INTERVIEW

松田凌×和田琢磨×矢崎広×本田礼生

『仁義なき幕末』で共演、それぞれの印象とは?


記者:村上順一

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掲載:23年05月25日

読了時間:約9分

 松田凌が主演を務める東映ムビ×ステ第5弾となる映画『仁義なき幕末 -龍馬死闘篇-』が、5月10日より各種配信サービスで配信された。併せて12月6日に映画『仁義なき幕末 -龍馬死闘篇-』と舞台『仁義なき幕末 -令和激闘篇-』のBlu-ray化も決定している。東映ムビ×ステは2019年にスタートさせた映画と演劇のメディアミックスシリーズ。映画『仁義なき幕末-龍馬死闘篇-』は、令和のヤクザ「村田組」の若頭である主人公・村田恭次(坂本龍馬)役に松田凌。彼と共にタイムスリップする村田の右腕・大友一平役に和田琢磨。村田組の組員で一緒に幕末にタイムスリップし動乱の危機に挑む、高梨明役に矢崎広。新選組・沖田総司役を本田礼生が務める。令和ヤクザが坂本龍馬になり代わるという現代と幕末を飛び越えた、脚本・毛利亘宏氏×監督・橋本一氏による今までにない新感覚のタイムスリップ歴史スペクタクルムービー。インタビューでは、松田凌、和田琢磨、矢崎広、本田礼生の4人に共演してみての印象から、もし幕末にタイムスリップしたら、その時代でどのように振る舞っていくのか、話を聞いた。(※取材日は3月下旬)【取材・撮影=村上順一】

お芝居を一緒にやってみたい

――松田さんと共演されてみて、それぞれ印象はいかがでしたか。

和田琢磨 松田さんとは一度食事の場で会ったことがあって、その時は役を演じる丁寧さと反してすごく情熱的な性格で、「お芝居を一緒にやってみたい」とずっと思っていました。そして、とあるラジオ番組で「共演したいよね」と話した数ヶ月後に、今回の作品の出演が決まりました。何も悩むこともなく、お互い影響し合いながらできたので、早く舞台も一緒にやりたいです。

――矢崎さんから見た、松田さんの印象は?

矢崎広 昔から印象は変わらないのですが、今回、礼生くんのような後輩がいる凌の姿を僕は初めて見て、凌も一歩ずつ階段を上がっているんだなと思いました。成長を見ると言ったらおこがましいのですが、お互いに着実に階段を上がってきて、今こうやって共演できることは本当に嬉しいです。僕の役者人生において、他の作品はもちろん、ムビ×ステでも一緒になれて、こんなにも彼と一緒に芝居ができるとは当時は想像していなかったですし、彼の役者人生を見させていただいてる中で、“松田凌主演”作品に、自分が携われることがすごく嬉しいです。

本田礼生 凌くんは常に自分にとっての兄貴という印象なのですが、今回初めて凌くんが後輩という一面を見ることができました。凌くんに対する元々もっていたイメージとのギャップが見れて、すごく新鮮な現場でした。

――矢崎さんから見た和田さんは?

矢崎広 琢磨くんとは初めての共演なんです。他の作品で名前は拝見していましたし、年齢も近いので「いつか共演したい」と思っていた役者さんの1人でした。そして現場で知ったんですけど、僕と同じ山形出身ということで、すごくフィーリングが合うんです。それもあって琢磨くんのことをすごく好きになりました。

――いい出会いがあったんですね。

矢崎広 役者友達が少ない僕が好意を寄せて近づくのは非常に稀です(笑)。本当に出会えて嬉しかったです。

――松田さんから見た和田さんとは?

松田凌 ずっと琢磨くんとご一緒したいと思っていたので念願が叶いました。ご一緒して思ったことが、お芝居に対してとても真摯で、情熱と底知れぬ力みたいなものを感じていました。今作で自分たちが掛け合わさることで、きっと面白いものが作れると思いました。

――松田さんと和田さんは役の中で密接な関係ですが、お芝居についてお話もされたり?

松田凌 お芝居についてはほとんどしていなかったと思います。言葉にせずと言ったら、ちょっと綺麗すぎるのですが、お互い怠惰にはならないですし、絶対的に琢磨くんが生み出すものにリスペクトがあります。そういうところがお芝居の楽しさでもあるので、ディスカッションからのお芝居ではなく、「まずはやってみよう」というスタンスでした。今はそういうやり方がすごく楽しいです。

――本田さんから見た和田さんの印象は?

本田礼生 琢磨さんとご一緒させていただくのは今回が初めてです。お会いする前から優しそうな方だなと思っていたのですが、予想通り本当に優しい方でした。僕にとって大先輩なので、今回ご一緒できて本当に嬉しかったです。

――本作で刺激をもらったんですね。

本田礼生 はい。琢磨さんとお芝居で多く絡めたわけではないのですが、その中で、もしかしたら優しさの中にも厳しさを持ってらっしゃる方なのかなと感じ取れたので、これから舞台の稽古に入りますが、もっと色々お話してみたいと思っています。

――和田さんから見た矢崎さんの印象は?

和田琢磨 僕と同郷というのも貴重な存在なのですが、自分から誘うことはあまりないんですけど、この間「今日の夜、ちょっと空いてない?」と誘ってみたんです。

矢崎広 今回は残念ながら実現しなかったんですけど。

和田琢磨 そういう風に自分からアプローチできるので、いい意味で楽にお付き合いできる方という印象です。

矢崎広 嬉しい!

和田琢磨 残念ながら、矢崎さんは舞台の方には出演されないんですけど、またどこかで必ず共演できると思いますし、ずっと気になる存在です。

――本田さんから見た矢崎さんはいかがでしょう?

本田礼生 広さんとは、一度別の作品でご一緒させていただいたことがありました。凌くんから「僕にとっての兄貴だよ」と事前に聞いていたので、僕にとって兄貴の兄貴という印象です。

矢崎広 凌、僕の悪口とか言ってなかった?

一同 (笑)。

本田礼生 「広さんに会いました」と凌くんに話したら、全く同じことを聞かれました(笑)。

――松田さんは尊敬する先輩である矢崎さんの印象は?

松田凌 僕にとって、広くんは「背中」でした。初めてご一緒した時から、広くんの背中に追いつきたくて、頑張っていました。それは新選組がモチーフで描かれていた作品だったのですが、広くんが背負ってる「誠」という文字が僕には遠すぎて、必死でもがいてました。その作品は、僕の中で「ここから頑張っていくんだ」という気持ちを与えてくれた作品でもありました。

――常に目標なんですね。

松田凌 はい。その時に広くんはいい意味で情けない姿もさらけだしてくれて、最初に見たあの背中が忘れられなくて、今でも広くんのようになれたらと思っています。そして、経験を積んできたので、当時の僕らとは違いますが、ふと何気なく2人で話していると、10年前の自分に戻れる存在でもあります。

矢崎広 確かにそれはあるよね。

松田凌 うん、いい意味で楽です。

矢崎広 それ、琢磨くんと一緒じゃん(笑)。

――松田さんから見た後輩である本田さんの印象は?

松田凌 僕が礼生くんと初めて出会ったのが、公演数が多く濃密な時間を過ごした作品で、そのときの座長だったのが礼生くんでした。座組の人数も多いし、関わっているスタッフの数も多いので、もし自分が礼生くんの年齢だったら、その重圧から目をそむけたいと考えていたと思います。でも、彼はすごくどっしり構えていて、座長がこれだけの熱意と誠実さを持ってれば絶対大丈夫、と思わせてくれるぐらい頼もしかったの覚えています。それは稽古の姿勢でもわかりますし、年齢というのは関係ないなと思いました。ですので、僕はとても信頼してますし、一緒になるたびに礼生くんがいれば、百人力だなと思える俳優の1人です。

――矢崎さんから見た本田さんは?

矢崎広 以前、舞台『鬼滅の刃』で共演したことがあるのですが、現場での立ち振る舞いがとても素敵な役者です。先輩や後輩、色んな俳優さんを見ていても、現場での礼生くんはすごく周りを見ています。その姿を見て礼生くん自身がたくさん苦しい、つらい思いをしてきた人なんだろうなと僕は思いました。だからこそ、さらにいい俳優になっていくと思います。特に殺陣においては、早乙女太一さんや早乙女友貴さんレベルの人は当分出てこないだろうなと僕は思っていたんですけど、礼生君はそのお2人と肩を並べるぐらい動けるので本当にすごいです。僕は礼生君と殺陣で張りあうのはやめようと思いましたから(笑)。本作でも、それが存分に発揮されてますし、僕の後輩としても一目置く部分がとても多い役者だと感じています。

――本田さん演じる沖田総司の殺陣は必見ですね。

矢崎広 やっぱり目を引きます。沖田総司のキャラクターもすごく面白い作り方をしているので、 ぜひ注目してもらいたいです。

和田琢磨 僕は礼生くんは初めましてだったのですが、沖田総司のイメージから入ったので、多くを語らずとも体の中では100両ぐらいの列車を引っ張るぐらい、火が常に燃えてるような方だなと思いました。また4月から始まる舞台『仁義なき幕末 -令和激闘篇-』でもご一緒するのですが、より多くのシーンを一緒にやりたいと思わせてくれる魅力的な役者さんです。

――『仁義なき幕末 -龍馬死闘篇-』は幕末にタイムスリップされますが、もし皆さんがその時代にタイムスリップしたらどうしますか。

和田琢磨 どうにかして逃げます(笑)。戦わずに逃げて生きのびる方法を考えると思います。

――本作のように新撰組に入るみたいなことはない?

和田琢磨 おそらく新撰組に入ったとしても、自ら戦いにはいかないと思います(笑)。

――本田さんはどうしますか。

本田礼生 いろんなパターンが思い浮かびますが、もう腹を括って覚悟を決めるしかないと思う自分と、最後まで逃げ続けようとする自分がいると思います。どちらにしたらいいのか決めきれずに揺らぐ自分が想像つきます。

――矢崎さんは?

矢崎広 僕はのんびり過ごしたいです。田舎の方に行って、まだ当時にはないお菓子とかを作ってボロ儲けするとか(笑)。

――例えばどんなものを?

矢崎広 僕はホットケーキが好きなので、それを幕末で作ってみたいです。もしくは今と同じように歌舞伎の世界に入ってみたい。戦いの方には一切参加せずに、どうにかうまく生き残れないかなと、今の知恵をうまく使って生きていきたいです。

――松田さんはいかがですか。

松田凌 今作で坂本龍馬を演じさせていただくのですが、去年は桂小五郎を演じて、その前は中村半次郎。デビュー作で新撰組の斎藤一を演じました。長州藩も土佐藩も薩摩藩もお芝居を通して経験して、その中で思ったことがあって、それは僕は命を賭けるんだったら、 海を渡る選択肢を取るんじゃないかなと思いました。

――海外から日本を変えていきたい、ということですか。

松田凌 日本を変えていきたいと言いますか、今よりも生と死が常に隣り合わせの場所に自分がいま行かなければいけないとしたら、僕は当時の世界というものを、この目で見てみたいです!

(おわり)

左から本田礼生、松田凌、和田琢磨、矢崎広

作品情報

●ムビ×ステ セット『仁義なき幕末』 価格:16,500円(税込) 2023年3月に公開された映画『仁義なき幕末 ‐龍馬死闘篇‐』と 2023年4~5月上演の舞台『仁義なき幕末 ‐令和激闘篇‐』の 2作品が収録されたスペシャルセット 映像特典(予定)
Disc1◆特報◆予告
<音声特典>Disc1 (映画)オーディオコメンタリー
(※劇場公開時に配信されたものです。)

BSTD20780/COLOR/本編210分(予定)/disc1:1層(予定) disc2:2層(予定) スペシャルディスク:2層(予定)/disc1:リニアPCM(5.1ch) disc2:リニアPCM(ステレオ) スペシャルディスク:リニアPCM(ステレオ)/disc1:16:9【1080p Hi-Def】 disc2: 16:9【1080p Hi-Def】/2作品収録
★各作品を収録したBlu-rayも同時発売

●映画『仁義なき幕末 ‐龍馬死闘篇‐』価格:7,480円(税込) <映像特典(予定)>◆特報◆予告 <音声特典>オーディオコメンタリー
(※劇場公開時に配信されたものです。)
BSTD20778/COLOR/本編90分(予定)/1層(予定)/リニアPCM(5.1ch)/16:9 【1080p Hi-Def】

●舞台『仁義なき幕末 ‐令和激闘篇‐』
価格:9,680円(税込) BSTD20779/COLOR/本編120分(予定)/2層(予定)/リニアPCM(ステレオ)/ 16:9【1080p Hi-Def】

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