北野武監督最新作は戦国時代、構想に30年「優秀な役者が揃ってようやく実現した」
映画『首』完成報告会見
西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋、北野武監督が15日、都内で行われた映画『首』(今秋公開)完成報告会見に出席した。
【動画】『首』完成報告会見の模様。本作の構想を語る北野武と、撮影の裏側を明かす西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋(約27分)
構想に30年、制作費15億円を投じた戦国スペクタクル。舞台は戦国時代。羽柴秀吉、明智光秀、織田信長、徳川家康ら戦国武将と本能寺の変を描く。信長の跡目をめぐる様々な欲望と策略が入り乱れ、血肉が飛び散る戦から燃え上がる本能寺へと突き進む。
明智光秀を西島秀俊、織田信長は加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、成り上がり者の秀吉に憧れる百姓・難波茂助を中村獅童を演じる。北野監督自身も羽柴秀吉を演じる。
北野監督は「(今の時代劇は)欲や裏切りなどがあまり描かれていないので面白くない。本能寺の変には80ぐらいの説があるが、秀吉が裏でかなり動いたというのがこの映画の構想。最近になって北野組でこれだけの優秀な役者が集まってようやく撮れるなと思って実現した」
更に「日本の戦国時代の人間関係、恨み妬み、成り上がりや天下を取る裏でどれだけ悲惨な事が行われていたかというのを描きたいと思った。だいたい農閑期に百姓を連れて戦している。庶民の生活や戦国大名の真実的なことがあまり描かれていない。正しくないかもしれないけどこういう見方もあることを描きたかった」
舞台を戦国時代にした理由は「男同士が絡み合う。殿さまに対して命をかけるのはそういう関係であるというのは自分の考えで、それを描かないのは戦国時代的におかしい。そもそも戦国大名や武将は悪い奴らですから。一般の人が死んでも何も関係ない。その残酷さと、生と死をバックボーンとした生き方がうまく描ければと思った。男同士の愛ではないけど死を前にした男同士の関係を描ければ」と語った。
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