INTERVIEW

3時のヒロイン

「ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ」の魅力を語る


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:22年08月16日

読了時間:約8分

 3時のヒロインが、8月18 日〜21日東京国際フォーラムホールAで開催されるPARCO presents 『LA LA LAND Live in Concert : A Celebration of Hollywood ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ初来日公演』のオフィシャル PR アンバサダーに就任。『ハリウッド版ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』は、既存のフィルム・コンサートにはなかったダンサーたちのライブ・パフォーマンスをはじめ、華やかな花火や特殊効果、60名の大合唱団、88名編成のフルオーケストラとジャズ・バンドの生演奏、そして映画本編の映像、すべてが融合した総勢170名超出演の究極のステージ・エンターテイメント。ミュージカル映画 『LA LA LAND』の作曲を担当したジャスティン・ハーウィッツが、映画の舞台でもある街、米ロサンゼルスから来日し指揮者を務める。インタビューでは、オフィシャル PR アンバサダーに就任した3時のヒロインの福田麻貴とかなでの2人に、アンバサダーとしての意気込みから、映画 『LA LA LAND』の魅力、夢を叶えることへの覚悟について話を聞いた。(※ゆめっちは体調不良のため休養中)【取材・撮影=村上順一】

全ての要素がパーフェクトな作品

――オフィシャルPRアンバサダーに決定した時の心境を教えてください。

福田麻貴 「本当に?」って思いました。スケジュールに『LA LA LAND』アンバサダー(仮)みたいな感じで入っていたんですけど、CM出演が流れたりとか、全然あることなので、今回のアンバサダーも流れるかもと思ってたり。決まったらいいなという希望が、日にちが経つにつれ「もしかして、これあるんじゃない?」みたいな感じになってきて、正式に決まった時は映画『LA LA LAND』の大ファンなので嬉しかったです。

――周りの方にはオフィシャルPRアンバサダー就任については伝えました?

福田麻貴 ラランドのサーヤに話しました。サーヤに飲みに誘われた日が、ちょうど『ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』のアンバサダーの活動日だったんです。

かなで 私はきゃりーぱみゅぱみゅちゃん、加藤諒くんと一緒にいる時に、「そういえば『ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』が来日するんだよね」という話になったんです。オフィシャルPRアンバサダーに就任することは決まっていたのですが、最初自分と『LA LA LAND』が直結していなくて、途中で思い出して「私、それのアンバサダーだ!」と話したら、2人から「えー!いいな」って言われました(笑)。

――お二人は『LA LA LAND』が大好きとのことですが、どんなところに共感を得ましたか。

福田麻貴 夢を追う2人の物語というところです。私たちがまだ全然お仕事がない時に観た映画だったので、心に刺さった部分が多かったんです。そしてダンスと歌、ファッション、ストーリーのオシャレさ、ロマンティックさも含めて私にドンピシャで。もう始まった瞬間から最後までずっと釘付けで1秒も退屈ではなかったです。全ての要素がパーフェクトな作品でした。

かなで 私はもともとミュージカルがすごく好きで、色んな作品を見ているんですけど、『LA LA LAND』にしかない空気感があるなと思いました。ミュージカルは歌い上げるものが多いと思うんですけど、『LA LA LAND』はかすれ声であえて歌う曲もあったり、ストーリーの結末も切なかったり、今までにないミュージカル映画だなって。曲もめちゃくちゃ好きな感じでハマりました。

――特に印象に残ってるシーンは?

福田麻貴 冒頭部分もそうですし、ピアノ演奏のシーン、ダンスをしているシーンは特に大好きなんですけど、そういうシーン以外で心に残ってるのは、ちょっとしたスレ違いでケンカになってしまって、料理が焦げてしまったシーンです。そこでのミアとセバスチャンのセリフの応酬が「あっ。本当にこうやって人ってすれ違うよね」と思いました。楽しい日にケンカしてしまうというのがリアルに表現されていて印象的でした。

かなで 私は友達がパーティーに誘うシーンと、ミアの面接のシーンが印象に残っています。語りから曲に入っていくところがすごかった。

福田麻貴 あれ一回コントで真似しようと思ったよね。結局それは披露はしなかったんですけど、一本ネタを作ったことはありました。

かなで そうそう。私もある芸人さんが単独で『LA LA LAND』の曲を使うとなって、それに振りを付けたことがありました。あのシーンは使いたいって思う人いっぱいいたと思います。

福田麻貴 みんなで踊るシーンをバラエティー番組で再現してるのがあって、まだ私達はテレビに出れてない時期だったので凄くうらやましかったのも覚えてます。これほどポップシーンに躍り出たものってどこかダサく見えるじゃないですか。でも、『LA LA LAND』はダサくならない。これだけみんなが使っても、全然まだ新しいと思えちゃうところがすごいなと思います。

――アンバサダーとして、ここまでやります!という意気込みは?

福田麻貴 もし、リクエストがあれば『LA LA LAND』のダンスを完コピとかやります! むしろやりたいです。ただ、時間と先生を与えていただいたらという条件つきですが(笑)。

かなで ミュージカルすごく好きなので、何かやらせていただけるんだったら、何でもやりたいです。『LA LA LAND』の為ならNGはないです!

福田麻貴 じゃあ、『ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』の上演を記念して、かなでには虫を食べてもらって。

かなで えっ!『LA LA LAND』に虫は関係ないよね? すみません、やっぱり何でもは無理なので虫とホラー系はNGでお願いします(笑)。

夢とは覚悟

村上順一

3時のヒロイン

――2017年に3時のヒロインは結成されましたが、『ラ・ラ・ランド』が日本で上映されたのも2017年で、一緒なんですよね。

福田麻貴 3時のヒロインが結成された時は、歌とかダンスが好きだから集まったわけじゃなくて、蓋を開けてみたら、みんなダンスをやっていたり、歌が好きだったという感じなんですよね。そんな3人が組んだ年に、『LA LA LAND』がアカデミー賞を獲って、数年後に私たちがPRアンバサダーに選んでいただけたというのは、すごく運命的だなと感じます。

かなで 『LA LA LAND』と共に生きてます!

――今回の公演の見どころは?

福田麻貴 かなり華やかな感じになるんじゃないかなと想像しています。『LA LA LAND』と言えばダンスが印象的で、生バンドの後ろのスクリーンに映画が流れている中で、ダンサーさんによるダンスもあるので、映画の世界観により近づいたステージになるんじゃないかなと思います。

かなで 自分が本当に映画の世界に入り込んだかのように感じられるところだと思います。

――どんな人に観に来てもらいたいですか。

福田麻貴 仕事を頑張っている人、逆に仕事を頑張れない人、同じ毎日が続いてると感じている人に来ていただいて、ちょっと見える世界が変わるかもしれないので、そういう方に来ていただきたいです。

かなで 『LA LA LAND』のファンの人はもちろん、ミュージカルは苦手だと感じている人は是非観ていただきたいです。『ラ・ラ・ランド』は通常のミュージカルとはちょっと違う形だと思うので、面白いと思います。

――『LA LA LAND』は男女二人を中心としたストーリーですが、お二人がもしミアの立場だった場合、セバスチャンが音楽家として妥協していくシーンは、自分ならどのような対応をすると思いますか。

福田麻貴 セバスチャンは妥協したけど、バンドが売れてるというところでの感情はすごく複雑だと思うんです。セバスチャンがミアより高い位置にいるという嫉妬もあったりすると思います。だからシンプルに「夢を追いかけようよ」という風には言えない。その人の人生に関わることなので、容易に口出しはできないから、私もミアとセバスチャンと同じような道を辿りそうな気がしています。

かなで 自分がもし同じ立場だったら私もそうなると思います。応援もすることで、好きな人が遠くの存在になってしまうという切なさもあるので、本当に掛けたい言葉も掛けていいのかとなってしまうと思います。

――お二人が夢を追いかけてる若者に応援のメッセージを送るとしたら?

福田麻貴 難しいですね。自分が夢を追いかけてきた身からすると、「夢って叶うよ」とは簡単に言えないんです。叶わなくても、叶うまでやる覚悟がある人がたぶん夢を叶えられると思うので、私の中で「夢=覚悟」みたいな感覚もあります。

かなで 夢が叶うとか叶わないとか以前にそれをやりたいんだったら、まずやってみてほしいと思います。私はどこに夢の位置を設定するかがすごい大事だと思っていて、例えばお笑い芸人になりたいという夢があったら、そう思った時点で芸人にはなれてるわけじゃないですか。その時点でひとつ夢は叶っているけど、今度はもっと売れたいとか色々な欲が出てくると思うのでキリがないのですが、人生一度きりしかないので、やりたいようにやった方がいいと思っています。

――そんなお2人が芸人として売れる、夢を叶えるために覚悟を決めた瞬間は?

かなで 私は芸人になろうと思った瞬間が覚悟を決めた時です。それは、自分からお笑い芸人になりたいと思ったからなんです。昔、バレエを習っていた時は親が習った方がいいんじゃない? という勧めで始めたので、芸人になろうと思った時とは違ったんです。NSCに入った時が一番覚悟があったと思います。

福田麻貴 私は上京した時、めちゃくちゃ貧乏でした。私が吉本に入った年に父が亡くなって、大阪にいる母にも淋しい思いや貧乏をさせて、自分も東京で惨めな生活して何をやっているんだろうって。その中で思ったのが母を絶対に幸せにしたいと決めました。辛ければ辛いほど、その覚悟が決まっていった感覚がありました。

――自分の為ではなかったんですね。

福田麻貴 そうなんです。当時はお笑いをやりたいのか、やりたくないのかもわからなくなって...。でも、一回テレビで売れるということを達成していなかったから、まだやめられないなと思って。途中からやりきるまで終われない、途中で絶対に降りたくないという気持ちになりました。その原動力は母の存在も大きかったんです。

――最後に読者の方にメッセージをお願いします。

かなで この『ハリウッド版ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』を観たら、きっと心が動いて何かが変わっていくと思うので、こんなにも素敵な作品は絶対に観に行くべきだと思います。

福田麻貴 映画を観た人は100%、1000%楽しめますし、映画を観たことがない人でも絶対に楽しめるエンターテインメントが詰まったステージだと思います。上質な音楽を身体で浴びて、ダンスを観て心が動かないわけがないと思います。本当に全人類にオススメしたい作品です。

(おわり)

ヘアメイク:薗部聖奈、小谷美佳
スタイリスト:梅津美羽

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村上順一
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