小室哲哉、定額制音楽で「音楽の原点に戻れる」
小室哲哉
定額制音楽配信アプリ「AWA」の新CM記者発表会が29日、都内で開かれ、音楽家の小室哲哉、大沢伸一、田中知之、☆Taku Takahashiがゲストとして出席。定額制音楽サービスが与える音楽業界への影響についてトークセッションを行った。
AWAは、エイベックスとサイバーエージェントが新会社「AWA」を通じて手掛ける定額制(サブスクリプション)の音楽配信アプリ。国内外23社のレーベルが参加し、15年末には500万曲が聴き放題となる。アプリはこれまでに100万ダウンロードを記録している。コンセプトは「好きな音楽との出会い、好きだった音楽との再会」。自由に楽曲をリスト化できるプレイリストは個人でも自由に作成ができ、その人の特性に合わせて楽曲を薦めるレコメンド機能も備える。
この日、ゲスト出演した小室はトークセッションで「買ってもらう事から聴いてもらう事へ変わる。売らなきゃ売らなきゃという所から、沢山の人に聴いてもらう事の原点に戻れる。聴いてもらう時に襟を正す感覚になれる、最初に作って聴いてもらおうという意識が変わってくる」と定額制音楽サービスが音楽シーンのあり方を変える可能性があると分析。更に「何年も前からあって欲しいと思って待っていました」とも語った。
また、大沢はユーザーの視点から「(音楽を職業としている僕でも)音楽を探すという行為に興味が若干薄れたりとか(あった)。インターネットの発展とともに、ある種便利になったけど、失ったものが大きいと思う。その失ったものを補う何かはAWAにあると思うので、今後どのように育てていくか、期待している。AWAの中でしか聴けないものなど特別な事も沢山出てくると思う」と期待を寄せた。
レコードを2万数千枚所有しているという田中は「(レコードを)所有する楽しみがあった。AWAは当初、所有するものを否定する立場なのかなと最初は思った。でも、自分で使ってみて、AWAの特徴であるプレイリストを作る行為は一般の方にも楽しめる、自分のプレイリストをつくるというのは、自分の音楽を所有する事と同じぐらいの音楽に対する愛情を感じられる。デジタルに変換されることで遠くなった音楽が再び身近になるのではないか」と語った。
一方の☆Takuは利用シーンにも今後変化がみられるとして、「今までは違った形で音楽というものを楽しんでいる(いける)ことが重要。ライブをやる前に曲をしっかり知ってもらえたり、リリースするよりも早めに先行で聴いてもらったり。パッケージが出る前に曲を知ってもらってから皆と一緒にライブを楽しんでいけると思う」と述べた。
トークセッション後にはIMALUがゲスト出演。自身も音楽活動をしている彼女はAWAの魅力を語った。なお、新CMは6月30日から放映される。 【取材・紀村了】


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