左から小関裕太、三浦宏規、高野洸、牧島輝(C)原泰久/集英社

 動乱の春秋戦国時代を描く原泰久氏による国民的大人気コミック『キングダム』(集英社)が2023年2月、帝国劇場で初の舞台化。信役を三浦宏規/高野洸が、えい政(えいは正しくは漢字)・漂役を小関裕太/牧島輝が務める。

 時は紀元前、春秋戦国時代。未だ一度も統一されたことのない苛烈な戦乱の中にある中国を舞台に戦災孤児の少年・信とその玉座を追われ、のちの始皇帝となる若き王・えい政。2人の少年が時代の荒波にもまれながらも、友との約束のために、そして己の夢のために史上初の中華統一を目指す大人気コミック『キングダム』。

 2006年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載が始まると次第に人気を獲得し大ヒットに、既刊65巻の累計発行部数は9000万部を突破(2022年6月現在)。著者である原泰久氏はなんと本作がデビュー作ながら、2013年には第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。現在、TVアニメ第4シリーズも放送されている。2019年4月には待望の実写版映画が公開されると山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、長澤まさみ、大沢たかお等豪華俳優陣、そして原作の再現度と高いエンターテイメント性が評価され、2022年7月公開の『キングダム 2 遥かなる大地へ』も大ヒット上映中。

 俳優・芸人・アーティスト等各界の著名人のファンも多く、テレビ朝日系「アメトーーク!」では「キングダム芸人」が特集されるなどファンの熱量も話題になった。様々なメディアミックスを経て、常に社会現象といえる盛り上がりを巻き起こし続ける。

 その新たな展開として、初の舞台化を実現。演出は、帝劇で『ローマの休日』『風と共に去りぬ』『ダンス オブ ヴァンパイア』など数多くのスケールの大きな作品を手掛ける山田和也、脚本は、英国での演劇活動から体得した朗読手法と、日本古来の話芸である落語や常磐津、声優文化、オペラやミュージカルの手法を混ぜ合わせた「藤沢朗読劇」と呼ばれる独特の朗読スタイルで唯一無二の存在感を放つ藤沢文翁が担当。

 音楽はTVアニメ版『キングダム』(第3シーズン、第4シーズン)のKOHTA YAMAMOTOが手掛け、生演奏で、俳優の迫力ある演技と音楽が、一体となるライブ・エンターテインメントならではの舞台『キングダム』をお届け。

 コミックス1~5巻の、信が秦王・えい政と手を組み、王弟から玉座を奪還するまでの「王都奪還編」は数あるシリーズの中でも涙を誘う有数のエモーショナルなエピソードで、他巻のエピソードも盛り込みながら、現在脚本化を進めている。

 未来のエンターテイメントを担う、4人が信とえい政・漂を演じる。1911年開場以来、世界有数の舞台機構を誇る帝国劇場は、時代時代で演劇の新たな挑戦に取り組んできた。

 『風と共に去りぬ』の世界初の舞台化、『ラ・マンチャの男』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『エリザベート』の日本初演、ミュージカル単独主演記録を誇る『SHOCK』、森光子出演『放浪記』の2000回上演、世界中で愛される映画『千と千尋の神隠し』世界初演など、伝統を大切にしながら革新的な舞台に取り組んできた帝国劇場が、『キングダム』の初の舞台化にチャレンジ。

 天下の大将軍を目指す、戦災孤児の少年「信」を演じるのは、三浦宏規と高野洸の二人。三浦と高野は、二人とも2017年からミュージカル『刀剣乱舞』に兄弟(三浦=髭切・高野=膝丸役)の役で出演し、現在の『刀剣乱舞』ブームの立役者として知られる。

 三浦は、近年もミュージカル『GREASE』(2021 シアタークリエ)主演や、舞台『千と千尋の神隠し』(2022 帝国劇場)ハク役など着実にキャリアを重ねての帝劇初主演となる。高野はダンスユニット「Dream5」としてキャリアをスタートさせ、映像・舞台・音楽と活動の場を多彩に広げながら、満を持して、異例の帝劇初出演にして初主演。

 中華統一を目指す若き秦国王「えい政」と、信の親友でともに天下の大将軍を目指す「漂」の二役を務めるのは、映像・演劇で鮮烈な活躍を見せる小関裕太と牧島輝。今年5月にこのコロナ禍で全日程完売となったミュージカル『四月は君の嘘』で主演を務めた小関と、今もミュージカル『刀剣乱舞』を中心で支える牧島が、いずれも待望の帝劇初登場となる。

上段左から三浦宏規、高野洸、下段左から小関裕太、牧島輝

コメント

三浦宏規――帝国劇場で『キングダム』が舞台になります。その初演の信役を演じさせて頂きます。信の熱さ、そして政や漂とのかけがえのない友情を皆様にしっかりと感じて頂けるように演出の山田和也さんをはじめ、とても信頼している高野洸くん、素晴らしいスタッフキャストの皆さまと一緒にこの作品を創っていけることに今からとても楽しみです。

高野洸――初めて帝劇に立たせて頂きます。多くの読者の皆さんが愛する『キングダム』の初舞台化、そして僕は信の役ということでとても恐れ多いのですが、信と同じような気持ちで、歴史に名を刻む覚悟でやりたいなと思っています。一人の少年が、やがて中華統一を果たしていく、その第一章の部分を、帝国劇場の舞台でやるということで今から準備をしていきたいと思っております。そして信役をダブルで演じる三浦宏規は、信頼していますし、一緒に頑張っていけるような仲なので今からとても楽しみです。『キングダム』初演を成功させたいと思います。

小関裕太――このたび『キングダム』が帝国劇場で初めて舞台化されることになり、僕はえい政・漂役を演じさせて頂くことになりました。春秋戦国時代を生き抜いた人々を描いているこの作品、時代は違えど、なんとなく舞台と共通している部分がある気がします。同じ戦場で戦う中で、心の中で横一列になって手をつないで一つの目的に向かっていくのは舞台と通じるのではないかと思います。物語と同じようにキャスト同士激を飛ばしあいながら、自分を鼓舞しながら、素晴らしい作品というゴールに向かって突き進んでいきたいと思っています。

牧島輝――舞台『キングダム』のえい政・漂役で初めて帝国劇場に出演させて頂きます。僕は漫画から入ったのですが、漫画の1巻のスタートが、信が大将軍になっているところから始まり、えい政も始皇帝になることが決まっている。どうなるのかが分かっているのに、こんなにワクワクできる、素晴らしい作品です。えい政の役は大好きですけれど、この政なら始皇帝になれそうだな、という希望を皆さんに感じ取ってもらえるように立派に演じていきたいと思っています。

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