東京パフォーマンスドールに聞く「DREAMIN’」の重要性
INTERVIEW

東京パフォーマンスドールに聞く「DREAMIN’」の重要性


記者:木村武雄

撮影:写真»TPD「DREAMIN’」インタビュー[1]

掲載:15年06月10日

読了時間:約24分

TPDにとってシングルとは

――有難うございました。さて、結成当時から歌い続けてきた楽曲「DREAMIN’」が6月10日にシングルとして発売されます。音を聴いただけでも皆さんの軌跡が蘇ってくるような良い楽曲だと思います。これはファンの人たちと大事に作り上げてきた大切な楽曲と聞いています。そうしたなか、私が前回のステージで思ったのは、あのステージはあのステージで完結しているのかな、という印象です。極論を言うとライブとシングルは別物と感じたわけです。皆さんにとってライブ、そしてCDとはどういうものですか。

橘二葉

橘二葉

高嶋菜七 私達には「ダンスサミット」(ノンストップで歌とダンスを繰り広げるライブ)という、先代TPDから受け継いでいるものがあります。ダンスサミットは、演出にもこだわっていて、プロジェクションマッピングやレーザー光線を使いつつ、早着替えを披露したり、普通のライブにはないような工夫が施されていて、ある意味、作品のようなライブ。TPDのライブはファンの皆さんと一緒に作り上げている、という感じがあって。だから「一つになっている」と言われるようなライブにしたいなと思っています。ダンスサミットはノンストップで(パフォ―マンスを)続けていくのでファンの皆さんも私達と同じようにノンストップで体感し、同じ汗をかいていると思う。

――TPDイコールライブというイメージですが、ライブとCD、どちらも大切だと思いますが、あえて聞きます。どちらが大切ですか。これは意地悪な質問でしたね。私が初めて体感したのは冒頭の通り、13日のライブだったんです。ライブがTPDの全てなのかなと思ったほど、素敵なライブでした。あそこまで完璧なダンスがあって、更に10回にも及んだ早着替えやレーザー光線、プロジェクトマッピングなど。楽曲を聴かせるというよりかは歌だけでなく、全てを含めてTPDだなと思いました。逆にシングルから入った方は、ライブを見た時に度肝を抜かれる、驚くと思うんです。そのエンターテイメント性に。ライブ=TPDであれば、シングルは何の意味を持つのか。そこが知りたいんです。

小林晏夕 シングルにもライブ映像は付いていますので、そこで私達のライブは知って頂けると思います。シングルから私達を知って頂いた方にも、もっと深く私達の事を知ってもらうためにライブを見てもらいたいと思います。

櫻井紗季 CDがないと、やっぱり遠くの方に聴いてもらえないので。聴いてもらうためにはやっぱりCDが必要ですし、ライブをすぐに見に行ける距離にいない方もいらっしゃるので。入り口が違うだけで、結果は一緒だと思います。

上西星来 歌がないとライブもできないので。

――どちらも大切だということですね。

全員 はい。

――そうした中で、今回の曲はやっぱり特殊だと思うんです。ステージで歌い始めたのが2013年の夏。ファンと共に育ててきた楽曲で、シングルが先ではありませんね。

高嶋菜七 そうですね。

――既存のファンと育ててきた楽曲で、この楽曲はファンとの距離感を縮めた役割も果たしている。だけど、このシングルで初めて知るファンからすれば、それまでの絆は知らないわけで。そこの温度差に戸惑いもあるのかなと思いますが。

浜崎香帆 ないですね。新しく見に来て下さったファンの方にも、気軽に話しかけて下さいます。握手会であるファンの方が話してくれたことがあったんです。「最初の頃からのファンの方に話を聞いたよ」って。これってすごく嬉しい事なんです。

――古くからのファンや新しいファンの間で気軽に情報共有ができる環境にあるということですか。

浜崎香帆 そうだと思います。

ファンと育った「DREAMIN’」

――ライブで2時間半ノンストップでダンスパフォーマンスをしていて、その迫力は素晴らしいものがありました。そのステージに感動して。シングルはその延長線上にあって、ライブの様な感動は表現できないだろうなと思っていました。しかし、サンプルを聴いたら耳に残る楽曲で良かった。しかも、ライブの情景が浮かんできて。私はこの2年間をTPDを観ていないけど、それでも軌跡が伝わってくる。

全員 嬉しいですね。

――「DREAMIN’」について、ファンから言われて嬉しかったことはありますか。

高嶋菜七 言葉じゃなくても、ライブ中に涙流してくださっている方が結構いらして。私達の言葉が響いてるのかな、届いているのかなって思いましたね。歌っている時にステージ上から見えるファンの方々の表情でそれは伝わりました。

――パフォーマンス中に観客の表情は確認できますか。

全員 見えます、見えます。

高嶋菜七 めちゃめちゃ見えます。

神宮沙紀 後ろのほうまで見えますよ。

――あれだけ激しいダンスパフォーマンスをしているから見られないのではないかと思っていましたが。

高嶋菜七 見ていますよ。

――他のアイドルがファンを大事にする為に、ライブ中も良く目線を送ってるという話を聞いたことがあります。皆さんもそうですか。

脇あかり 目線を送るという形じゃなくて、自然と見ています。アイコンタクトみたいな会話とかもしていますね。

浜崎香帆 言葉によるコミュニケーションは出来なくても、パフォーマンスを通じて発信していますし、逆に私達もファンの方々が何を考えているのかを動きや表情で受け取っていますね。

神宮沙紀 ファンの方々が凄い笑顔だったら、私達もノッてきますし、その逆で、私達ももっとそういう気持ちにさせたいなと思います。

――飯田さんいかがですか。

飯田桜子 はい。そのとおりです。

全員 (笑)

――話を元に戻します。「DREAMIN’」についてファンの反応は。

橘二葉 握手会とかでも、「DREAMIN’」はいい歌だし、CD化して欲しいという要望は、ずっと聞いていたので。CDになって期待に応えられたかな、という気持ちがありますね。

――上西さんはどうですか。

上西星来 「DREAMIN’」のなかに、一緒に私達とやれる振りがあるんですよ。あの大きい会場でそれを皆さんがやってくれているのを見て「わー、すごいな」と感動しましたね。いつものリリースイベントでは、振り付け講座みたいな感じで、振り付けをレクチャーするんですけど、あの時のステージではもう、言わないでも皆さんがやって下さっていたので。会場にいた皆さんが参加出来ているのが嬉しくて。

――「DREAMIN’」は配信もされてなくて、ライブ映像も載せていないですよね。ファンの中で振り付けを教え合ったんですかね。

上西星来 私達のを見てその場でやってくれたんだと思います。

――脇さんはどうですか。

脇あかり ファースト(「BRAND NEW STORY」)とセカンド(「DREAM TRIGGER」)が結構スピードがある曲だったので、多分「DREAMIN’」から知ってくれたファンの皆さんには「こういう優しい曲がある」「振りとかも簡単なので一緒にやれる」と感じると思います。激しいパフォーマンスのなかでも比較的、ゆったりしている曲と言いますか、じっくりと細かくパフォーマンスを見られますし、私達も目線を送ることが出来る。そうしたなかで、ファーストやセカンドを聴いて「スピード感ある曲もやっているんだ」とギャップを感じてもらえたら嬉しいですね。

――「DREAMIN’」の事について話を伺いましたが、TPDの中で一番好きな楽曲は。

神宮沙紀 私はデビューシングルの「BRAND NEW STORY」です。キャッチーなメロディで、踊っていても楽しめるし、一番、TPDっぽい感じがすると私の中では思っています。一体感も生まれやすい。振り付けも、曲調もわたし好み。パフォーマンスしていて楽しいのでこれを選びました。

全員 もちろん好きです。「BRAND NEW STORY」はみんな好きですね。

浜崎香帆 私あります。Zeppツアーで「MY UNIVERSE」という曲を初めて披露したんですけど、これはもう、先代の曲でもなくて、新生TPDのZeepでの初めてのオリジナル曲だったんです。こういう曲調の曲をあまり披露した事なくて、ダンスも初めて振り付けしてくださった先生で。力強さが、歌詞にもメロディーにもダンスにも滲み出ているので、ファンの皆さんも盛り上がれるし、私たちもすごいテンションが高まる曲なので、好きです。

飯田桜子 私は「ダイヤモンドは傷つかない」が好きです。一番最初のお披露目の時からやってきた曲なので、やっぱりこの曲をやったときは、初心に戻れるというか、これからも大事にしようって思える曲です。

――なるほど。それぞれあるんですね。13日のステージで櫻井さんは「昔の自分と一緒に踊ってるような気がするって」と言われていましたが、どの曲でそう思いますか。

櫻井紗季 「DREAMIN’」を歌っている時に特にそう感じます。私も一つ挙げるとしたら「DREAMIN’」が好きですね。私の友達も言ってたんですけど、私達TPDの等身大の歌詞なので、表現も分かりやすいなって思って。だから私も、踊ってるときに9人を一番感じられるというか。皆でパフォーマンスしてるんだなっという事をすごく実感できて、自分自身が温かい気持ちになってパフォーマンスが出来る曲だなって思います。

浜崎香帆 「DREAMIN’」が一番メンバー同士でアイコンタクトが取れる曲なので。

櫻井紗季 なんか、懐かしくなる。上京した時の事を思い出して。まだ、東京に慣れていなかった時の自分を思い出して、その時の自分と一緒に届けてる気がします。

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写真»TPD「DREAMIN’」インタビュー[1]
写真»TPD「DREAMIN’」インタビュー[2]
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