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女優の葵うたのが、フジテレビ系水10ドラマ『パリピ孔明』(毎週水曜午後10時〜)に出演。AZALEAのメンバー・一夏を演じる。原作は、累計発行部数160万部突破の『ヤングマガジン』(講談社)で現在も連載中の人気コミック『パリピ孔明』。昨年アニメ化され話題を集めた。同作は中国三国時代の名軍師・諸葛孔明が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す英子を軍師のごとく成功に導いていくサクセスストーリー。インタビューでは1人で銭湯やサウナ、カフェなどに積極的に行くという葵うたのにその魅力や、ドラマ『パリピ孔明』の撮影の裏側、俳優活動の中で大切にしていることについて話を聞いた。
“1人時間”が好き
――葵さんは多趣味ですよね。
特に“1人時間”が好きなんです。
――世の中、“ソロ活”1人時間を推奨する動きもあります。
ありがたいです。でも、サウナや喫茶店とか人気が出てしまい、逆に人が増えちゃって居場所がなくなることもあります。たとえば喫茶店も、前は静かだったところも、今ではすごい列が出きていたりして、30分くらい並んで入ることもあります。
――今レトロブームで、昭和からやっているような喫茶店とか注目されていますよね。
お店自体もそうなのですが、そういうお店で働いているマスターって接客がチャキチャキしてるじゃないですか?? それを見ていた隣の女の子たちが「すごいね」みたいな。接客もレトロで新鮮なんです。
――この前、高尾山に登られていましたけど、山にも興味がある?
楽しかったのですが、山にハマるのは3〜4年後でいいかなと思いました。いつもロープウェイを使って登っていたので、ちゃんと登るのは初めてで、登山をちょっと舐めてました。周りの方はしっかり準備をされていて、正直私は「そこまでやる?」みたいな感じだったのですが、実際に登ってみたら結構ハードでびっくりしました。大変でしたが高尾山でビールも飲めましたし、ゆっくりできて楽しかったです。
――銭湯やサウナもお好きなんですよね。
地方に行ったときもサウナがある銭湯に行って、自分で薪ストーブに火を焚べて、水をかけたりしています。
――熱波師みたいなことも?
さすがにそこまではやらないんですけど、1人のときにタオルをぶん回したりしてます(笑)。
――葵さんがサウナにハマったきっかけは?
サウナは友人に教えてもらいました。それまで銭湯にはよく行っていたのですが、サウナは大人が行くようなイメージがあったので行ったことはなかったんです。行ってみたらハマってしまいました。
――新陳代謝も良くなりますよね。
他にも私は腰痛持ちなのですが、サウナに行くと血流がよくなって改善します。サウナに行かないと一気に体が硬くなってしまうんです。
――ちなみに銭湯の醍醐味は?
すごくオープンな場所で、そこにいる人たちは銭湯のマナーがちゃんとあって、コミュニケーションも程よく生まれるところです。たとえばおばあちゃんが髪をドライヤーで乾かしてくれたり、背中をちょっと流してくれたりとか、そういった交流ができるのも醍醐味だなと思っています。
――ふれあいがあるんですね。
そうなんです。私、地方とかに行くとおじいちゃんやおばあちゃんにすごく話しかけられます。立ち話もしてしまうくらいコミュニケーションをとるのが好きなのかもしれない。
――お酒もけっこう飲まれる、酒豪だとお聞きしています。
どこ情報ですか(笑)。
――ドラマ『ぼなぺてぃ』(ABS秋田放送)のYouTubeからです。
あはは(笑)。秋田は日本酒がすごく美味しかったので飲んでしまいました。秋田のお酒って私の体に合うといいますか、飲んでも次の日に引きずらないし、むしろ肌つやがいいみたいな感じもあって。
――飲み屋で話しかけられたときは、現地の方とどのような会話を?
地方に行くと「どこから来たの?」から始まって、「何をやってるの?」などいろいろ質問攻めにあいます。そうするとお店のお母さんが「ちょっと若い子に喋りかけすぎ」みたいな感じでツッコミ入れたりしてくれます。そういうのもすごく楽しくて、ちょっとそこに混ぜてもらえている感じがあって好きなんです。
オーディションでは曲に合わせて暴れまくった
――地方に行った時もお1人でお店に行くんですね。
マネージャーさんと行く時もありますが、ふらっと喫茶店に入ったり、飲み屋さんに1人で入るのが好きです。でも、今回の『パリピ孔明』のときは、AZALEAのメンバーとは同年代ということもありずっと一緒にいました。撮影期間中は一緒にご飯を食べたりとか、神戸で撮影した時も海を見ながらご飯を食べて、3 人でいろいろ語り合ったりして楽しかったです。
――同年代の方が現場にいるとテンションが上がる方もいますよね。
確かにそうかも。撮影ではマイクをつけているんですけど、3人ともつけていることを忘れていて、監督に全部筒抜けだったことがありました(笑)。緊張すると私と八木(莉可子)さんはすごく喋るタイプで、監督から本番前に「緊張して喋りまくってるでしょ。聞こえてるよ」って(笑)。他愛もない話を聞かれてしまい恥ずかしかったです。
――現場の全体的な雰囲気はいかがでした?
本当にいい現場でした。ファッション、音楽、役者といろいろなエンターテインメントが同じ方向を見ていて、映像にもそのエネルギーがしっかり映っていると思います。
――葵さん演じる一夏はオーディションで決まったとのことですが、どんな感じのオーディションだったんですか?
オーディションは3回あって1回目は動画審査で楽器を演奏しました。私は技術が拙かったので、できるだけ少ないコードの曲を選んで演奏しました。ラッキーオールドサンの「すずらん通り」という曲を弾き語りして、動画を送ったところ、それが通ったんです。次の審査は対面でギターの演奏とダンスとお芝居をやりました。
――今回の役に求められる全てですね。ギターをやったことはあったんですね。
“ギターを持っている”レベルです。ですので、オーディション前は夜な夜な毎日公園でギターとダンスを練習して。オーディションに参加されていた方は弾けている方も多くて、私はこれはもうダメだと思い、“楽しそうに”というのがテーマだったので、もう開き直って曲に合わせて暴れまくりました。10-feetさんや、Hi-STANDARDさんの演奏姿が好きだったので、それを思い出しながらエアギターでやりきったのですが、まさかそれで受かるとは思っていなかったです。
――あはは(笑)。役が決まってからは事前準備はどんなことを?
土台にあるギター好きという性格面は自分で作っていったのですが、技術面はクランクインするまでの1ヶ月間、ギターの先生についていただいて本格的に教えていただきました。また、ダンスの振り付けなどアイドル一夏としての役作りをしたり、3人で振り入れや歌入れをしました。本番ではメイクや衣装など手が加わっていくことで、どんどんキャラが濃くなっていくのを実感しました。
――一夏は原作だとショートカットでボーイッシュな感じなので、もしかしたら髪を切られるのでは? と思っていました。
私も「ベリーショートか!」みたいな気持ちだったんですけど、今回の一夏は女性っぽい感じのキャラクターになったので、このままになりました。また、衣装は現場で決まることもあって、監督やプロデューサーさん、衣装さんと相談しながら何着も試して決めました。ギャルという設定もそこで生まれたんです。メイクは平成ギャルみたいな感じで、私の地元にいるギャルもこんな感じだったなと思い出しながら自分でメイクもしました。
――AZALEAのダンスの振り付けは「<NHK>2020 応援ソング プロジェクト」の楽曲として制作された『 パプリカ』の振り付けを手掛けた辻本さんですね。
はい。3人とも息を切らしながら必死にやってました。
苦しい役でもその状況楽しむ
――葵さんが一夏を演じるにあたり難しいところはありましたか。
難しかったところはバンドが好きだけど、覆面のアイドルをやっているという心情面です。活動にはいろいろな人が関わっていたり、そのグループを応援してくれるファンの方がいる。やりたくないことだけど、それを考えると否定もできないといった葛藤の部分が難しかったです。その葛藤みたいなものを短い時間の中でどう表現しようかというのがありました。ちょっとした表情やセリフの雰囲気だったり、一夏が思っていることを私が表現しなければいけなかったので、集中してやっていました。
――主演の向井理さん、上白石萌歌さんとお話をするタイミングというのはありました?
萌歌さんとは同世代ということもあって、AZALEAのメンバーと一緒にお話しさせていただきました。地方での撮休の日も一緒に朝ごはんを買って食べたり、女子会みたいな感じで交流していました。監督から「仲良くなりすぎ」って言われてしまうくらい(笑)。
――葵さんが思う本作の見どころは?
続々とライバルが現れてくるのですが、そのパフォーマンスのエネルギー がすごいです。そして、キャラクターの濃さもあり、画面の力がすごいと思います。今回はアーティストの方が実際にアーティスト役として出演していらっしゃるので説得力があります。そして、音楽ってストレートに心に来るなと思いました。萌歌さん演じる月見英子の歌を聴いているシーンがあるんですけど、こんなにも心を動かされるんだとびっくりしました。それが映像でどう伝わるんだろうという楽しみもあります。
――葵さんが活動していく中で大切にされていることは?
2年前は自分に期待をしすぎず、丁寧にお仕事をしていくことが目標でした。今はそれに加えて楽しむことが一番大事なんじゃないかと、今回の撮影を通して感じました。仕事も遊ぶ感覚と言いますか、せっかくやるんだったら楽しんだ方がいいなって。苦しい役でもその状況楽しむ、ちょっと遊び心を入れながらお仕事ができたら、テンプレートの自分じゃない何か違う自分が生まれると思います。自分らしさが出るように活動していきたいなと思ってます。
(おわり)
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