ほのかりん「大人になってわかるようになってきた」新曲「羨望」で届けたいメッセージとは
INTERVIEW

ほのかりん

「大人になってわかるようになってきた」新曲「羨望」で届けたいメッセージとは


記者:村上順一

撮影:

掲載:23年04月27日

読了時間:約7分

 シンガーソングライター・女優として活動するほのかりんが、新曲「羨望」を配信リリース。 この楽曲は4月12日よりLemino・ひかり TVで配信がスタートした、高岩成二、小栗有以(AKB48)が出演するドラマ『グッドモーニング、眠れる獅子2』の主題歌 。本作の監督は『仮面ライダーフォーゼ』を手がけた坂本浩一氏で、同作に出演歴のあるほのかりんに主題歌をオファー。80年代のテイストで「闘う」「強い女」等のキーワードを元に作詞をほのかりん、作曲はひろせ P(YCM)との共作で制作。「誰に何を言われても、私は私!とまっすぐ生きていこう」というメッセージが込められた楽曲に仕上がっている。インタビューでは、「羨望」の制作背景に迫るとともに、大人の女性へと思考が変化したと語るほのかりんに話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

マインドチェンジができる曲になったら

村上順一

ほのかりん

――『グッドモーニング、眠れる獅子2』の坂本監督とは以前『仮面ライダーフォーゼ』でご一緒されていたみたいですね。今回どんな経緯で主題歌を担当されることになったのでしょうか。

 私、今回出演している小栗有以さんと同じ事務所なんですけど、そのマネージャーさんが坂本監督といまお仕事をしてると聞いて、私が「えっ!坂本監督に会いたい」と話したら、「今度現場から電話をつなぐね」と言ってくれて。それで監督と「また会えたら嬉しいね 」みたいなお話をしていたら、「主題歌作ってみる?」と仰ってくださって、「是非作らせてください 」とお返事させていただいたのがきっかけでした。

――坂本監督から楽曲の方向性のリクエストは?

 マネージャー伝いに聞いていたものなんですけど、80’sっぽい曲の雰囲気で、強い女性のイメージで書いてほしいとリクエストをいただきました。台本を読ませていただいて、ちょっとコミカルなところもありますし、作品自体に寄せるというよりは、そのイメージがより広がる、背中をグッと押してくれる曲になったらいいなと思いました。作品を強く意識するというより、「強く生きよう」というメッセージを込めたいなって。

――『グッドモーニング、眠れる獅子』という作品にどんなイメージを持ってますか?

 熱い!と思いました。私はこの作品から男性特有の熱さを感じて、これはまさに坂本節の画角だなと思いました。今回配信される『グッドモーニング、眠れる獅子2』は前作よりコミカルになっていて、『仮面ライダーフォーゼ』の衣装も着ていたというお話も聞いているので、すごい楽しみです。

――具体的に「羨望」の歌詞はどのような人物をイメージして書かれました?

 女性の部分を少し強く書いてしまったんですけど、男性にもそれは通じると思いました。まっすぐ生きることの大変さってあるじゃないですか? 例えば誰かに何かを言われて凹む時もあるけど、そうなった時に自分を奮い立たせられるのは自分しかいないので、そのきっかけになる、マインドチェンジができる曲になったらいいなと思い、自分がなりたい自分をイメージして書きました。

――以前「envy」という曲がありましたけど、和訳すると羨望という意味だと思うのですが、本作とは意味合いが違う?

 「envy」はちょっと憎しみといいますか、妬みっぽい感じの内容なんです。羨ましいという気持ちが嫉妬になっていくみたいな。自分の中で嫉妬が生まれるとおそらく「envy」の歌詞のような感じになると思います。

――確かに「羨望」は違いますね。

 私が大人になったからなのか、私も羨ましがられる生き方をしていきたい、格好よく生きていきたいという想いが強くなりました。逆に私が誰かを羨ましいと思ったとしても、嫉妬ではなく良い見本を見つけたんだという考え方に変わりました。

――ほのかりんさんが羨ましいと思う人ってどんな方ですか。

 私が絶対に似合わないようなワンピースが似合う人(笑)。見た目もそうだし、すごいみんなから好かれている人とかを見ると「いいな」と羨ましくなります。

――アーティスト活動を始めてから5年以上経って、内面もどんどん変化してるんですよね。

 そう思います。今振り返ると当時は憎しみしかなかったんですよね。怒りのマインドで曲を書いていたと思います。最近は悲しいモードに入っていたので、バラードばかり書いていたんですけど、いま再びロック系をやりたいと思っています。

人の行動心理が気になる

村上順一

ほのかりん

――主題歌となると、楽曲制作への意識は変わりますか。

 毒と言いますか、私はどうしてもエッジを効かせたくなってしまうので、今回バランスを大事に書きました。私らしさがなくなったら私じゃなくても良いことになってしまうので、主題歌とはいえ、しっかり私のエッセンスが残るようにというのは意識していました。

――制作期間はどのくらいでした?

 3週間ぐらいだったと思います。もう誰をプロデューサーに立てるのか、いつまでに楽曲を仕上げるのか、もしイメージと違うと言われて曲が戻ってきても、すぐに直せるようにしてました。スケジュールがパツパツのなかで作ってました。

――「羨望」は、ひろせ P(YCM)さんとの共作ですが、どういう作り方をされたのでしょうか?

 監督からのリクエストにあった80’s感というのが、自分の中でなかなか想像できなかったので、先に枠組み決めちゃおうと思いました。先にメロをつけてアレンジの方向性を決めて、後から作詞をするという形をとらせてもらいました。

――ひろせ P(YCM)さんとはもともとお知り合い?

 私、ひろせ P(YCM)さんが所属していたバンド、フレンズがすごい好きで、割と近い存在だったんですけど、なかなか会える機会がなくて。お互いに認識はしていて、ある日、ひろせPさんが私に会いたいと言ってると知人から聞いて、「私も会いたい!」って。それでみんなで食事に行った時に「仕事を一緒にしたいよね」って。それで今回のお話をいただいた時にひろせ P(YCM)さんにお願いさせていただきました。

――レコーディングはどんなことを意識していましたか。

 自分は強い女というのを意識していたんですけど、声を張るんじゃなくて抜ける感じの強さを意識してました。強い歌詞で強く歌うと耳障りが良くないと思いました。音楽で背中を押すこと、寄り添うことが私のテーマなんです。私が音楽からそうしてもらっていたので、今度は私が寄り添ってあげたいという気持ちが強くあるので、押し付けがましくならないようにというのが、歌うポイントになってました。

――そういう気持ちになったのはいつ頃?

 音楽活動を始めたときは分かっていなかったと思います。シンガーソングライターのやり方もわかってなかったので、当時は闇雲に曲を作っていました。みなさんに曲を聴いてもらえてることが実感できた時に、私は寄り添えるアーティストになりたいんだと思いました。私が音楽を聴く時は感情を殺す時に聴いていて、荒ぶった心の波を凪にすると言いますか、落ち込んだ時に気持ちが上向きにならなくてもフラットになったらいいなって。自分の音楽も、みんなにとってそういう風になっていたらいいなと思いますし、「羨望」を聴いて頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいです。

――さて、新年度ですけど、新たに挑戦したいことはありますか。

 最近行ったことがない場所に行ってみるということをしていて、私は普段クラブとか行かないんですけど、この前行ってみたらすごく楽しくて。食わず嫌いしていたことがいっぱいあったんだと思いましたし、人生のインプットになるなとすごく思ったので、今は英会話や麻雀、ゴルフもやってみたいです。

 あと心理学にも興味があります。人の行動心理が特に気になっていて、その資格を取ろうと、いま教材で勉強しています。最近『アドラー心理学』の本を読んでいるのですが、それが教材とは言ってることが真逆で面白いんです。

――行動心理、どんなことに活かしていきたいと思っていますか。

 私、人がすごく好きでもっと人のことがわかるようになりたくて。感情とか人の思考回路をすごく知りたくて。

――ここまででどんな学びを得ました?

 全ては脳の勘違いだと思っていて、ちょっとだけ考え方を変えればプラスになるということです。私はネガティブ思考なんですけど、表に出てる部分はすごくポジティブなんです。自分の中でネガティブとネガティブを掛け算してるからなんですけど、そういう風にみんなもなれたらいいのになと思っています。

――「羨望」の歌詞にあるような<i don't care 後ろ指刺されても良いの>というフレーズが今の心境が表れていると思いました。

 良くも悪くも誰も気にしてないということが、大人になってどんどんわかるようになってきました。私のファンは若い女の子が多いんですけど、悩み相談がDMで来たりするので、そういう子たちにも「羨望」のメッセージが届いたら嬉しいです。

(おわり)

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