篠原涼子たちが所属していた東京パフォーマンスドール(TPD)。その名を冠して誕生した新生TPDが2013年の結成以来続けてきた「1×0」シリーズを先月中旬に終えた。地方出身者が多く、青春期をTPDの活動に捧げている。東京での慣れない生活、練習が辛く泣いた日は数知れず。それでも仲間やファンの声援に支えられ乗り越えてきた。
「1×0」シリーズとして、そして3回にわたる全国ツアーの最終公演として5月13日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで開かれた公演では、アンコールを含め25曲をMC挟まずノンストップでパフォーマンス(ダンスサミット)。光に浮かび上がる彼女たちの影は、この2年間の物語を情景として映し出しているようだった。
そして、彼女達を支えてきた楽曲「DREAMIN’」が6月10日にシングルとして発売される。舞台「PLAY×LIVE『1×0』」やツアーで幾度となく披露してきた。自身の成長の記録がこの楽曲に反映されている。
光や映像、度肝を抜くダンスパフォーマンスを駆使して作り上げられるライブショウはまるでミュージカルのよう。この2年間をファーストステージと称するならば、13日のステージは今の彼女達の完成形と言っても良い。それを終えてから発売される「DREAMIN’」は何を意味するのか。彼女達に話を聞いた。
▽参加者 リーダー高嶋菜七(18)、上西星来(18)、櫻井紗季(18)、浜崎香帆(18)、脇あかり(17)、飯田桜子(17)、神宮沙紀(16)、小林晏夕(16)、橘二葉(16)。
それぞれのきっかけ、そして夢
――皆さんの事は当然存じ上げているわけですけれども、ただ、私が初めてTPDさんを体感したのは、5月13日のZepp DiverCity TOKYOでの『東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2015春~DANCE SUMMIT“Best of 1×0 FINAL”~』だったんですね。完璧なダンスに、レーザー光線、そして早着替えなど、MCを挟まずノンストップ25曲、ミュージカルを観ているようで、まさに圧巻でした。
全員 おお!
――それで大変興味を持ちまして、色々と調べてみると沢山ご苦労されていると。
全員 いやいや(笑)
高嶋菜七 全然です。
――本編が終了して皆さんがそれぞれ感謝の気持ちを話されていたなかで、浜崎香帆さんや橘二葉さん、リーダーの高嶋菜七さんは「練習が嫌いでした」と素直な気持ちを隠さずに語っておられました。
全員 (笑)
高嶋菜七 はい。言っていましたね(笑)
橘二葉 正直者というのでしょうか。それはありましたね(笑)
――あれだけのステージングを実現させているわけですから、相当練習を積まれたんだろうな、厳しかったんだろうな、と思うんです。やっぱり何かしらの夢があって、TPDのオーディションを受けられたんですよね。
櫻井紗季 実はTPDというオーディションではなくて、皆が参加した時は全く知らなかったんです。それに受かって初めて東京パフォーマンスドールになるって聞いたんです。
――TPDのオーディショではなかった。
全員 じゃないんです。
――そうなると目標も動機も皆さんそれぞれ違うんですね。では、どういう思いでオーディションに参加されたのか、一人ずつお願いします。
神宮沙紀 当時、グループに入りたくて受けたわけではありませんでした。歌の審査もありましたが、歌はあまり好きではありませんでした。家族でカラオケに行く時もあまり盛り上がる方ではないので。自分から率先して歌いたいというタイプでもなく。TPDは人前で歌うグループじゃないですか。なので、そういう面では自分でもびっくりしています。
――びっくりしてるんですか。
神宮沙紀 はい、びっくりしてます。
――となると、誰かの後押しがあってオーディションを受けられた。
神宮沙紀 そうですね。母の後押しがあり「じゃあ、ダメもとで受けてみようか、経験の一つとしてね」ということで受けました。
――でも実際はオーディションに受かったわけですよね。
神宮沙紀 はい。
――結成から2年。目標は出来ましたか。
神宮沙紀 先代TPDは、横浜アリーナなどでツアーをやっていたので、まずはそこに到達したいなというのがメンバー共通の思いです。なので、まずはそこを目指して今頑張っているところです。
――脇さんはいかがですか。
脇あかり はい。私は小さい頃からガールズグループに憧れていて、オーディションをいろいろ受けていました。
――今、その憧れていたガールズグループのメンバーになっています。
脇あかり 本当に嬉しいです。東京に行きたいという思いもあったので、それが一つ叶えられたかなと思っています。
――脇さんは大分県から上京されたんですよね。東京はどうですか。
脇あかり 人が多いし、電車の本数も多くて、なんかもう…ビックリしました。
――櫻井さんはいかがですか。
櫻井紗季 女優さんはなりたいと思っていたので。オーディションの応募内容が「芸能界に憧れている子」という大きな括りだったので、その先の夢を目指して受けました。入ったら夢に近づける何かのチャンスが得られるかなと思って。
――2年間でそのチャンスは巡ってきましたか。
櫻井紗季 TPDで活動をしてきて今、自分が抱いていた夢よりも、TPDとしての夢を先に叶えたいという気持ちが大きいです。
――上西さんは。
上西星来 元々歌もダンスもやった事がなくて、そういう面に関しては自信がなかったんです。小学生の頃から、ずっとモデルに憧れていたので、これを受けたらモデルとしての道が作れるんじゃないかなと思って受けました。
――上西さんは現在、モデル活動もされていますよね。
上西星来 少しずつですが、色々とやらせていただいています。
――夢に近づきましたか。
上西星来 そうですね。でも、まだ叶えてはいないです。
――モデル業で目指すところは。
上西星来 まずはビューティーページで「上西星来ちゃんだね」と言われるぐらいになりたいですね。表情や顔まわりのポーズとかを極めていきたいなと思っています。
――飯田さんは。
飯田桜子 小さい頃からテレビを見るのが好きでした。なかでもドラマが好きだったんですよ。なので、そのドラマの中で演じている女優さんのようになりたいと思ってこのオーディションに応募しました。
――今も女優志望ですか。
飯田桜子 最初はそう思っていました。でも今は皆の言うTPDの夢を叶えたいという気持ちが大きいです。
――憧れの女優さんはいますか。
飯田桜子 新垣結衣さんです。
――橘さんはいかがですか。
橘二葉 私は元々ダンスをやっていました。たまたまオーディションの広告を見たときに、ダンスや女優、歌なんでもOKみたいな感じで募集していたので「将来ダンスが出来るかな」と思って受けてみました。
――今まさにダンスをしていますね。
橘二葉 そうですね。
――きつい練習も楽しい。
橘二葉 たの…しい…う、は…はい。そうですね。楽しんで頑張っています。
――(笑)。では浜崎さん。
浜崎香帆 はい、浜崎です。私は昔から歌う事が好きで。最初はミュージカルやシンガーソングライターに憧れていて、でも、オーディションを受ける勇気はなかったんです。それがある日、なにか目覚めたんですよ。オーディション受けたいという気持ちが芽生えて。小学6年生くらいから受け続けたんですけど、ずっと落ちて。それで、中学3年生の夏に受験もあるし、最後のオーディションにしようと思って受けたのが、これで。もともと歌をやりたいという気持ちはあったので。
――落ち続けても諦めなかった。
浜崎香帆 そうですね。心のどこかで歌をやりたいという思いを持っていました。
――リーダーの高嶋さんは。
高嶋菜七 私も桜子ちゃんと一緒で、ドラマやバラエティに出たいと思っていました。なかでもバラエティが大好きなんですよ。そういう番組を見るのがすごい好きやったんです。オーディションは、夢を見つける為に受けました。
――夢を見つけるために。
高嶋菜七 はい。新しい事にチャレンジするために。
――夢を見つけるために…カッコイイ表現ですね。
高嶋菜七 本当ですか。
――夢は見つけられましたか。
高嶋菜七 そうですね。いろいろと。
――13日のステージでも、リーダーとして皆さんを引っ張っている姿がありました。皆さんから見て頼りがいのあるリーダーですか。
全員 そうですね…。
高嶋菜七 ないみたいです(笑)
浜崎香帆 いやいや。ありますあります(笑)
小林晏夕 ありますよ(笑)
――小林さんはいかがですか。
小林晏夕 私も小さい頃から、女優さんやモデルさん、歌手で舞台に出るのが夢で、人に憧れられる存在になりたいと思っていて。表現したりする事も好きだったので。それと3歳からクラシックバレエやダンスレッスンを受けていて、それでこのオーディションに応募しました。
――今は多くのファンの前でパフォーマンスをしています。夢は叶えられましたね。
小林晏夕 まだ夢は叶ったと思ってはいないです。もっと上を目指したいと思っています。