INTERVIEW

愛甲千笑美

初写真集で初グラビア撮影 ポージングの違いに困惑顔も「いろんな表情を楽しんで!」


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:23年09月30日

読了時間:約7分

 モデルの愛甲千笑美が、自身初の写真集『会いたくなった?』(KADOKAWA)を発売した。ファッション誌を中心に活躍する彼女だが、本作で初めてグラビアに挑戦。大胆なランジェリーや水着、レオタードなどに挑んだ。ファッションとグラビアのポージングの違いに撮影当初は苦戦しながらも、普段から写真集を愛読しているとあって愛甲ならではの心をくすぐる美しいカットが出揃った。「本当に撮影が楽しかった」と目を輝かせる彼女自身が美しく輝く写真集。その撮影の舞台裏を聞いた。【取材・撮影=木村武雄】

愛甲千笑美

普段は緊張しい

 記者「宜しくお願いします!」

 愛甲「お願いします!…こう対面になると緊張しますね…(笑)」

 記者「どうしたら緊張は解れますか?(笑)」

 愛甲「対面じゃなくて隣に座って頂いた方が楽かもしれないです」

 記者「それだとこちらが緊張するので…(笑)」

 編集スタッフ「では机を斜めにしましょう」

 愛甲「それなら大丈夫!」

 そんな調子で始まったインタビュー。時間は皆同じように流れるが、彼女の周りは秒針がややゆっくりと進むような感覚だ。忙しない世の中にあってこの場だけは自然豊かな湖畔にいるかのよう。記者がそう妄想するほど、彼女からはゆったりとした品格を感じさせられた。

――緊張しいんですか?

 そうなんです。ご飯も対面だと緊張するんです…(笑)。

――では緊張を乗り越える為にやっていることは?

 隣に座ること(笑)まずは仲良くなるしかないです。

――ファッション誌だけではなく、テレビ番組の収録でも初めての現場とかありますよね。そういう場面でも緊張されているんですか?

 緊張しているように見られないんですけど、内心は緊張しているんです。

――今回の撮影も始めのうちは緊張された?

 写真集はそれほど緊張しなかったです。恥ずかしい気持ちはありましたけど、写真はモデルの仕事をしているから大丈夫でした。

――スイッチが切り替わるというか。

 そうなんです…(笑)

愛甲千笑美

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ポージングの違い

――写真集の話が来たときはどのように感じましたか。

 嬉しかったです。ずっと夢だったので「叶うんだー!」って感謝しました!いろんな方の写真集を見るのが好きでしたし、もし私ができるなら「こうしたいな」というのは漠然とありました。今回はテニスウェアやサロペット、浴衣は私がリクエストしました。浴衣は和の要素を入れたかったですし、ランジェリーは持参して。それとお風呂のシーンも入れたかったんです。普段の撮影では絶対やらないカットなので「やってみたい!」という願望がありました!(笑)

――水着とランジェリーというのは今回初挑戦ですよね。緊張はあったけどやってみたかったんですか?

 やってみたかったです!ランジェリーの撮影は撮影初日ですごく恥ずかくて。最初に海辺に行ってテニスのカットを撮ってからのランジェリーで…(笑)

――ファッションは服を見せるのが主体ですが、今回は自分を見せることが主体。取り組み方は全然違いますか?

 ポージングとかは全然違いましたし、これまで自分が主体になる撮影があまりなかったので慣れなかったです。

――とは言ってもすごくいい写真ですよね。

 段々と慣れてきて、いろいろ教えて頂きながら撮影に臨んで、気持ち的にも「いろんな事にチャレンジしよう!」と高まりました。でも初日の夜にポージングの反省会をして…(笑)。カメラマンさんも普段グラビアを撮っている方ではなかったので、お互いに「これはどう?」とアイデアを出し合いながら試行錯誤して。だからいろんな表情があるのは、慣れているものと慣れていないものが混在しているから。逆にそこを楽しんでもらえたら嬉しいです!……困惑している顔もあるんですよ(笑)

愛甲千笑美

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女性らしい体に

――写真集の発売が決まってから撮影日を迎えるまで体づくりはどうされたんですか?

 女性らしい体にしたいという気持ちがあったので、トレーナーさんに組んでもらいました。お尻をキュっとさせたり…でも痩せ過ぎてもいけないから、ごはんもしっかり食べてました。

――そうして迎えた初日。緊張をしていて、馴染むまでの心情はどうでしたか?

 浴衣以降は大丈夫でした。ただ、お風呂のシーンではサウナに入ったり水風呂に入ったりをしていたのでのぼせてしまったんです。カメラマンさんも含め皆さんに申し訳なかったなって。でもそれも含めて思い出です。

――初日の撮影中と撮影以外のところで一番の思い出はありますか?

 やっぱり撮影を終えた後の“反省会”です。撮って頂いた写真を見ているなかで、それぞれが思う事やアイデアを出し合ったんです。でも「反省会」とは言いましたが、そういうのは形式張ったものではなくて、写真を見ている中で「こうだったらこうやった方が良かったかもね」という意見がそれぞれ自発的に出て、それがみんなで一緒に作っている感覚があって楽しかったですし良かったです。結局3時間ぐらい話し合っていたかもしれないです(笑)

――その日撮ったもの全部見たんですか?

 見ました!初日だけで3000枚くらい撮って頂いて。それを「あーでもない」「こーでもない」ってみんなで話し合っていた時間がすごい楽しかったです。

――「緊張する」と話していましたが、完全に打ち解けてますね(笑)

 修学旅行みたいでした(笑)。

愛甲千笑美

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体のライン

――特にどの点をこだわって見ていたんですか?

 体のラインがどうやったら綺麗に見えるかです。こういう感じの光で撮られるのならこういう表情がいいなとか。

編集スタッフ グラビアの経験はないので「グラビアの要素を入れたいね」ってなったんです。そうすると「グラビアって何?」みたいになってね。「私はこういうポージングをするからこっち側から撮るのはどうですか」ってカメラマンさんと話していました。

――グラビアとファッションの一番の違いは何だったんですか。

 ファッションは極論を言えばメリハリをなくさないと洋服がきれいに見えないので腰とかを入れることは避けるんです。グラビアは逆にメリハリを出すものだと思うんです。それが難しかったです。でもスタイリストさんがグラビアをよくやられている方だったので、「もうちょっとこうやったらきれいに見えるよ」とポージングのアドバイスを頂いて、スタイリストさんを師匠と呼んでいました(笑)。

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テニスウェア

――挑戦が詰まった撮影とのことですが、この撮影期間で発見はありましたか。

 色んな事に挑戦しましたが、読者の皆様からどう評価されるかは全くまったく分からなかったので不安でした。でも発売が発表されてから「反響が良かった」と聞いて、私自身びっくりしましたし、嬉しかったです。

――そのなかでご自身もテニス経験があるテニスウェアはどうでしたか?

 すごく気に入ってます。このカットは気に入っているのが多くて選ぶのが大変でした。

――(背中がぱっくり開いたドレスの写真を見ながら)背中がきれいですね。

 実はその時、お風呂のあとでのぼせていたんです。

――でも逆にその表情がアンニュイな感じなっていていいと思います。

編集スタッフ そこがプロなんですよ。のぼせましたと言いながらも、結構長く撮影しました。

――さすがですね。お気に入りカットは?

 テニスウェアとボディスーツが好きです。

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形として残せて嬉しい

――今回エッセイにも挑戦して、文章を書くのが好きということを再認識したという話でしたが、エッセイを通して気づいた事はありますか。

 書くことがヒーリングになっていると思ったので、書くことを続けていきたいと思いました。書くことで自分の頭がクリアになるので。

――30歳の節目の写真集。改めてご自身にとって本作はどんなものなりましたか?

 節目にこんな良い機会を頂けて本当に嬉しいですし、感謝しています。10年後20年後この写真集を見た時に、間違いなくこの時の事を思い出せますし、そのこと自体が嬉しいです。そうした思い入れが強い写真集が節目という時に形として残せて本当に感謝しています。すごい楽しかったからまたやりたいです!

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(おわり)

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木村武雄
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