大橋トリオ「20年間の集大成となるように」主題歌&劇伴制作への想いとは:ドラマ『探偵ロマンス』
大橋トリオ
大橋トリオが、音楽・主題歌を担当している土曜ドラマ『探偵ロマンス』(1月21日~毎週土曜 NHK総合 夜10:00~)。大橋は2007年にアルバム「PRETAPORTER」でデビュー。シンガーソングライターとしての活動のほかテレビドラマ、CM、映画音楽の作家としても活躍。代表作には映画「余命 1 ヶ月の花嫁」「雷桜」「PとJK」の劇伴。近年ではNHK Eテレ「にゃんぼー!」の音楽や、TBS系「世界遺産」のテーマ曲も担当。昨年2月にデビュー15周年を記念したベストアルバム「ohashiTrio best Too」を発表、昨年5月から7月にかけてホールツアーを開催。11月3日には15周年記念ライブ「TRIO ERA 2」を東京・ 東京国際フォーラム ホールAで行った。そんな大橋に、音楽・主題歌を担当しているドラマ『探偵ロマンス』の音楽制作について、話を聞いたオフィシャルインタビューを下記に掲載。
大正時代が舞台と聞いてその響きだけでもグっときました(笑)。
――『探偵ロマンス』のオファーを受けた時のお気持ちは?
僕は元々映画音楽家になりたいという夢があって、これまでに何度か映像音楽に携わってきました。このところしばらくドラマや映画の劇伴制作から少し遠ざかっていたのですが、次にもし劇伴をやるとしたら 満を持して挑んでみたいと思っていたところに『探偵ロマンス』のお話をいただいたのでうれしかったですね。音楽家としては何か特別な意味合いがあります。
探偵のドラマはいくつかありますが、その音楽は汎用性が高くいろんなシチュエーションにはまりやすい。自分のバックボーンやルーツみたいなものが、良い具合に活かせるジャンルであると思いました。また僕は大正時代が好きなんです。大正時代が舞台と聞いてその響きだけでもグっときました(笑)。
――大正時代がお好きだと聞きましたが、どういったところに魅力を感じられていますか?
誰もが夢を見ていられた、そんな時代だったんじゃないかなと勝手に想像しています。実際にその時代に 居たわけではないのでわからないですが、想像が膨らみますよね。建築だったら擬洋風建築だとか。たった 15 年間という、その刹那的な短さやその時代の空気や文化、建築に魅かれているのだと思います。
――楽曲を制作するにあたってその時代を描いた本や映画など、何かインスピレーションを受けられたようなものはありましたか?
影響を受けすぎると良くないので、極力、その時代を描いたものには触れないようにしました。本とか映 画とかはあえて触れないようにしていましたね。ただ大正時代らしい音楽って一体何だろう?というのは リサーチしました。その時代にどんな楽器があったのか、またはどんな楽器がなかったのか、ジャズはまだ 日本には入ってきてはいなかっただろうといったイメージトレーニングはしましたね。音楽を聞いてしま うとそっちに絶対引っ張られてしまうのはもう目に見えたから、あえて白いままにしておきました。
――主題歌や劇伴を制作するにあたって込められた思いはなんでしょうか?
とにかく自分にとっては満を持しての制作だったので、音楽家として世に出てから20年ほど経ちますが、 その20年間の集大成となるようにしたいという気持ちはありました。僕の作業はもう終わってしまったの で、どこまで達成できたかはわからないのですが、制作陣の皆さんが、大橋トリオの音楽に対する期待が 10 だとすると、それを 12 ぐらいまでには持っていきたいなというのはずっと思っていました。制作統括の櫻 井賢さんが「その音楽がそこにあることで、言語化できないものが浮かび上がってきて、大橋トリオさんの 音楽の世界の深さみたいなものに毎回圧倒されています」と言ってくださってうれしかったですね。
――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
ここまで満を持して自分の集大成としての音楽だと何度も言いつつも、音楽がメインなわけではありま せん。視聴者の皆さんには『探偵ロマンス』がもつ、ありそうでなさそうな不思議な世界観の映像に浸っていただきたいですし、僕の音楽でそのお手伝いができればいいなと思っています。
番組情報
土曜ドラマ『探偵ロマンス』
【放送日】1月21日~毎週土曜 総合 夜 10:00~10:49 <全4話>
【脚本】 坪田文
【音楽・主題歌】 大橋トリオ
【出演】濱田岳 石橋静河 泉澤祐希 森本慎太郎 世古口凌 杏花 原田龍二 本上まなみ 浅香航大 浜田学 松本若菜 上白石萌音 近藤芳正 大友康平 岸部一徳 市川実日子 尾上菊之助 草刈正雄 ほか
【制作統括】 櫻井賢
【プロデューサー】 葛西勇也
【演出】 安達もじり 大嶋慧介