INTERVIEW

本郷柚巴

8年間の活動に終止符「NMB48劇場は1人じゃないという感覚を味わえる場所でした」


記者:ポッター平井

写真:ポッター平井

掲載:23年05月29日

読了時間:約12分

 NMB48のグラビア・シンデレラ、本郷柚巴の卒業記念写真集『どこを見ればいい?』(講談社)が5月31日に発売される。2015年に開催された「第2回AKB48グループドラフト会議」にてチームNから1巡目で指名され、12歳(中1)で加入してから8年。今年20歳になった彼女は6月12日に行う卒業公演をもって、NMB48としての活動にピリオドを打つ。 今回は5月16日、彼女の汗と涙が染みこんだNMB48劇場でインタビューを敢行。写真集の見どころや撮影時の裏話に加えて、これまでのエピソードや発言内容などから8年間の成長を振り返ってもらった。【取材・撮影=ポッター平井】

20歳になって大人の味覚に!?

――少し前の話になりますが、1月9日に行われた「NMB48新成人メンバーはたちのつどい(成人式)」の囲み取材で、私が<大人になったなぁと思うことは?>という質問をした時、ゆずちゃんは「紅しょうがを食べられるようになりました」と答えていました。

 例えば夏祭りの屋台で焼きそばを買ったら、絶対紅しょうがが入っているじゃないですか。その美味しさがわからなくて、「なんで入っているんやろう?」って思っていたんです。でも、グラビアの撮影で奄美大島に行った時に、鶏飯(けいはん)という郷土料理を食べる機会があったんですけど、それに紅しょうがが入っていて、食べてみたら、すごく美味しくて、翌日の昼ごはんも鶏飯を食べました(笑)

――牛丼に入っている紅しょうがも食べられますか?

 食べられます!テイクアウトする時に1袋取って、入れてみたりしています。

――紅しょうが以外で食べられるようになったものはありますか?

 昨日、家のごはんでピーマンの肉詰めみたいなものがあって、ピーマンが苦手なんですけど、挑戦してみようと思って食べてみたら、思っていた以上に美味しくて、全部食べられました!ちょっとずつ大人の味覚になってきたのかなぁって思います。

――成長を感じますね(笑)。一方、<まだまだ子どもだなぁと思うことは?>という質問に対して、「お父さんに頼ってしまう部分があるので、自立したい」と答えていましたが、その後はいかがですか?

 自分で登録したりして、料金を支払えるようになりました(笑)。でも、最近家でお父さんがゴキブリを発見したんですけど、見失ったみたいで、お父さんに「見つけるまで寝たらあかんから」って言って(笑)、結局その日は見つからなくて、絶望的な気分になりました。翌日、私が起きた後、お父さんを起こして、「ゴキブリ見てきて」って見に行かせたりして、そういう場面は全部お父さんに頼っています(笑)

本郷柚巴

本郷柚巴

NMB48劇場の舞台裏を盛り上げる後継メンバーは?

――卒業を決意するまでの経緯を聞かせて下さい。

 特に仲良しだった同期の安田桃寧ちゃんと、後輩の梅山恋和ちゃんが卒業して、私も卒業を考え始めました。その後、「選抜に入りたい」、「写真集を出したい」という2つの目標が叶った達成感もあって、そのタイミングでスタッフの方に「卒業したいです」という話をしました。去年の年末頃に、このままここで甘え続けていいのかなって考えた時に、20歳を迎える区切りのいいタイミングということもあって、卒業することが決まりました。

――4月4日の原チームM「恋は突然やってくる」公演で卒業を発表しました。発表前から発表後にかけての心境の変化を教えて下さい。

 卒業が決まってから卒業を発表するまではずっとモヤモヤしていて、1人でその気持ちを抱えきれない時もありました。発表してからはそのモヤモヤがなくなって、気持ちがスッキリしたからか、メンバーからもファンの皆さんからも「顔つきが変わった」って言われました(笑)

――当日の出演メンバーで、ゆずちゃんが卒業発表することを事前に伝えていたのは?

 中野美来ちゃんには前から話していて、キャプテンの原かれんちゃんには公演の30分前に言いました。あの場にいたメンバーの中ではその2人です。

――とはいえ、出口結菜ちゃんや前田令子ちゃんは勘づいていたようですが(笑)

 まさか気づかれていたとは…という感じなんですけど(笑)、本番前に中野美来ちゃんにハグをしてもらったんですよ。美来は知っていたので。それを近くで見ていた前田令子ちゃんが私にハグを求めてきて、公演が終わってから「なんでハグしてきたん?」って聞いたら、「卒業発表すると思ったから」って言われて、あのハグでバレていたんだなって(笑)

――卒業を発表した時、「NMB48劇場はお家みたいな場所です」と語っていました。

 ここに来ると、8年前からずっと私のことを見てくれているメンバーやスタッフさんに会えるから、すごく安心するんです。私は1人じゃないんだなという感覚を味わえるのはここだけかなと思うので、第2のお家みたいな感じです。

――中野美来ちゃんも6月13日で卒業しますが、2人が卒業した後、劇場の楽屋やメイクルームを盛り上げるメンバーがいなくなってしまいますね(笑)

 チームMは私と中野美来ちゃんが一番うるさいんですよ(笑)。でも、私の中ではその後を託したいと思っているメンバーがいます。浅尾桃香ちゃんです!とにかく元気で、唯一私たちのノリについてこれるメンバーなので、浅尾桃香ちゃんに会う度に、「これからメイク室を盛り上げていってな!」って言っています(笑)

――4月29日にインテックス大阪で、NMB48の本郷柚巴としては最後の握手会がありましたが、いかがでしたか?

 涙を流していたファンの方もいらっしゃって、最後なんだなって実感しました。握手会はコロナ禍で3年ほど出来なかったんですけど、ファンの方とお互いに目を見て、自分の気持ちを伝えられる場所というか、嬉しい気持ちも悔しい気持ちも分かち合えることがいっぱいあったので、これからそういうイベントがなくなるのかと思ったら、やっぱり寂しいです。

――5月2日・3日はオリックス劇場で最後のライブでした。

 2日の「轟けミックス!」と、3日の「リクエストアワー」の昼公演は最後という実感がなかったんですけど、夜公演で客席に行って、ファンの皆さんの顔を間近で見た時に、実感がわいてきて、寂しくなりました。コロナ禍でライブが出来なかった期間も長かったので、もっといろんなライブをしたかったなぁというのが本音です。

――リクアワでは『太陽が坂道を昇る頃』の間奏で上段のステージから階段を下りた後、こらえていた涙が溢れ出ていましたね。

 『太陽が坂道を昇る頃』は、ドラフト2期生と5期生が研究生だった時にいただいた楽曲で、この曲をオリメンの4人で披露するのは今日で最後なのかなと思って、こじりん(小嶋花梨)の顔を見た瞬間、やっぱりグッとくるものがありました。

――アンダーガールズの『Time bomb』が3位でしたが、その時の涙はどんな感情から?

 いろいろな感情があって、3位だった悔しさもありましたし、やっと10人揃って披露できた嬉しさもありました。

本郷柚巴

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私の人生は山本彩さんを中心に回っている

――ゆずちゃんの8年間を振り返りましょう!主な活動に関してはラジオ番組や他のインタビューなどで語っていると思いますので、ここでは過去の発言をもとにしたエピソードや、ゆずちゃんといえばコレ!というテーマをたくさん用意しましたので、くじ引き形式で1枚ずつ引いていただいて、トークしたいと思います。1つ目のテーマは?

 <1人で下着を買いに行くのは恥ずかしいから家族と一緒に行く(2020年)>。3年前、こんなん言うてたんや(笑)。その頃は下着に対して全然こだわりがなくて、安いところで買っていたんですけど、お母さんとおばあちゃんに「ちゃんとした下着を持っていた方がいいよ」って言われて、1人で行くのは恥ずかしくて、一緒について来てもらいました。今は1人で買いに行きます(笑)

――そういう点も大人になったと(笑)。2つ目のテーマは?

 <独学で覚えたギター>。NMB48に加入する前から山本彩さんが大好きで、彩さんがステージでギターを弾いている姿を見て、「こんな人になりたい!」じゃなくて、「この人になりたい!」と思いました。今でも私の人生は山本彩さんを中心に回っている気がしています。お姉ちゃんが私より先にギターをしていたので、ちょっと教えてもらって、簡単なコードを覚えたら、ある程度の簡単な曲は弾けるので、自分でアレンジしたりして、独学で覚えていきました。最近も弾いています。常に練習しておかないと感覚を忘れてしまうので。

――ゆずちゃんといえば、ギターの弾き語りのイメージが強いです。3つ目のテーマは?

 <好きなおにぎりの具は昆布と梅干し(2018年)>。うわ~!懐かしい~!今でもそうです(笑)。コンビニとかでおにぎりを買う時は絶対この2つです。飽き性なので、ずっと同じものを食べ続けていたら飽きることが多いんですけど、おにぎりだけはずっと変わらないです。この2つ以外は考えられないです。

――昆布と梅干しは永遠のツートップですね。4つ目のテーマは?

 <安田桃寧「遊びに行く時は絶対遅刻してくるけど、おごってくれるから許します」(2021年)>。そうなんですよ。遊びに関しては時間にルーズです(笑)。寝る前に着て行く服を決めて、家を出る2時間半前には起きて、ちゃんとメイクもしているんですけど、いざ服を着ると、「なんか違う」ってなって、そこですごく時間がかかって、電車を2本ぐらい逃してしまうんです。桃寧に会って、遅刻して待たせてしまって申し訳ないという気持ちがあるから、ごはん代は私が払います。桃寧にその話をしたら、「ずっと遅刻してきていいよ」って言われました(笑)

――安田桃寧ちゃんに限らず、他のメンバーにもよくおごっているそうですが(笑)

 中野美来ちゃんにもよくおごります。同い年なので、おごらない時もあるんですけど、3年も後輩だから、おごった方がいいのかなと思って、なるべくおごるようにしています。

――後輩メンバーの皆さん、ゆずちゃんが卒業するまでにおごってもらいましょう(笑)。5つ目のテーマは?

 <『ちびまる子ちゃん』が大好き!毎週録画もしている(2019年)>。今でも毎週録画していますし、『ちびまる子ちゃん』の公式LINEも追加しました(笑)。おてんば娘みたいな感じが好きで、ファンの方からも「丸顔で、ちょっとぬけてるところとか、雰囲気が似ている」って言われることも多いので、私はめちゃくちゃ嬉しいです。

――では、ちびまる子ちゃんに似ているゆずちゃん、次が最後のテーマです。

 <既読無視することが多い(2021年)>。今でも特に中野美来ちゃんに対してやってしまうんですけど、心の中で返信しているんですよ(笑)。スタンプが送られて来たら、それで終わりと思って、3時間後ぐらいに、「えっ!?既読無視?」って来ることが多いです。友達とのLINEも3日ぐらい既読無視してしまったり、中には1ヶ月ぐらい未読無視している人もいます(笑)

NMB48本郷柚巴卒業記念写真集『どこを見ればいい?』表紙画像(撮影・カノウリョウマ/講談社)

卒業記念写真集でランジェリーカットにも初挑戦!

――5月31日に卒業記念写真集『どこを見ればいい?』が発売されます。表紙カットの見どころは?

 着ているのか着ていないのか、どっちなんやろう?という想像をかきたてるようなところがポイントです。

――「大人の女子旅」をテーマに、タイのプーケットで撮影されました。

 海外に行くこと自体が初めてだったんですけど、とにかくタイの皆さんが優しくて、ちょっと目が合ったらニコッと笑ってくれて、本当に“微笑みの国”なんだなぁと思いました。もちろん言葉はわからないけど、気持ちで会話ができる国だなと思って、また行きたいなと思わせてくれる場所でした。夜市で食べ歩きをしたり、象に乗ったり、普段はできないことを色々体験できて楽しかったです。

――象に乗ってみた感想は?

 ちゃんとしつけはされているけど、「鼻で殴られたらどうしよう?」と思いました(笑)。牙(きば)もあったので、迫力がすごかったです。でも、ちゃんと指示どおりに動いてくれて、それがかわいかったです。

卒業記念写真集より(撮影・カノウリョウマ/講談社)

――2頭の象の間に挟まれている先行カットがありました。

 距離が近くて、1頭ならまだしも2頭いたので、めっちゃ怖かったです。カメラマンさんに「ガッツリ触っていいよ」って言われたんですけど、「そんなん絶対無理!」と思って、さりげなく触ったカットです(笑)

――タイで特に美味しかったものは?

 グリーンカレーが美味しかったです。好き嫌いが多いので、すごく不安だったんですけど、意外と口に合いました。グリーンカレーとか、ガパオライスとか、初めて食べたものも全部美味しくて、日本に帰ってからもタイ料理を食べに行きたいと思いました。

――写真集全体の推しポイントは?

 去年発売された1st写真集の『美しい果実』は真冬の北海道で撮影したので、雪景色が多かったんですけど、今回は常夏のタイで撮影したので、ガラッと違った雰囲気が味わえますし、タイでしか撮れない場所とか、タイでしか出せない空気感がたくさんあったので、そこを楽しんでいただけたらと思います。

――今回、ランジェリーカットに初挑戦ということで、その撮影はいかがでしたか?

 写真集を全体的に見た時に、シックな色が多かったので、パッと映えるような色のランジェリーがいいなと思って、真っ赤なランジェリーを選んだりもしました。王道の真っ白なランジェリーのカットもあるんですけど、表情とか、いつもと違う私を見てもらえるんじゃないかなと思います。

――水着で撮影する時とは違う緊張感はありましたか?

 ありました。水着は外で撮ることが多いんですけど、ランジェリーは寝室で撮ることが多かったので、まわりの空気も普段と違いました。スタイリストさんも普段は「かわいい!」とか言ってくれるんですけど、その時は静かに見守っている感じだったので。

――表紙や先行カット、オフショットなどを見たメンバーやご家族の反応は?

 家族にはまだ象に乗っている写真しか見せていないんですけど(笑)、メンバーからは「ゆずって、こんな表情するようになったん!?」とか言ってくれたりして、嬉しかったです。

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いつかまた皆さんに会える機会があればいいな

――6月12日に卒業公演を開催予定です。卒業公演は“どこを見ればいい?”ですか?

 チームMの「恋は突然やってくる」公演で卒業させていただくんですけど、明るい曲が多いので、最後に元気100%な私を見ていただけたらいいなぁと思います。

――卒業公演では泣くと思いますか?

 リハーサルの時は泣かないと思うんですけど、本番になると、ファンの皆さんの顔も見えるので、泣く自信はあります(笑)

――卒業後の予定は?

 卒業後はちょっとだけゆっくりして、旅行に行ったりしている間に、自分が今後何をしたいか、どういう人になりたいかを考えたいです。でも、いつかまた皆さんに会える機会があればいいなと思っています。

――20歳の抱負として「車の免許を取りたい」、「ソロキャンプしたい」と語っていましたが、卒業後はそれもできそうですね。

 車の免許を取って、自分が運転する車でソロキャンプに行きたいです。

――ツイッターやインスタなどのSNSは続けますか?

 グラビアを始めてから本当にたくさんの方に見ていただけるようになって、まさか自分がフォロワー10万人超えるとは思っていなくて、それは自分でもすごいことだなと思うので、これからも更新し続けたいと思っています。

――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします!

 この8年間、いろんな喜怒哀楽を経験してきたんですけど、ファンの皆さんも私と一緒に嬉しくて泣いたり、悔しくて泣いたりしてくれて、そんな方がいてくれたから、ここまで続けられたと思うので、これからも皆さんのことはずっと忘れないですし、感謝の気持ちでいっぱいです。また何か機会があれば、会いに来てくれたら嬉しいです!

(おわり)

NMB48本郷柚巴卒業記念写真集『どこを見ればいい?』商品概要

発売日:2023年5月31日(水)
撮影:カノウリョウマ
判型:B5判(128ページ)
価格:2420円(税込)
出版社:講談社

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