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真剣勝負を行ったさだまさしと若旦那=13日、大阪・難波

 さだまさし(63)初の試みとなる「U-30」と銘打った30歳以下限定のスタンディングライブが13日、Zepp Nambaで千秋楽を迎えた。

 実際に30歳以下の人のみならず、「気持ちは30歳以下」の人達の入場も可とした為、会場にはライブハウス初参加となる世代も多数集結。そんな実験的なライブに若旦那が自身のバンドを引き連れ緊急参戦した。

 さだまさしへの尊敬の念を常々公言し、名曲「雨やどり」のカバー、自身が仲間と主催する大型野外フェス『FREEDOM aozora』への出演依頼など、若旦那とさだまさしはこの数年で何度か接触を繰り返し急接近している。

 そんな状況の中、今回のライブの話を聞きつけた若旦那が、「さだまさしさんの力になりたい」と直談判し、さだまさしがこれを快諾した事で、異色の「対バン」が実現した。

 会場は「老若男女」と表現するに相応しい、自称30歳以下のオーディエンスで埋め尽くされ、期待と緊張の入り混じった異質の空間となっていた。

 オープニングでさだまさしが登場。ギター一本で弾き語りを披露すると、会場内の緊張は少しほぐれたが、まだしっくり来ない。そんな状況を受けて、「みんなライブハウスに慣れていないだろうから、今日は先生を連れてきた」と若旦那を呼び込みステージを託した。

 「さだまさしさんファンの皆さん、今日は突然すみません」と謙虚なMCで始めた若旦那だが、パンクアレンジの「春一番」で喉が裂けんばかりにシャウト。続く「何かひとつ」では「暴れろぉぉっ!!」とオーディエンスを煽り、会場のヴォルテージは急上昇。

 ヘッドバンキング、拳を上げるなどライブハウスの通過儀礼を一通り経験させた後は、さだまさしへの尊敬の念を込めて自身の楽曲「いのち~桜の記憶~」の歌詞の一部を「サンキューフォーさだ、サンキューフォーまさし」と替え熱唱。会場を大いに盛り上げ、そのタスキをさだまさしに繋いだ。

 対するさだまさしは、まさかの「防人の詩」で、聴衆を惹きつける。

 「若旦那が、熱い太陽のようなライブをやるなら、俺は北風のようなライブをやる」と語り、円熟のパフォーマンスで応戦。その後もイベント趣旨に沿って「主人公」や「まほろば」などの20代の頃に書き上げた楽曲や、「北の国から」「風に立つライオン」などのヒット曲を、約2時間半に渡って披露し、異色の対バンライブは幕を閉じた。

 「試合」後、ガッチリ握手を交わした2人は、互いの健闘を讃え合い「再戦」を誓いあった。

 世代を超えた今回のライブを見事に成功させた若旦那だが、6月にはアイドルグループ「Especia」との異色の「対バン」を主催するようだ。さだまさしからのアイドルグループという、この幅をこなせるのは現代のアーティストの中で若旦那しかいないはず。次はどんな表情で舞台に立つのか楽しみである。

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