ツアーファイナルとなった香港でのステージ

ツアーファイナルとなった香港でのステージ

 ガールズロックバンドのSCANDALが5月29日、1月から行ってきた世界9カ国41公演、8万人動員のワールドツアー『SCANDAL WORLD TOUR 2015「HELLO WORLD」』の最終公演となる香港公演をMacpherson Stadiumで開催。最新アルバムでメンバーが作詞・作曲・歌唱を担当した楽曲や、定番曲「EVERYBODY SAY YEAH!」など全17曲を演奏。自身初の単独ワールドツアーは盛況のうちに幕を下ろした。

 海外では、4月25日のフランス・パリ公演(Le Bataclan)のソールドアウトを皮切りに、海外8カ国10都市を巡り2万人を動員。台湾は発売開始わずか5分でチケットが即完、ロンドン、シンガポール、メキシコシティ、香港の各地でもソールドアウトが続出した。

 ファイナルの舞台となった香港・Macpherson Stadiumの前には、午前から会場の外に長蛇の列ができファンが殺到。開場時間になると我先にお目当ての場所に急ぐファンでごった返した。

広東語でスピーチ

写真»SCANDALワールドツアー

 開演時間になり、ステージに当たったスポットライトの中にSCANDALのメンバーが登場し深く頭を下げお辞儀をすると、同時に会場からは4年ぶりのSCANDALを待ちわびたファンから大歓声が巻き起こる。

 HARUNA(Vo&Gt)の「香港~!」という掛け声とともに、まずはニューアルバム収録曲『love in action』からスタート。2曲目には、Windows8の世界的CMソングにもなった『サティスファクション』とデビュー曲『DOLL』を立て続けに披露。冒頭から最高の盛り上がりとなった。

 「ネイ ホウ マ~?(你好嗎?)みんな元気~?」というHARUNAの広東語の掛け声に、会場は一瞬の驚きを挟み歓迎の声に変わる。各地で必ず行ってきたメンバーの現地の言葉でのスピーチで会場はさらに大盛り上がりに。次は定番曲『瞬間センチメンタル』『SCANDAL BABY』とパワーあふれるナンバー披露。一気に会場を最高潮へと押し上げていく。

 その後、印象的なギターリフから始まる『下弦の月』を挟みHARUNAが香港でのライブの思いを語る。「ドーチェ!(多謝)、ワールドツアーのファイナルを香港で迎えられて嬉しいです!」そして、HARUNAお決まりの「今日は集まってくれたみんなで最高の夜にしようね~!」という言葉を皮切りに、ニューアルバムから疾走感溢れるロックなナンバー『お願いナビゲーション』を披露。

それぞれが作詞作曲と歌唱を担当した楽曲を披露

 最新アルバムでそれぞれ作詞作曲と歌唱を担当したSCANDALメンバーの個性あふれる曲が続々披露される。MAMIが作詞・作曲・歌唱を担当した『本を読む』ではMAMIコールが起こり、TOMOMI作詞・作曲・歌唱の『缶ビール』では切ないメロディーに観客が聴き入る、RINA作詞・作曲・歌唱の『おやすみ』のイントロが始まると、会場からは大歓声が起こった。

 通常ドラムを演奏しているRINA(Dr&Vo)がこの曲のために特別に練習したギターを演奏するためステージ中央へ。打ち込みのリズムと、バンドメンバー4人が横一列に並んで演奏するシルエットが浮かび上がる光景に、会場からはため息がこぼれる。

 さらに、海外で一番の人気となっている楽曲『Departure』のオルゴール音が流れると待っていました!と言わんばかりに会場からオォ~!!! という反応が。続けて『太陽と君が描くSTORY』『夜明けの流星群』で会場が一体となると、『Your song』のコールアンドレスポンスでは、言葉の垣根を越えたやり取りが繰り広げられる。

 楽曲の中の「精一杯、一緒に生きていこうね~!」と歌詞に合わせてHARUNAが叫ぶと観客も拳を振りあげて高らかに歓声をあげた。

 最後はニューアルバム『HELLO WORLD』に先駆けて先行シングルにもなった『Image』。ストレートなロックサウンドで「目を開ければ新しい僕がいる今ならなんだって描いていける」と歌い盛り上がる姿は、海外公演を全て成し遂げて次のステップへと向かうSCANDALの勢いを表す本編ラストの象徴的な盛り上がりとなった。

ファンから誕生日のサプライズ

 メンバーがステージから去ると、観客らはアンコールを叫びながら、両手で白い紙を持ち掲げる。この日は、TOMOMI(Ba&Vo)の誕生日が近かったことがあり、メキシコ公演で誕生日を迎えたMAMI(Gt&Vo)と二人の名前が書かれた「HAPPY BIRTHDAY TO MAMI&TOMOMI」というサプライズを準備していた。

 再びステージに戻ったメンバーはこのサプライズに驚き、「香港のみんなにお祝いしてもらえて嬉しいです!本当にありがとう。」とTOMOMIが感謝を語った。感謝を伝えながら楽器を背負ったアンコール1曲目は、「カゲロウ」。古くからの楽曲ながら、新旧ファンが一体となって盛り上がった。

 そして最後に、SCANDALのライブでは大定番曲の「EVERYBODY SAY YEAH!」を演奏。会場は、この日一番の爆発的な盛り上がりとなり最高のテンションでエンディングを迎えた。演奏後、ファイナル公演ということで会場に集まったすべての人と記念撮影をすると、HARUNAが「また香港に戻ってきます! 約束ね!」と高らかに宣言し、現地ファンとの再会を誓い、5カ月に及ぶワールドツアーに幕を下ろした。

ツアーをまわりながら制作した新曲「Stamp!」

 日本だけではなく、遠く離れた海外からも高い支持を受けるSCANDAL。海外各地でのソールドアウト公演を経て絶大な人気を証明し、世界的なガールズバンドへと成長している彼女たちが、ワールドツアーをまわりながら制作した新曲「Stamp!」も、7月22日にリリースされることが発表されている。

 今作は、Gt&VoのMAMIが作詞・作曲を担当。プロデューサーやエンジニアとしてグラミー賞を通算3度受賞しているTom Lord-Alge(トム・ロード・アルジ)氏をエンジニアに迎えた。自然に体を揺らしてしまうパワフルでおだやかなビート、 西海岸の青空が抜けるような夏をイメージさせるスカッとしたポップなパーティー感、そして、ロックのけだるさを絶妙にミックスさせた1曲。ワールドツアーをまわり世界各地を感じてきたSCANDALだからこそ生まれた王道のアメリカンポップロックになっている。

SCANDAL WORLD TOUR 2015「HELLO WORLD」セットリスト

▽5月29日(金)香港・Macpherson Stadium

M1  love in action
M2  サティスファクション
M3  DOLL
M4  瞬間センチメンタル
M5  SCANDAL BABY
M6  下弦の月
M7  お願いナビゲーション
M8  本を読む
M9  缶ビール
M10 おやすみ
M11 Departure
M12 太陽と君が描くSTORY
M13 夜明けの流星群
M14 Your song
M15 Image

EN1 カゲロウ
EN2 EVERYBODY SAY YEAH!

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