあるベビーフェイスが印象的だが、その歌声は哀愁と実直さ、そして力強さがある。2歳から演歌に魅了され、演歌歌手を目指すのは必然的な流れとも語る小山。支えてきたのは他ならぬ女手一つで育ててきた母親だ。「多くの愛情を頂きました。恩返しをしたいです」。今回発売した新曲は「じゃがいもの花」にはそのような思いが込められている。【取材・木村武雄】
−−どのような幼少期でしたか?
とにかく歌うことが大好きな子供でした。2歳の頃から演歌にハマって、その頃から「きよしのズンドコ節」を歌ってたんですけども、朝から晩まで演歌を歌っているような子供でした。
−−親や祖父母の影響?
親や祖父母の影響ではなくて自らテレビで演歌を聴いて好きになって歌っていました。僕自身、小さい頃から和テイストのものが大好きだったんです。例えば和太鼓や三味線とか。お祭りとかで太鼓が鳴っていますが、小さいお子さんだと音が大きくて泣いちゃう子もいると思うんです。でも僕は1列目に行って食い入るように見ていました。演歌が好きになるのも自然な流れなのかと思います。
−−演歌歌手になると決めたのは?
物心ついた頃から「自分は演歌歌手になるんだ」と思っていまして4歳の時から民謡を始めているんですけど、民謡教室に初めて行った時にはもう民謡の先生に「僕は演歌歌手になりたいんです」と言っていたようなんです。それぐらい小さい頃から演歌歌手を夢見ていました。本格的に目指そうと思ったのは中学1年生の時に出場した「NHKのど自慢」のチャンピオン大会です。そこでグランドチャンピオンをいただきましてそれがきっかけで今の師匠であります作曲家の弦哲也先生にお会いして、弦先生から演歌の歌い方を教えていただいたことがターニングポイントになっています。
−−その「のど自慢」で印象的だったことは?
地方予選のゲストが氷川きよしさんだったんです。氷川さんから「よかったね、優勝おめでとう」と言ってくださったことがすごく印象に残っていて、すごく嬉しかったです。
−−弦さんに従事されて、印象的だった言葉とかはありますか?
初めてお会いしたのが中学1年生の冬だったんですけども、ある方を介して初めてお会いしました。弦先生にお会いすると聞いた時は本当にびっくりしました。弦先生は優しく演歌のイロハを教えてくださいました。なかでも胸に刺さった言葉が「こぶしは演歌の味付けだから」ということでした。「こぶしというのは入れすぎても良くない。抜きすぎても良くない。料理に関しても一緒でしょ。お肉に塩・コショウをたくさん振っても味が濃くて美味しくならないし、振らなくても美味しくない。いい塩梅でかけるからお肉の味が引き立つのであって歌も同じだよ。いい塩梅でこぶしを入れるから歌詞の意味が引き立つんだよ」と。僕がそれまで習っていた民謡はどちらかと言うとこぶしを入れる作業なんですけども演歌は引き算と言いますか、いいところでこぶしを入れることを教えていただきました。それがすごく胸に残っています。
−−その出会いを通してキングレコード、そして、現事務所のミイガンプロダクションに所属となりました。
弦先生がキングレコード、そしてミイガンプロダクションを紹介してくださったんですけども、事務所の社長で歌手の松前ひろ子先生にお会いして、お食事をさせていただきました。当初はオーディションという形だったんですけど、一発目からオーディションだと緊張して声も出ないだろうからということで松前先生が食事会を開いてくださって、そこでたくさん色々なお話をさせていたきました。その2、3日後にオーディションがあって無事合格させていただきました。
−−事務所の先輩には三山ひろしさんもいます。
デビュー前は三山先輩のステージすべてに同行させていただいて、ステージの袖からいつも勉強していました。三山先輩のステージの中で1曲歌い舞台経験というものも踏ませていただいて本当に嬉しかったです。袖から先輩のステージでのマナーやお客様に対しての感謝の気持ち、ファンサービスの仕方とかもたくさん学びました。
−−そして「道南恋しや」で念願のデビューを果たしました。
昨年の4月10日に念願のデビューをさせていただいて本当に嬉しかったです。その年は北は北海道から南は鹿児島の方まで全100カ所でキャンペーンやイベントをさせていただいて本当に皆様の応援のおかげで年末には大きい舞台、日本レコード大賞で新人賞をいただきました。僕はあまり緊張するタイプではないんですが、当日は緊張しまして。直前のステージ袖で息もできないぐらい緊張をしてマネージャーさんと握手を交わして「行ってきます」と。1年間の感謝の気持ちを込めてデビュー曲「道南恋しや」を歌わせていただきました。
−−「全国の孫」というキャッチフレーズがついていますね。確かに童顔に見えます。
あまり22歳に見られないんですよ(笑)先日もキャンペーンで「22歳です」と言いましたら「え〜」という声が皆様から上がるんですね。「何歳に見えます?」と聞きましたら「9歳に見える」と返されまして(笑)自分自身は年相応の22歳に見られたいんですけど…(笑)今後成長していきたいなと思っています。でも「かわいいね」というお声もいただくことはありますし、すごく嬉しいです。
−−そして「じゃがいもの花」がリリースされました。どのような思いを込めて歌っていますか?
この作品のテーマが母への恩返しなんです。じゃがいもの花の花言葉が歌詞に入っていまして、1番に「思いやり」、2番に「深情け」 、3番には「恩返し」。じゃがいもの花にこんなにも素晴らしい花言葉があることを歌詞を見て知りました。自分自身は小さい時から母子家庭で育って母が女手一つで育ててくれました。母には小さい頃からたくさん苦労や心配もかけたと思うんです。4歳から習い事も習わせてくれましたし、お金も時間も全てを自分にかけてくれたと思うんです。なので小山雄大としてこれからたくさん親孝行やこの楽曲の歌詞にもあります通り「恩返ししたい」と思って歌っています。もちろん母だけでなく応援してくださる全国の皆様にも恩返しをしていけるように、そして、大きい晴れ舞台を見せられるように、この「じゃがいもの花」で頑張っていきたいです。
−−演歌歌手の道に進んでいくと決断された時、お母様は喜ばれていましたか?
母はいつも笑顔で明るく、母は苦労しているんですけれども、苦労している姿を息子の僕にはあまり見せないんです。小さい時から一番応援してくれていたのが母親だったので。デビューすることが決まった時、松前ひろ子先生からのLINEで知ったんです。そのLINEを見て松前先生に「ありがとうございます」と返信してそのまますぐ母親に電話して「デビューが決まったよ」と伝えたら「あぁ良かったね。これまで諦めないで頑張ってきてよかったね」というふうに声をかけてもらいました。大変だったろうなと思うんです。なので恩返ししたいです。
−−夢を叶え続けていますが、今の夢は?
1年目は皆様の応援のおかげで新人賞をいただいたので、大切と言われる2年目は「じゃがいもの花」と共に昨年以上に頑張りたいです。それと自分の単独コンサートができるように頑張りたいです。
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