INTERVIEW

倉科カナ×さとうほなみ

初共演で感じた互いの印象を語る:ドラマ『情事と事情』


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:25年03月19日

読了時間:約7分

 倉科カナとさとうほなみが、動画配信サービスLeminoオリジナルドラマ『情事と事情』(配信中)に出演。倉科は本作の主人公、結城愛里紗と双子の妹、英里華の2役を、さとうは愛里紗の友人でフリーライターの中条彩江子を演じる。本作は小手鞠るい氏による同名小説を原作に、7名の男女がそれぞれ抱える事情が複雑に絡まり合い、やがて意外なつながりを見せていく恋愛群像劇。インタビューでは、お互いの印象から、本作のみどころについて話を聞いた。(取材・撮影=村上順一)

 【写真】倉科カナ×さとうほなみアザーカット

倉科カナは高嶺の花!?

倉科カナ×さとうほなみ

――お二人は初共演とのことですが、撮影を行なっていく中でお互いの印象は変わりましたか。

倉科カナ 最初のイメージから大きな変化はなくて、ほなみちゃんはずっとそのままでした。本当に気さくで誰とでも垣根なく接してくれる。芝居への集中力もすごくて、私の方が少し歳上なのですが、すごく頼もしいなと思って見ていました。

さとうほなみ 私のイメージでは、高嶺の花といった感じがありました。

倉科カナ 出た! 高嶺の花(笑)。

さとうほなみ よく言われるでしょ?

倉科カナ さっきの取材でもその話が出たの。高嶺の花すぎて、誰もそこまで登って来ようとしないから、そのまま枯れちゃうって…。自分ではなぜそう思われているのかわからないけど、そのイメージは変わった?

さとうほなみ そのイメージは変わりました。今はキレイな花が近くに咲いているといった感じです(笑)。それこそカナさんの方が気さくだし、柔らかいし、とにかく可愛いなって。

倉科カナ 嬉しい!

さとうほなみ 最初は高嶺の花みたいだったけど、一緒にいてだんだん心地良い人だなと思いました。カナさんの演じる愛里紗がまさに高嶺の花みたいだったし、役に入ってしまうと触れられないんですけど(笑)。役から離れてカナさんに戻ると「あっ、触れられる!」みたいな。

――ちなみにお二人は、初めてお会いする人のどんなところを見てしまいますか。

さとうほなみ その人の目を見てしまいます。私は人見知りなんですけど、“果敢な人見知り”なんです。

――それ、人見知りなんですか(笑)。

さとうほなみ 人見知りです(笑)。私は相手の目を見るので、ちゃんと目を見て話してくれる人だとありがたいなと思います。

倉科カナ 私は全体の雰囲気かなあ? たとえば洋服もそうですし、そういうところでその人を表していたりすると思っていて。また、私は割と人を見る目は間違っていないと思っていて、ファーストインプレッションは大体合っています。なので、ほなみちゃんは人見知りというのも若干感じ取っていました。

さとうほなみ あっ、バレてた(笑)。

――果敢かどうかは置いておいて。

倉科カナ けっこうグイグイ攻めてくるので果敢な部分もありました(笑)。あと、私の中で挨拶もすごく重要です。そこでも印象はけっこう変わるといいますか、やっぱり元気よく「おはようございます!」と挨拶しているのを見ると、すごくいいなと思います。

美しすぎるものに惹かれない

倉科カナ×さとうほなみ

――さて、本作は不倫などドロドロとした部分が印象的な作品ですが、お二人が本作に出演を決めた決め手はどんなところでしたか。

倉科カナ 私はあまりにも美しすぎるものよりも本作に登場する人物のように、不器用だったり、美しさがかえって恐ろしく感じられたりとか、人間味があるほうが好きなんです。まさに『情事と事情』はそういう作品で、大人の情事と事情が絡み合って、業と欲が渦巻いているところが美しく感じてしまって、この作品に出演したいと思いました。

さとうほなみ 限られた世界、人数の中で絡まり合っていく、そしてつながり合っていくのですが、そのつながりの中に人間味がすごく溢れているところが、作品の展開の仕方としてとても面白いなと思いました。井樫彩監督とは、本作で初めてご一緒させていただいたのですが、以前からとても気になっていた監督だったので、ぜひ出演してみたいというのも決め手となりました。

――お二人が思う本作での“隠れた見どころ”はありますか。

倉科カナ それこそ私が演じる愛里紗の心情はとても隠されていて、探ってほしい見どころとなっていると思います(笑)。

さとうほなみ 確かに!

――1話の冒頭のシーンで愛里紗の「気持ち悪い」というセリフから、ミステリアスな印象を受けました。

倉科カナ あれはてんとう虫が茎から上がってきて、頑張っている姿を見てのセリフなのですが、心情を表情にもださないですし、他人と感覚がズレているので、観てくださる方それぞれが感じたもので楽しんでいただけたら嬉しいです。

さとうほなみ “隠れた”というのに当てはまるかはわかりませんが、愛里紗と彩江子の関係性は面白いなと思いました。よくよく完成したドラマを観てみると、愛里紗と彩江子が一緒に登場するシーンってそんなに多くはなかったんです。

倉科カナ 意外と少なかったよね。

さとうほなみ でも、話の中には二人のことがよく出てきたり、誰かを介して関係性が見えてくるのですが、その度になぜこの二人は仲が良いのか不思議に思えてきて。

倉科カナ 本当にそう!

――愛里紗と彩江子、性格面では合わなさそうですよね。

さとうほなみ でも、彩江子としては愛里紗が心の拠り所になっていたり、愛里紗も彩江子に対して憎いけど憎めない、みたいなところがあるのかなと思いました。色々想像ができて、その関係性に注目して観てもらえるときっと面白いんじゃないかと思います。

――登場人物それぞれが持っている「裏の感情」みたいなものに注目していくと、もっとドラマの解像度が高まりそうですね! さて、本作で真飛聖さんが演じる水無月流奈が悩んでいる彩江子に”自分の中のルールを一つ破ってみるといい“と言ったアドバイスをする場面がありますが、お二人はご自身の中にルールみたいなものはありますか。

倉科カナ 親しき仲にも礼儀ありというのは、私の中で意識していることの一つです。

――そう思うようになったきっかけは?

倉科カナ 以前、妹が私の家に勝手に入っていたんです。それがちょっと嫌だなと思って(笑)。妹は「家に行くことは伝えたよ」って言うんですけど、私は「聞いてないよ!」ってなって。その時にやっぱり「親しき仲にも礼儀あり」だなと思ったのがきっかけでした。家族であろうとお互いへの思いやりは大切だなと思いました。そして、私はそういうのを大切にしているんだなと気づいて、意外と自分は体育会系なんだという発見もありました。

さとうほなみ ちゃんと言えばいいんだ?

倉科カナ うん。ちゃんと言ってくれれば大丈夫。

――さとうさんはいかがですか?

さとうほなみ ちょっと私もカナさんと似ているかも知れませんが、距離感です。それは自分もですし、ちゃんとしたいなと思っています。あれっ? ちょっと距離感がおかしいぞって思うこともあったりしたので、自分も気をつけたいなと思っています。

倉科カナ わかる! 嫌すぎるというわけではないけど、距離感が近すぎると心がだんだん離れていくみたいな。

――私も距離感に気をつけて生活していきたいと思います。

さとうほなみ 人間って本当に面倒くさい生き物なんです(笑)。

(おわり)

倉科カナ×さとうほなみ

【作品情報】

監督:井樫彩「復讐の未亡人」「隣の男はよく食べる」(TX)、映画「あの娘は知らない」(2022)
雨宮由依「グランマの憂鬱」(THK)、「口説き文句は決めている」(FOD)
脚本:的場友見「金魚妻」(Netflix)「復讐の未亡人」(TX)「やんごとなき一族」(CX)
キャスト:倉科カナ、さとうほなみ、佐藤寛太、森香澄、寺西拓人、金子ノブアキ、真飛聖
音楽:橘麻美 菅野みづき
主題歌:chilldspot「急降下ロマンス」
プロデュース:浅野澄美「復讐の未亡人」「隣の男はよく食べる」(TX)「金魚妻」(Netflix)
溝口道勇「こういうのがいい」(ABC)
制作:FCC
製作著作:NTTドコモ
配信尺:約30分/話
本数:全8話
番組公式サイト:https://lemino.docomo.ne.jp/ft/0000084/

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村上順一

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