北野武監督

 北野武監督の最新作となるAmazon Original 映画『Broken Rage』が14日から世界独占配信される。先日、都内で行われた会見で北野監督は、自身のキャリアに触れる場面があった。

 北野監督が「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作した実験的な要素もある映画。約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描く。

 会見では国内外の記者からの質問に答えた。「これまでのお笑いでのキャリアが映画監督としてどう生かされているか」という質問には「映画は総合芸であって、音楽や美術や歴史やあらゆる要素を含んでいるから映画は面白いと思う。小説で細かく書こうが、映像で一瞬見せたらすべて分かってしまうこともある。映画は総合芸術の中で、今はナンバーワンだと思っていますが、それに関われて仕事にできているのは非常に嬉しいことで、今考えればコメディアンとして舞台に立っていたことやいろんなものを経験していたことが、最終的に映画に繋がってくるなと。今、自分が楽しめる一番のエンターテインメントは映画だなと思います」と答えました。

 また、北野監督は「映画自体は無声映画から始まって、その前には8コマとかの時代があって、70ミリになったり、音響効果があったり、ネズミを放したり、映画がお客さんを楽しませるために努力したり無茶をやった時代があった。映画を撮っている時は我々もお客さんを楽しませることを意識していますし、見せ方もいろいろ考える。今までは劇場に足を運んでくれるお客さんを対象にしてばかりいましたが、これだけ発達した時代にエンターテインメントはどういう方法をとるのかなと、過渡期というか試されている時期なので、その渦中にいる我々はいろいろチャレンジしたいと思っています」と、映画監督としてこれからの“エンターテイメント”の可能性について熱く語った。

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